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目ざめよ! 1996
目96 4/8 20ページ

神への感謝の念は人を動かす

「どうしたんだろう。力が入らなくて立ち上がれない!」 体操の時間に13歳の少年は体の異常を感じました。しゃがむと力が入らず,すぐに立ち上がることができないのです。翌日には,全く立ち上がることができなくなってしまい,病院へ運ばれました。両親はそこで医師から,自分たちの独り息子が,筋ジストロフィーか骨髄がんの一種かもしれず,それなら20歳までしか生きられない,と告げられました。

本人に病名は知らされませんでしたが,歩行困難になり,鉛筆も持てなくなってしまい,少年自身,「自分は死ぬ」と思いました。子供の前では絶対に涙を見せないようにしていた両親も,夜中に何度も目をさましては,子供の生きていることを確かめるような毎日を送っていました。ある時,痛い痛いと叫んでいた少年が突然静かになりました。両親が少年の方を見ると,痛む体をさすりながら,その子は祈りを捧げていました。それ以来幾度も,痛む体を起こしては長い祈りを捧げる姿が見られるようになりました。何について祈っていたのでしょうか。

少年には一つの目標がありました。少年が小学校3年生の時,エホバの証人である父親は神に全時間仕えるために仕事を調整しました。それ以来,エホバに依り頼みながら喜びをもって奉仕している両親の姿を見ながら少年は育ちました。自分も大きくなったら全時間の宣教活動を行ないたいと息子は思っていました。実際,親子三人でそうしたいというのが一家の目標にもなっていました。それで,全時間宣教に携わらせてほしいと病気になっても祈り続けていたのです。そのように祈ると,全時間エホバに仕えたいという願いで満たされ,死への恐れがなくなり,冷静に過ごすことができるようになりました。両親もその姿に励まされ,全時間宣教のことや聖書が述べている復活や楽園の将来の希望について親子で話し合うようになりました。

翌年,1986年1月8日号の「目ざめよ!」誌の「本当にもう一度歩けるのだろうか」という記事の中に,ギラン・バレー症候群という難病にかかったウインストン・ピーコックの経験が掲載されました。その経験を読んだ時,自分の症状にそっくりだったので,もしかして自分もその病気ではないかと少年は考えました。そして検査の結果,確かにギラン・バレー症候群であることが分かりました。難病といっても,この病気は治癒が可能です。

闘病生活でこの子が学んだことがあります。それは,人は薬だけで生きられるものではなく,エホバ神の支えが必要だということです。人間は神によって生かされているということを強く実感し,病気が治ったらその神に全時間仕えたいという願いがますます強くなってゆきました。5年後,18歳の時に病気は完治しました。難病を克服できたことに対する感謝の念に動かされ,若者はすぐに念願の開拓奉仕,全時間の宣教活動を始めました。親子全員で全時間奉仕を行なうという夢がかなったのです。

病気で死んでいたはずの命を生かしていただいたのだから,エホバ神にその命を存分に用いていただきたいとこの若者は考え,ものみの塔協会の日本支部で働くことを申し出て,受け入れられました。支部で働くようになるまでの間に,息子を温かく育ててきた父親は脳梗塞で倒れ,母親も手術を二度受けなければなりませんでしたが,二人共,息子がそのようにして支部で神に仕えることが一番の親孝行だと感じ,息子を喜んで送り出しました。

2年ほど支部施設で働いていたこの若者に,同協会のグアム支部で働くことができるかどうかの打診がありました。「親二人を日本に残して行けるだろうか」と息子は思いました。両親は遠い外国へ独り息子が行ってしまうことを悲しく思いました。しかし,同時に,躊躇することなく相談してくれたことをうれしく思いました。そして,息子がイザヤの述べた「ここにわたしがおります! わたしを遣わしてください」という言葉と同じ精神を示したことを喜びました。(イザヤ 6:8)また,息子がグアム支部で奉仕したいと思っていることは二人を喜ばせました。「今日の日本の霊的な拡大は,自己犠牲を払ってくださった大勢の宣教者の兄弟姉妹のおかげだよ」という息子の言葉に両親は心を動かされました。

息子の決意を見た両親は,この子はエホバのものと思い,喜んで送り出すことにしました。母親は,こう語っています。「今でもアルバムを見たり,何かの時に思い出したりして涙が出ることもありますが,子供の信仰に励まされ,平安に過ごしております。これからが息子にとっても私たちにとってもスタートです。エホバ神にお仕えする場所は違っても,互いに励まし合ってまいりたいと思います」。

現在,日本から二人の若いボランティアがものみの塔協会のグアム支部へ行き,奉仕しています。聖書の音信を宣べ伝える業に様々な分野で貢献するために,大勢の人々が日本から外国の地へ出かけて奉仕しています。その背後には,神への感謝の念に根ざす家族の協力と自己犠牲,そして支えがあるのです。

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