開拓奉仕を行なう格好の時
1 マタイ 24章14節の成就は,サタンが底知れぬ深みに投げ込まれる前の『短い時』の間に生じます。(啓示 12:12)それはつまり,わたしたちにとっても,この体制の終わりが来る前に王国の音信を宣べ伝えるための時が短いことを意味します。あなたも疑いなくその業に参加する決定を下しておられることでしょう。伝道之書 3章7節で賢人は,「語るに時」があると述べました。今こそその時なのです! しかしあなたは,そうするためにどれだけの時間を費やすべきか,という質問に取り組んでこられましたか。それは,あなたの命と他の人々の命に深い影響を及ぼし得る決定です。あなたの命にと言うのは,あなたが魂を込めた奉仕をささげる時,エホバは喜ばれるからです。他の人々の命にと言うのは,「収穫は大きいですが,働き人は少ない」からです。―マタイ 9:37。
わたしは開拓奉仕をすべきだろうか
2 奉仕において魂を込めるために,あなたは開拓奉仕をしなければならないでしょうか。それは事情によります。魂を込めた奉仕とは,神への奉仕において自分にできるすべてを行なっているという意味です。多くの人が開拓奉仕を行なえない事情にあることは明らかです。全時間奉仕よりも優先させねばならない種々の聖書的責任があります。ですから,自分の時間を開拓奉仕に用いるか,用いないか,という決定は,あなただけが下すことのできる決定なのです。―ガラテア 6:5。
3 多くの人は,人生において開拓奉仕を行なえるような事情の時点に達します。この事はイエスの場合に真実だったのではありませんか。イエスが30歳に達した時,み父から割り当てられた特別な業を開始する時が到来しました。イエスはちゅうちょされませんでした。(ルカ 3:23)続く全時間奉仕における3年半の間に,それまでの30年間に比べてどれほど多くのことをイエスが成し遂げられたか,考えてもみてください。その最初の30年間の出来事を描くのに,聖書はわずか数行を費やしているに過ぎません。しかし,3年半のその全時間伝道の記録は聖書の4冊の本をほとんど満たし,しかもヨハネは次のように語っています。「実に,イエスの行なわれた事はほかにも多くあるが,仮にそれが事細かに記されるとすれば,世界そのものといえども,その書かれた巻き物を収めることはできないであろうと思う」― ヨハネ 21:25。
4 真のクリスチャンすべてが従うべき手本,模範がここにあります。霊的な発育を遂げるにあたって,わたしたちはこの方を生活のかがみとしたいと思います。『わたしのことばはあなたがたの間で進んでゆかない』とイエスが語られた人々のようには決してなりたいと思いません。(ヨハネ 8:37)イエスの「ことば」は,イエスに倣って全時間伝道の業をしたいとあなたが願うところまであなたの中で進んできたでしょうか。自ら全時間の伝道者である使徒パウロはその域に達しました。パウロは「もし良いたよりを宣明しなかったとすれば,わたしにとっては災いとなるのです!」と述べたほど自分の責任を強く感じていました。―コリント第一 9:16。
あなたの事情はどんなものですか
5 わたしたちはみな,霊的な成長の過程で,開拓奉仕をしたいと願う域に達することができます。そうです,たとえ多くの人が実際に開拓奉仕を行なえない事情にあるとしても,わたしたちはみな,開拓者精神を持つことができるのです。もしかしたらあなたは最近学校を卒業されたか,卒業間近であるかもしれません。あなたは「組織」の本の「正規開拓奉仕」の題目の下で述べられていることに注目したことがありますか。136ページにはこう述べられています。「若い人たちはみな,この奉仕の分野を真剣に考慮してしかるべきです。若い人は,何年かの必要な普通の教育を終了したなら,自分の人生をどうするつもりですか」。それは続いてその質問に答え,献身してバプテスマを受けた人の場合「そのことには少しも疑問がないはず」であることを示しています。
6 「組織」の本の136ページは続いて,「開拓奉仕は,特定の年齢層に限られてはいません。開拓者の隊伍には,若い人や年取った人,独身の人や結婚している人,身体の強健な人,それに中には健康にあまり恵まれていない人も含まれています」と述べています。
7 1981年9月には1,177人という実に大勢の方々が正規開拓奉仕を始めました。今はあなたにとって開拓奉仕を行なうのに格好の時ではありませんか。ある伝道者たちは,少なくとも1年間開拓奉仕を行ない,自分にそれができるかどうか検討します。その中の多くの方が,年々続けていきたいと思うようになることでしょう。そうです,わたしたちの多くは毎日種々の決定を下します。しかし,開拓奉仕を行なうという決定以上に,幸福と永続する益をもたらす決定を人が下せることはまれです。ソロモンより偉大な方は,語るに時があることをわたしたちに告げておられます。今こそ事情の許す方々にとって開拓奉仕を行なう格好の時です。―マタイ 24:14。