学びまた確信した事柄にとどまるよう若者たちを助ける
1 喜んで集会に出席し,伝道を楽しんでいる子供や若者を見るのは本当にさわやかな経験です。使徒パウロは若者テモテに「あなたは,自分が学びまた確信した事柄に引き続きとどまっていなさい」との諭しを与えました。(テモテ第二 3:14)わたしたちは,学びまた確信した事柄にとどまるよう,どのようにそれら若者たちを助けることができるでしょうか。
2 何度強調してもしすぎることのない一つの点は,親が自分の特権と責任を自覚してあくまでもそれらを果たすことです。(詩編 127:3。箴言 22:6)子供の訓練に自信を失ってしまったりあきらめてしまったりして,確信をもって子供の訓育に取り組んでいない親が見受けられるとの報告が寄せられています。また,野外奉仕や牧羊の業,会衆の仕事などで忙しすぎて,子供のために時間を取れず,子供の実情を知らない開拓者,長老,奉仕の僕が見られることも報告されています。事情はどのようなものであれ,神の言葉を第一に子供に教えるべきであるという神のご要求を無視することは決してできません。(申命記 6:7)また,き然とした態度で子供を従わせるという神から与えられた権威を決して放棄すべきではありません。学齢期前にあなたの権威の下にいた子供は十代後半になっても必ずあなたの権威に服していなければならないのです。
3 子供が十代になったら,親はそれまで以上に子供と共に過ごす時間を持つようにすべきです。学友から読み物に至るまでの世との交わりという誘惑が子供を襲うからです。子供との意思の疎通を滑らかに保つ最善の方法は,家族そろって,あるいは片親が真理にいない場合などは子供たちを一堂に集めて行なう聖書研究です。個々の子供との研究が必要になることもあるかもしれませんが,皆が集まって一緒に聖書を学ぶ習慣を確立するようお勧めいたします。そうすることにより,親子の間だけでなく,年齢の違う子供たちの間でも意思の疎通を図ることができ,個々の子供の必要を皆が知り,皆で対処の仕方を話し合ったり励まし合ったりすることができるでしょう。そのため,このような家族の研究を子供の信仰を築き上げるものとし,教理の研究に加えて,子供の直面している,あるいはしそうな問題を扱うようにすべきです。研究の仕方に関するさらに詳しい提案を1982年8月号「王国宣教」の「家族として共に研究していますか」の記事の4,5節から得てください。どうぞ,子供たちとのこのような研究を是非すぐに始めてください。
4 若い奉仕者たちが野外奉仕で活発な会衆では,例外なく親の良い模範が見られます。あなたは野外奉仕に携わる際,できる時はいつも子供たちを伴うようにしていますか。また,子供が参加する時にはできるだけ自分も加わるようにしていますか。それとも,ただ子供に奉仕に出るよう,うるさく言うだけですか。土曜日の午後や日曜日に子供と共に奉仕している親は,子供が不定期的な伝道者になったり不活発になったりしてしまう悲しい経験をほとんどしていません。そうです,家の中でも野外でも,子供と共に時間を過ごすことなくして,子供を助けることは不可能なのです。長老や奉仕の僕,また開拓者の皆さん,神権的な諸活動ゆえに子供と過ごす時間がなおざりにされることが決してないようにしてください。
会衆で
5 若い人々が会衆の貴重な資産であることに同意しない人は一人もいません。では,そのことを若い人たちに知らせてみてはいかがですか。例えば,長老たちは機会があるたびに演壇からそのことを強調できますし,模範的な若者たちを集会のプログラムで用いることもできます。また,1979年7月15日号「ものみの塔」20ページのさし絵などに示されているような仕事を与えて,彼らが王国会館に来る楽しみを増し加えるようにも配慮できるでしょう。若い人たちが多くを学ぶべきなのは真実ですが,わたしたちは,「受けるより与えるほうが幸福である」との言葉の真実性を王国会館での奉仕を通して彼らに経験してもらいたいとも思います。(使徒 20:35)皆さんの会衆ではどのような仕方で若者たちが用いられていますか。若者たちは,自分が会衆にとって必要な存在であることを実感できていますか。
6 会衆の長老や旅行する監督たちは,直接交わることにより若者たちを励ますことに加えて,親が自分の責任をしっかりと果たしてゆくように助けを差し伸べることができます。安易な気持ちで他の人に子供の援助を求めたり,子供が命の道を歩むよう助けることをあきらめてしまう傾向があるなら,それらに歯止めをかけなければなりません。協会の出版物中には必要な情報や役立つ提案が豊富にありますので,親子がそれらを真剣に受けとめて実践するよう,演壇からも個人的にも励ましていただきたいと思います。奉仕会などで若者を対象にしたプログラムが組まれている場合,会衆に交わる若者が少ないというだけの理由でそのプログラムを短縮したりカットしたりせず,若者の必要に十分こたえる仕方で扱ってください。旅行する監督も,訪問する会衆の若者たちの必要に注意を向け,演壇からの話や個人的な交わりの際に出版物中の若者を助ける記事に言及し,提案を実行するように励ましを与えることができるでしょう。
7 エホバはわたしたちの中に「露玉のような若者の隊」を持っておられます。(詩編 110:3)では,エホバにとって貴重なそれら若い人々が「学びまた確信した事柄」から離れてしまうことがないよう,家庭においても会衆においても真剣に助けを差し伸べましょう。