彼等はヱホバの御国の栄光を語る
『その大能のはたらきと,その御国の栄光あるみいづとを人の子等に知らすべし。』― 詩篇 145:12。
1 ヱホバの証者を正しい種類の発表者としたものは何ですか?
ヱホバの証者は,地上に於いて最も良く発表する人々です。創造者であるヱホバ神とその子キリスト・イエスに就いての知識を得てから,ヱホバの証者は自分の考え思う事をかならず発表いたします。即ちヱホバの証者は,発表者となります。発表者といつても正しい種類の話し手であつて,噂話をする人ではありません。何故ならば,ヱホバの証者は神の言葉に述べられている真理を語るからです。実際に,ヱホバの証者達は語り告げるものを持つて居ります。そのものとは,将来に来る良きことがらの素晴らしい音信です。その音信は,あなたが今まで聞いたもののなかで最も素晴らしい音信であります。ヱホバの証者が,彼等の神ヱホバを知つているということは全く明瞭であります。彼等は,創造者であるヱホバ神の御稜威,栄光,力,智,愛,正義,そして至上権を知つて居ります。ヱホバ神は,全宇宙で最も大いなる方であるということを,ヱホバの証者はあなたに示すでしよう。また,ヱホバの言葉を研究することによつて,ヱホバ神が何を為し,そして最高の支配者として,何を現在と将来に為されるかということを人は知り得ると,ヱホバの証者はあなたに示すでしよう。ヱホバの聖名が何を意味し,ヱホバの大いなる業が何であり,ヱホバのなされる目的が何であるかを,或る人が十分に認識するようになると,その人は,ヱホバについて,そしてまたヱホバの御国の栄光をどうしても語るようになります。
2 何故ヱホバの証者は,そのような発表者でなければなりませんか?
2 あなたは次のことを十分に認識していますか? すなはち,過去に於いてヱホバはあなたに十分のことをなされたので,あなたはそれを語り告げることが出来そして,ヱホバは,現在大いなる事を成し遂げられているので,未だ知らない他の人達にあなたはそれを知らさなければなりません。ヱホバは将来に何を為されようとしているかということをあなたは理解しますか? また,あなたはこのことを宣べ伝えねばならぬということを理解しますか? ヱホバは,その言葉を通して,あなたに御自身を示されましたか? 若しそうならば,そしてあなたがヱホバの言葉を良く知つているならば,あなたは知つていることを他の人達に語らねばなりません。永遠の生命はどのように得られるかを,あなたは知るようになりました。生命がある中に,あなたは自分自身で物事をすることが出来,あなたの思うことを発表することが出来ます。若しも,死があなたの目標ならば,あなたは述べようとする気持を持たないでしよう。『凡て汝の手に堪うることは力をつくして之をなせ。其は汝の往かんところの陰府には工作も計謀も知識も智慧もあることなければなり。』(伝道之書 9:10)しかし,ヱホバの民は発表する民です。何故なけらば,彼等は信じて居り,生きることを欲するからです。キリスト・イエスはこう言いました。『私の言葉を聞き,私を遺わされた方(ヱホバ)を信ずる者は,永遠の生命を持つ,そして……死より生命に移つている。』(ヨハネ 5:24,新世)このように,あなたは,神の言葉より学ぶことを語り度く思うでしよう。何故ならば,あなたはヱホバの御国の下にあつて生きることを欲するからです。
3,4 (イ)詩篇 145篇11節に依るならば,そして天に於ける戦争のことを考える時,彼等は何について話し語るべきですか?(ロ)そうすることに,彼等は誰の命令と,誰の模範に従つて居ますか?
3 詩篇 145篇11節はこう述べています。『かれらは御国の栄光を語り,汝のみちからを述べん。』少しの時間の間,良く考えてください。その御国に関して,ヱホバが為された素晴らしいことのいくらかを考えてごらんなさい。黙示録 12章を読みなさい。そこには,キリスト・イエスが権威を受けて,天で統治し,悪魔を天より地に追い落したことが説明されて居ります。『そして天で戦争が始まつた。ミカエルとその天使達は龍と戦つた。龍とその天使達は戦つたが,戦いに勝つことが出来ず,また天にはもはや居る場所がなくなつた。そして,原の蛇,悪魔と呼ばれまたはサタンと言はれ,全地を惑すところの大いなる龍は投げ落された。その龍は地に投げ落された。そしてその龍に従う天使達も共に投げ落された。すると,私は天で大きな声がこう言うのを聞いた。「今や,私達の神の救いと,力と,御国,そして神のキリストの権威は来た。何故ならば,神の前にあつて,昼も夜も私達の兄弟を責める者は追い落されたからである! そして,彼等は,小羊の血と彼等の証言の言葉の故に,彼に打ち勝つた。そして彼等は,死なねばならぬという危険にもかかわらず,その魂を愛さなかつた。」』― 黙示 12:7-11,新世。
4 此の事を考えて見ますと,あなたはヱホバ神の力と栄光を語ることが出来ます。その子を用いて,不正の天を清め,今や近づいている正義の栄光ある新しい世に対して事柄を準備するに,神の力と栄光は表われます。天に於いてその戦いは行われ,そして勝利は得られました。次の戦い,そして最後の戦い,すなわちハルマゲドンの戦いは,ヱホバの聖名と言葉を完全に立証するために,これから戦われます。あなたはハルマゲドンの戦いを生き残りたいですか? それでは,今ヱホバの御国の栄光を研究し始め,語り始めなさい。ヱホバ神とその子,そして新しい地の民を知つた者は幸福であります。彼等は,伝道しなさいというキリストの命令に従いたく思います。イエスはこう言いました。『御国の此の良い音信は,すべての国民に対して証しをするために,全世界に伝道されるであろう。そしてそれから全き最後が来るのである。』(マタイ 24:14,新世)19世紀前に,此の特別な御国の音信は,ヱホバの子キリスト,イエスの宣教の中で力強い音信でありました。イエスの追随者達もまたこの御国を伝道し,キリストに従う忠実な奴隷達を一つの会衆に制度化しました。彼等は皆,一つの召,一つの天的な召に呼び集められました。すなわちキリストの花嫁・キリストの体になるために『天の御国』の召に呼び集められました。(コロサイ 1:18)ヤコブはこう述べました。『神は此の世と比較すれば貧しい人々を,信仰に富む者とし,そして神を愛する者に約束された御国の相続者になるよう選んで下さつたではないか?』(ヤコブ 2:5,新世)信仰に富んだ人達は,他の人達に御国のことを語りました。そしてキリストは,彼等のために場所を準備する為に去られ,彼等は天的栄光を受けてキリストと共になることが出来ると信じられました。その場所は,今天的シオンに設立されています。
5 黙示録の中のどんな幻像は,彼等が,準備されたその約束の場所を楽しんでいることを示しますか?
5 『それから私は見ました。すると小羊はシオンの山に立つて居られる。彼の名と彼の父の名を額に記した十四万四千人が彼と共にいる。そして私は天から声を聞いた。それは大水の音のようであり,大きな雷の音のようであつた。そして私の聞いた音は,自分で立琴を演奏しながら,その立琴を伴奏とする歌い手の音のようであつた。そして彼等は,御座と四つの生物と年老いた人達の前で,新しい歌のようなものを歌つている。そして地から贖われた十四万四千人以外に誰もその歌を学ぶことが出来なかつた。』― 黙示 14:1-3,新世。
6 御国に関するヱホバの目的について,ダニエル書 2章44節は何を示しますか? 他の誰が,ヱホバへの讃美を歌いつつ御国への信仰を示さねばなりませんか?
6 天のこの栄光ある御国は,ヱホバの目的を達成するでしよう。キリスト・イエスは未だに此の世とその分裂した国家の神である悪魔に対しての間近いハルマゲドンの戦いで,再び指導を取られるでありましよう。こう記されて居ります。『此等王達の日に,天の神は一つの御国を建てられるであろう。その御国は滅ぼされることなく,またその主権が他の国民に移ることもないであろう。その御国は,これらの国を粉砕し滅ぼすであろう。この御国は永遠に存続するであろう。』(ダニエル 2:44,ア標)私達の世代のうちに,そのことが起るならば,今新しい世の社会に集められている他の羊は,ヱホバの讃美を永遠に歌う機会を持つでありましよう。しかし,彼等は,彼等の神であるヱホバに今信仰を示さなければなりません。また永久に存続するよう設立されたヱホバ神の政府に今信仰を示さなければなりません。
7 どんな社会を,その御国は今統治して居りますか? その社会の他の羊の成員は,どんな神の言葉を記憶しなければなりませんか?
7 天の御国は,今新しい世の社会を統治して居ります。新しい世の社会は,キリスト,イエスの他の羊をも含んで居ります。キリストはその他の羊を今集めつつあり,正義の新しい世で幸福と平和と繁栄のうちに永遠に生活出来るという機会を与えつつあります。あなたの生命をヱホバの崇拝,或いは奉仕に献身することによつて,あなたはこれらの他の羊の一人になりましたか? 若しそうならば,次の神の言葉を記憶してください。『あなた方の神である私ヱホバは,私だけへの献身を求める神である。……あなた方は,あなた方の神の聖名を妄りに取つてはならない。何故ならば,ヱホバはその聖名を妄りに取る者を必らず罰するであろう。』― 出埃 20:5,7,新世。
利己主義は実際的ではない
8 何故詩篇 145篇は,今日夢のような表現ではありませんか?
8 詩篇 145篇は讃美と讃称の詩であり,ヱホバ神とその御国の栄光について多くのことを述べて居りますが,それは決して夢のような表現ではありません。此の詩篇は,椅子に腰をかけ,若しそうであるならば,そのようなことは何と素晴らしいだろうと考える或る一人の人の想像ではありません。その詩篇作者の書くものは真のものであり,現在起りつつあり,将来に起る事柄についての偽りのない全くの表現であります。彼はヱホバの確立された御国の栄光を語つて居ります。御国は真であり,生きて居り,全く重要なものです。御国と共に,そして御国と一致して働くべきであつて,御国に反対して働くべきではありません。
9 このことを良く考えて見ますと,御国に関して,どんな重要な質問に私達は直面しなければなりませんか? 世の人々は,この古い世の進歩には何が必要であると主張しますか?
9 そのような御国は可能でしようか? それが可能であるとあなたは信じますか? あなたがヱホバの言葉を深く考える時,その言葉は,あなたにとつて生きたものとなりますか? その言葉は,ヱホバの御国は現実のものであり,御国は来て居り,御国は運営して居り,そして御国はヱホバの僕達を今日統治しているということをあなたに確信させますか? 聖書の予言と相並んで,表われた事実を見ることが出来ますか? 御国の業とその運営の仕方は実際的ですか? それとも此の古い世の制度はもつと実際的であると思いますか? 此の古い死につつある世を支持し維持して行こううと努める此の世の人々に話しをする時に,それらの人々の理論をすぐに知ることが出来ます。人々の理論とは,つまり生き残るためには,国々の間に利己主義が無ければならず,進歩をし文明を進めるためには,人々の間に利己主義が無ければならぬというのです。此の世の利己主義を見てごらんなさい。利己主義は実際的ですか?
10 予言のどんな成就は,利己主義が此の世を良くしたか,どうかを示して居りますか?
10 利己主義は,次の言葉で予言された状態をもたらしました。『終りの日には非常に苦しい時が来るということを知りなさい。というのは,人々は自分自身を愛する者となり金を愛し,虚栄になり,高慢で,悪い事を言い,両親に不孝で感謝の気持を持たず,親切な心を失い,自然の情を持たず和解し難く,人を誹り,自制心なく,残酷で善を愛さず,人を裏切り,頑固で自尊心のために思い上り,神を愛するよりは快楽を愛し,敬虔の形だけは持つているが,その力に対しては偽りなることを証明している。こういう者達から離れ去りなさい。』(テモテ後 3:1-5,新世)世の利己主義は,世の状態を良くしたでしようか? 自問してごらんなさい。世は進歩し,そして世の利己主義は世を平和な,そしてもつと幸福なものといたしましたか? いいえ,とあなたは答えます。それで,利己主義は実際的ではありません。
11,12 此の世の人々は,何を必要としますか? そしてどんな二つの大きな事の間に,私達は選択を表わしますか?
11 世は何を必要としますか? それは利己主義ではなくて,神の新しいそして栄光ある御国にある,ヱホバの述べられた愛です。その正義の政府は,今はすでに運営して居り,愛に基いて居ります。何故ならば,神は愛であるからです。愛は,ヱホバ神の働かれる原則であると神は示して居ります。また,若し私達が,正義の新しい世に居たいと希望するならば,私達のすべての者は愛に基いて働かねばならぬとヱホバ神は示して居ります。愛は正義の新しい世のすべての基礎であります。
12 それで,私達は今愛することをどうぞ学び始めてください。至上の支配者であるヱホバ神を愛しなさい。ヱホバ神の子を愛しなさい。ヱホバ神の創造された他のものを愛し,彼等のために何事かしてやりなさい。今人々にあなたの愛を示す一番良い方法の一つは,彼等にヱホバの御国の栄光を語ることです。ヱホバの御国は実際の政府であり,発展している制度です。何十万という人々は,すでにそのことを認めて居ります。1914年に誕生して以来,ヱホバの御国は祝福と平和を何百万という人々に常にもたらして来ました。将来に於いて,ヱホバの御国は,生命と幸福と平和を,さらに何百万という人々にもたらすでしよう。愛は,新しい世を,住むのに素晴らしい場所といたすでありましよう! 利己主義は此の古い世に何を為したか,あなたは知つています。それであなたは選択をいたしなさい,神の御国か,それとも悪魔の世です。
13 どんな事柄が,此の古い世を分け離させる結果をもたらしましたか?
13 何という分裂した世なのでしよう! 全地で異つた群の人々は異つた言語を話します。それで,人々は他の群の人々と思想を伝えることが出来ません。国民は互いに理解しません。言語は,分裂の要素であります。国家は,それぞれ自分の境界を設け,利己的である故にそれらの境界で戦います。『止まれ! 此の線を越すな。此れはこちらのものである!』 しかし,此の利己主義は,この分裂した世に,一致,平和,あるいは平和を今日もたらして居りません。これはまた宗教についても真です。異教であろうと,または所謂『キリスト教』であろうと,利己主義は,人々を分離させる最も大きな力の一つです。
14,15 政治と商業は,利己的ではないことを証明しましたか? あらゆる形式の利己主義は,全地の人間にどんな結果をもたらしましたか?
14 それから政治があります。政治は,異つた政党,異つた政府の形式と理念を持つて居ります。それらは皆『非利己的である』と主張して居ります。しかし,はたして『非利己的』でしようか? 最後に,商業があります。商業では,取引をするのに競争し合い,利己的な方法でいたしますし,また石油とか鉄のような一種類の富を全部少数の者の手に,得ようとして強大な制度を作り上げるのが特徴です。それはその所有者が世界を支配出来るためであります。
15 さて,その利己主義は皆何をもたらしましたか? 人類のいたるところ,憎しみ,戦争,そして死をもたらしました。
16 誰によつて,神の御国は今日地上で代表されて居りますか? そして,詩篇 145篇は,御国と悪魔の世の間の対照をどのように表わして居ますか?
16 詩篇 145篇で,神の御心に従つた人ダビデは,ヱホバの御国の栄光を語つて居りました。此の古い世の国々には,栄光がありません。今や私達は,その言葉を通じて,啓示されているヱホバの御国を知つて居ります。ヱホバの御国は,愛,正義,平和そして公正に基いている政府です。どちらをあなたは欲しますか? どちらにあなたは奉仕しますか? 私達は古い世を見てきました。どのように私達は新しい世を見ますか? ヱホバ神が今日共に集め,一つの制度,すなわち新しい世の社会に作り上げた民は,新しい世を代表して表わして居ります。そしてその中に私達は新しい世を見ます。そうです,新しい世の民は,1914年,すなわち神の素晴らしい統治の時以来,此の地球上に生活して居ります。しかし彼等はその古い世から出て来ました。彼等は,皆一般普通の人と同じく弱さと病気を持つて居ります。しかし,此の古い世の不幸と利己主義を持つて居りません。その恵みある御親切により,ヱホバは彼を求める者,正義,柔和,幸福,そして満足を求める者達を此の『終りの日』に集められました。彼は彼等を新しい世の社会に集められました。倒れたけれども,起き上ろうと望む者をどのようにして助けられようとするか,また無理にかがまされた者達をどのようにヱホバ神は,助けられるかについて,詩篇 145篇は示して居ります。ヱホバ神は彼等に御手を差し出されます。彼等に糧を与えるとヱホバは申して居ります。此等二つの制度,すなわちヱホバの制度と悪魔の制度を統治する原則には,大きな対照があります。悪魔の制度は,悪い利己的な世で国民を圧迫します。ヱホバの制度は,愛と罪なきこととに基いている栄光ある御国です。何故ならば,ヱホバは,彼の子キリスト,イエスの血によつて世の罪を取り除かれるよう取り極められたからです。
17 誰の必要物と願望を,ヱホバは満足させますか?
17 詩篇 145篇14-16節は,ヱホバはどのように心の貧しく卑い者を助けられるかを示して居ります。何故ならば,ヱホバ神は『もろもろの生るものの願望をあかしめ給うからです。そうです,ヱホバを知つた者,そしてヱホバの言葉を研究した者は確かに真理に満足して居り,生活に於ける現在の幸福に満足して居ります。しかし,ヱホバの民だけに限らず,地そのもの,動物界をも見てみましよう。ヱホバはそれらのすべての願望を満足させられて居ます。地の上を飛ぶ鳥は,たとえ短くてもその生命を十分にたのしんで居ります。ヱホバは,彼等に食物や,巣や,木や,そして飛ぶのに大気を与えることによつて彼等の必要物を充たして居ります。創造されたあらゆる部門を見てごらんなさい。地を匍うところの動物であろうと,海の中にいる魚であろうと,ヱホバは彼等のあらゆる必要物を充たして居ります。ヱホバがそれらにそんなにも多くの注意を払われているのでしたならば,若しあなたが彼の制度内に来るならば,ヱホバは必らずあなたに注意を払われるでしよう。天と地にヱホバが創造されたすべてのものに対して,ヱホバは何と素晴らしい準備をされたのでしよう!『天の鳥を良く見てごらんなさい。彼等は蒔きもせず,苅ることも,また倉に集めることもしない。それでも,あなた方の父はこれを養つて居られる。あなた方は,空の鳥よりももつと価値ある者ではないか?』― マタイ 6:26,新世。
18 それで,私達が表現せずに居ることが出来ないのは,何故ですか? 詩篇 103篇1-5節は,ヱホバに対してどんな表現をして居りますか?
18 私達が此等のことを知る時に,何も発表しないで居られるでしようか? 私達を愛する方,そして私達もその方を愛し,讃めたいと思う方について話しをするというのが自然である時に,どうしてだまつたままで居られるでしようか?『讃める』ということは,或る人に好意若しくは名誉を与えること,或いはその人について良く話すという意味です。詩篇 103篇は,ヱホバ神を知るようになつた者は,どのように讃めることを欲するかを示して居ります。その最初の5節は,感謝を表わして居ります。『わが魂よ,ヱホバを讃めまつれ。わが衷なる凡てのものよ,そのきよき御名を讃めまつれ。わが魂よ,ヱホバを讃めまつれ。そのすべての恩恵をわするなかれ。ヱホバは汝がすべての不義をゆるし,汝のすべての病いをいやし,なんじの生命をほろびより贖い出し,仁慈と憐憫とを汝に被ぶらせなんじの口を善き物にてあかしめ給う。斯くてなんじは壮やぎて鷲のごとく新になるなり。』
19 それでは,何故私達も又ヱホバと彼の聖名を讃めるべきですか? 何が,ヱホバの代表者として私達を活潑にさせますか?
19 あなたはヱホバと彼の聖名を讃めますか? あなたは讃めるべきです。何故ならば,あなたは彼の恩恵のすべてを見たか,或いは若し注意するならば見ることが出来るからです。ヱホバはあなたを癒し,あなたを生きる者の途を歩むようにと助けられています。或いは,若しあなたがヱホバを求め,真理を求めるならば彼はあなたを癒すでしよう。ヱホバはすべての者に真理を与えられて居り,人々がその真理に従い,その真理から恩恵を受けるようにして居られます。若し人々が知ろうと欲するならば,ヱホバは永遠の生命を得る道を,すべての者に示すでしよう。ヱホバは,此の古い世のほろびからあなたを贖い出されました。というのはあなたは彼の新しい世の社会に来たからです。若しあなたがまだ来ていないならば,あなたは来ることが出来ます,或いは少くとも調査することが出来ます。ヱホバは仁慈をもつてあなたを被らせ,彼の言葉を近づき易いものとすることによつて,憐憫をあなたに示されました。若しあなたが聖書を研究するならば,ヱホバはあなたのあらゆる願望を満足させるでしよう。それであなたはこう言うことが出来ます。『私は真理を持つている。私はヱホバを知つている。私はヱホバの為に働くことが出来,またヱホバについての知識をたえず取り入れることによつて,私は生命を頂くことが出来るということを認識している。』それでは,それは私達に何をしますか? それは私達を若いものといたします。それは私達を生かします。それはヱホバの代表者としての私達を,彼の新しい世の社会で活潑に活動させます。『それで私達は,キリストの代りである大使であり,恰も神は,私達を通して願われているようである。キリストの代りの者として,私達は願う。「神と和解するようになりなさい。」』― コリント後 5:20,新世。
20 どのような方法で,私達の若さは今新しくなりますか? そして善意者は,どんな種類の若さを新しい世で楽しみますか?
20 真理に入つた人で,自分自身をヱホバ神に献身した人は,誰れでも此の仁慈と憐憫を経験します。それで,その人は真の信仰を持つことが出来,そして活潑なクリスチャンの生活を送ることが出来ます。その人は偽善者にならないでしよう。その人の年齢が多からうと少からうと,年齢には関係なく,クリスチャンは若さをのみ示すようです。何故ならば,御国に於いては誰も年老いませんし,それに御国はもう来ているからです。それですから,毎朝私達が起きてヱホバの御国の栄光を語る時,私達は若い元気ある人のように起きます。ダビデは,『壮やぎて鷲の如く新になるなり。』と言つて居ります。私達はもはやバビロンに捕われては居りません。今や私達は自由です。『彼等は力より力にすすみ,遂におのおのシオンにいたりて神にまみゆ。』(詩 84:7)『ヱホバを待ち望む者は新なる力をえん,また鷲のごとく翼をはりてのぼらん,走れども疲れず,歩めども倦まざるべし。』(イザヤ 40:31)私達は或る重要なものを持つて居りますので,いつも忙しいのです。私達には,年を取る時間もなく,また繁栄する御国に奉仕することから引退する時間がありません。この繁栄する御国は,マゴグのゴグと共に此の古い世を間もなく清め,古い世のすべての物を滅ぼすでしよう。それから善意者は新しい栄光ある組織制度の下で永続する若さを楽しむでありましよう。この新しい栄光ある組織制度こそ,地上に於いて何時の時代でも正義の人達が待ち焦れていたものです。その新しい栄光ある制度は,新しい世に於いて絶えず拡大し,繁栄し続けるでありましよう。
その40年目
21 設立された御国のどんな年に,私達は今生活していますか? その年が何を意味しようと,何故私達は満足して居ますか?
21 1914年以来,私達は此の御国の支配の下に生活して居ります。今日私達は,何物も反抗出来ないその統治の40年目に生活して居ります。40年目とは私達に何を意味しますか? 私達には判りません。此の40年目の年が全く過ぎ去るのを待つてから,それから御国のその40年目の年が,或る特別な意義を持つていたかどうかを振り返つて見る方がはるかに良いでしよう。私達は現在,ヱホバが王として栄光ある統治をし始めてからその40年目に居りますが,この40年目に何か特別な事があろうとなかろうと,私達は全く若く感じます。そして私達は今までに起つたことに全く満足して居ります。(黙 11:16,17; 19:6)私達は十分に満足して居ります。ヱホバの名の民は何処に居ようと,彼等は熱心に彼等の神を讃美することが出来,日も夜も神に崇拝することが出来ます。そして,ヱホバは彼等に関心を持たれているということを十分に感じる事が出来ます。
22 ヱホバの測り知れない御親切は私達にどのように示されましたか? 私達は,ヱホバに対して,どのように私達の考えと気持を表わすべきですか?
22 それで,ヱホバの証者は,ヱホバ神の良きことを絶えず語ります。彼等はヱホバの御国を宣べ伝えます。彼等は御言葉を伝道し,そして彼等の神のように,彼等は幸福です。彼等に対してヱホバは絶えず御自分を啓示されます。彼等はヱホバを知つて居り,ヱホバに関して自分自らの考えを発表しなければなりません。彼は,ヱホバの証者に測り知れない親切を示され,また彼等をもゆるし,そしてすべての人類ばかりでなく彼等にも長く耐え忍ばれているのであります。幸福な神とその真理を知つている私達は,ヱホバの仁慈を感じます。私達はヱホバの恩恵を受けました。それで,ダビデと共に私達はよろこびつつ,次のように言うのであります。『われつねにヱホバを讃めたたえん。その讃美はわが口にたえじ。わが魂は,ヱホバによりて誇らん。へりくだる者は之を聞きてよろこばん。われと共にヱホバを崇めよ,我等と共にその御名をあげたたえん。』(詩 34:1-3,ア標)
23 (イ)地上でヱホバをそのように讃めるのを聞く人は誰ですか? そしてどんな招待に,彼等は答え応じますか?(ロ)新しい世の社会の力は,何にありますか?
23 あなたはそのように感じ,そして語りますか。如何なる時でも,あなたはヱホバを讃めたいですか? そしてあなたは口でもつて絶えずヱホバを讃美したいですか。若しそうならば,何が起りますか? あなたが口でもつてヱホバを讃美する時,へりくだる他の人達はあなたの讃美を聞くだろうと詩篇 34篇は示して居ります。ヱホバに来て,その生命を奉仕に献身し続ける人は,規則的に語るでしよう,そしてへりくだる人達はその人の語るのを聞くでしよう。それから,彼等はその人と共にヱホバを崇めるよう招待され,そしてヱホバの御名をあげたたえるよう招待されます。へりくだる者は,その招待に答え応ずるでしよう。『その御名をあげたたえん。』その設立された御国の40年目に於いて,あなたはヱホバ神を讃美し,高く崇めようとして居りますか? 新しい世の社会は全地に組織され,『すべての国民に対して証しをするために,全世界に』於いて,ヱホバ神を讃美し高く崇めます。(マタイ 24:14,新世)そのような証しをする一つの社会として,その社会に属するすべての伝道者は,『家から家へ』と語るでしよう。それに就いては,疑問がありません。その制度の力を私達は今見て居りますが,しかしそれは新しい世の社会に現在属している51万228の讃美者のためだからではありません。いいえ,その力は数にあるのではありません。制度は,数に於いて大きいですが,此等の人員が得る力,後押し,そして支持は,ヱホバの聖霊であります。あなた方各自はその力,その活動力を感じます。何故ならばあなたはヱホバの制度に来たからです。ヱホバの恩恵は,その証者達に見られます。ヱホバの任命された牧羊者 ― 君主,すなわちキリスト・イエスの下にあつて,彼等は皆奉仕に励みます。
24 何故私達は他の者を招待して,共にヱホバの聖名を崇めるのですか? ヱホバの御国の栄光のどんな最近の表われについて,私達は語り続けていますか?
24 家から家への証言の業をしている此等何十万という讃美者達は,此の地上到るところで毎日毎夜他の人々をよろこんで招待し,ヱホバの御名を共に崇めるようにして居ります。私達は人々にヱホバの御名を崇めるようすすめますが,それは,その人々がただ『ヱホバの証者』と言われてもらいたいからという理由ではありません。此の地上のいたるところ,いろいろの宗教制度はその成員を得るために,そうして居りますが,私達は違います。私達が人々に,ヱホバの御名を崇めるようすすめている理由は,全能の神の真の崇拝を押し進め,そしてヱホバとヱホバの御名を隠さずに,崇めることを欲する奉仕者を,私達はもとめるからです。このような奉仕者は,口で語る奉仕者です。すべての善意者が,ヱホバの御国の栄光を認識して,彼等のために貯えられているすべての祝福を御国から得るよう私達は欲します。また彼等がヱホバ神に捧げる真の崇拝の中に,それら善意者がヱホバの御国の栄光を反映するよう私達は欲します。彼等が,『如何なる時もヱホバを讃め,そしてヱホバの御国の栄光について世に証しをするのを私達は見たく思います。1953年7月19-26日ヤンキー野球場でヱホバの証者のの新世社会の大会の間,私達はその栄光を見ることが出来ました。地上のあらゆる国民,種族,言語,そして家族から人々は出席しましたが,皆一つの心と精神そしてヱホバ神への一つの愛を持つて居たのを,あなたは見ることが出来ました。それは素晴らしい御馳走でした。若しあなたがそこに居られたならば,あなたはそれを楽しみ,他の人達に御国のことを語つたでしよう。そしてヱホバの恵みある御親切により,あなたは語り続けるでありましよう。
25 大会の時,ヱホバの証者達の中に,何が見られましたので,人々は新しい世の社会に集まつて来ましたか?
25 若しあなたが其処に居なかつたならば,新しい世の社会としてヱホバの証者の中に,他の人達は何を見ましたか? その群の持つ平和,平静,親しい雰囲気,愛,誠実そして一致ではありませんでしたか? 若しそうでしたならば,ヱホバの正しい牧羊者,キリスト・イエスによつて彼の新しい世の社会に,何故あなたは集められようとしないのですか? 若しあなたの心が正しいならば,あなたは次の待招に答え応ずるでしよう。『われとともにヱホバを崇めよ。我等とともに,その御名をあげたたえん。』― 詩 34:3。
26-32 大会に出席したヱホバの証者達について,多くの新聞報道や,論評や,そして社説は何と言いましたか?
26 何千という新聞の報告や論評や社説のうち二,三のものを読んでごらんなさい。次の様です。
27 『此の週末に,彼等は全世界から何万名もニュー・ヨーク市に集りつつある。……彼等はヱホバの証者と呼ばれ,各人は……単に名前だけの福音奉仕者ではなく,行いに於いても福音奉仕者である。彼等の大部分の者は,此の世の仕事をすることに依つて生活しているが,彼等は残りの時間を霊的な仕事に捧げている。すなわち,家庭を訪問したり,街頭で伝道したり,文書を配布する事実である。』― 1953年7月18日,19日広く発行された共同新聞の記事より。
28 『ヱホバの証者は,「神の真理の言葉」として聖書に強い信仰を持つている。……しかしながら,彼等の活動は尊敬に値するものである。宗教は人類に対して失敗したかどうかと多く述べられた疑問に対して,彼等の献身は解答を示すものである。勿論,宗教は失敗しなかつたのであるが,人類は真の宗教の理想を見出すのに,しばしば失敗したようである。』― 1953年7月20日,パターサン(ニュージャーシー州)朝の訪問紙<モーニングコール>の社説より。
29 『ヱホバの証者が去つてしまうと,全く淋しく感ずる。彼等は,国の中で一番良い人々のようである。礼儀正しく,丁寧で,そして我々大部分の者が近頃全く顧り見ないような他の事柄に就いても非常に良い。……彼等は非常に礼儀正しい人々である。我々はホテルに居る時に礼儀正しく振舞うが,彼等は自動車を運転している時でも,それと同じ程に礼儀正しい。それは注目に価する素晴らしいことである。』― 1953年7月23日,ドネレン(ニュージャーシー州)週の訪問紙<ウイクリイコール>より。
30 『ヱホバの証者の8日間に亙る世界大会に,ニュー・ヨーク市の近辺にはこの永続する派の人々が15万人も集まつた。―世界全地から男も,女も,家族の者達も集まつた。彼等はその信仰を強く保ち,信仰の通りに生活しているのである。』― 1953年7月24日,バンクーバー(ワシントン州)コロムビア紙の社説より。
31 『我々の市は,此等真面目な人々を何時でも気持よく迎え入れるようにすべきであると強く提案するものである。……彼等の模範が,毎年此処で大騒ぎをするだらしのない中年の者達の間に,或る傾向を引き起すよう,我々は希望する。』― 1953年7月22日,ニュー・ヨーク(ニュー・ヨーク州)世界電報と太陽<ワールドテレグラム・アンド・サン>より。
32 『先週のニューヨーク市の世界大会からの帰途,ヱホバの証者達は此の市を通つて行つた。彼等の中には,白人も黒人も,そして明らかにアメリカインディアンや,黄色人種と褐色人種の東洋人達も居た。……家族の群達も居り,彼等は皆一つの宗教を持つていることに全く幸福である。彼等はその宗教に熱中して居り,生命を献身して居る。……彼等は何処に行つても,誇りをもつて,そして喜びをもつてその主義を宣伝する。しかし,彼等は訓練を受けているので,穏やかな統一ある方法でそれをなすのである。彼等は,数に於いても,勢力に於いても増加している素晴らしい人々である。何処に行つても彼等は歓迎される。その行動振舞はそんなに良く,また人々の意見は良いので,彼等は又是非来るようにと頼まれる。そんなことは,すべての大会や集会にあり得ないことである。』― 1953年7月28日。アレントン(ペンシルバニヤ州)朝の訪問紙<モーニングコール>。
33 何が実行されて,良い成果をもたらしましたか? しかし,此の世に於いて,特に国際連合に於いては,何がうまく行われませんか?
33 それで,愛と神の道は,実行されて真の幸福や満足の成果をもたらしたとあなたは言うでありましよう。あなたはそれを試みたいですか? 此の世がするような答えをしてはなりません。此の世は,『いいえ,我々の生活の理念は,「利己主義は進歩を意味する。」』と答えます。此の世の人々は,こんな風に考えます。15万人以上の人々が平和に集会したことについて,ヱホバの証者は素晴らしい事をした。しかし世界的な構成に於いては,そんな具合に行かないでしよう,と。だが,国際連合を見てごらんなさい。国際連合は,世界的な構成ですが,その利己主義は,うまく行われません。牧師や,支配者達は,何故ヱホバの御国と神の愛の道を試みないのですか?
34 実際に,どんな支配があるということについて,今,信ずる証拠がありますか? そして,誰が詩篇 145篇18節に注意を払い,誰が注意を払いませんか?
34 ヱホバの御国は設立され,今はその40年目です。ヱホバの御国は,キリスト・イエスの指導の下に働く政府です。キリストは再臨され,ヱホバの油そそがれた王として支配します。あなたは,キリストと共に居りますか? 彼の支配が始まつたことを信ずる証拠は,多くあります。その王と共に,あなたはヱホバに奉仕しますか? あなたは,ヱホバの御国の栄光を見ますか,そしてそれについて語りたいですか? 宣教の奉仕に於いて,あなたは今,積極的に出掛け,そして神の御国のみが人類にとつて唯一の希望であるというあなたの信仰をヱホバ神に証明しますか? 詩篇 145篇18節は,こう申して居ります。『すべてヱホバを呼ぶもの誠をもて之を呼ぶものに,ヱホバは近くましますなり。』何故国際連合制度は,試みないのですか,そしてどうして,ヱホバに耳を傾けないのですか? それは,また牧師達に対しても良い忠告です。しかし彼等はその忠告に注意を払わないでしよう。だが,何十万という多くの人々は注意を払うでしよう。
35 それでは,誰の傍に近いとヱホバは証明されますか? そして,今は逃げるべき時ですが,何処にですか?
35 たとえ,あなたが世界の或る場所で孤立していようと,或いはまたヱホバの民の小さな会衆に属していようと,若しあなたが真を以つてヱホバを呼ぶならば,彼はあなたの近くに居るでしよう。如何なる時でも,ヱホバは遠くに離れて居りません。二人三人が彼の名の中に集まる時でも,ヱホバはその力と注意によつて,その中に居ります。ヱホバの証者であり,あなた自身をヱホバ神に献身することによつて,あなたは希望を持つて居ります。御国が真実,真であることをあなたは知つて居ります。御国が1914年に設立されたことについて,あなたは聖書からの証拠を持つて居ります。今あなたは,他の羊が何万という大いなる数の中に集まるのを見ます。そして,ヱホバ神の聖霊が新しい世の社会の上に表されたのを見ました。それでは,何故に,疑うことがありましようか? 今こそ,ヱホバの民と共に山に逃げるべき時です。後になつて一人で逃げようとしてはなりません。それは非常に危険なことです。―マタイ 24:19-21。
36 何をすることによつて,私達は時間を浪費すべきではありませんか? しかし,その代り,私達が現在する最も重要な仕事は何ですか?
36 ヱホバの御国の此の40年目に,何が起るだろうかなどと推測して,今あなたの時を浪費してはなりません。ヱホバは,御自分のすることを御存知であり,また此の年でも或いは将来の他の年でも御自分の目的が何であるかを知つて居ります。そしてヱホバは御自分の予定の時に,その目的を全く成就し得る方であります。あなたは此等のことを十二分に認識すべきです。現在では,私達は神の御国の栄光を語ります。それは私達に対する彼の命令です。私達にとつて,それ以外の他の仕事はありません。それは全世界に於いて最も重要なものです。