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  • ガラスを通して音声や映像を伝える
    目ざめよ! 1987 | 5月22日
    • 光が直進する特性を持つことはだれでも知っています。それなのに,なぜこうしたことが可能なのでしょうか。角の部分で湾曲したガラス糸の中に,細い光線がとどまり続けられるのはなぜですか。それらの光線はどのようにしてそれほど遠くまで届くのでしょうか。また,それほど多くの情報をどのように伝えるのでしょうか。このすべてを可能にしたのはコヒーレント光という特別な種類の光です。

      効率のよいコヒーレント光

      情報伝達の面で通常の光線よりもコヒーレント光線のほうが優れていることは,ガラス繊維の中を伝わる光子を道を歩く人に例えて説明できます。まず,通常の光線について考えてみましょう。その光線はあたかも,全員が足並みを乱して,干渉し合いながら歩く大小さまざまな人間からなる群衆のようです。一方,コヒーレント光線は,全員が足並みをそろえて整列行進する同じ大きさの兵士に例えられるかもしれません。互いに干渉することなく足並みをそろえて歩くなら,より多くの人が,より遠くまで,より効率よく,より少ないエネルギーで進めるに違いありません。コヒーレント光についても同じことが言えるのです。

      ここで,『そのような光の利用法がなかなか分からなかったのはなぜか。以前にはだれもその方法を考えつかなかったのはなぜか』と,尋ねる方もおられるでしょう。実際,これは全く新しい考えというわけではありません。少なくとも一人の人物,すなわち,アレクサンダー・グラハム・ベルは,光による音声通信の利点を認めて,1880年に「セレニウムと光線電話」という論文を発表しました。

      この考えには優れた先見の明が示されていましたが,コヒーレント光がなかったなら,ベルの発明は限られた成功しかもたらさなかったことでしょう。しかし,1番目の必要条件が満たされるようになったのは,1960年代になって,レーザー(電磁波の誘導放出による光の増幅装置)が開発されてからでした。ベルの場合には,もう一つの主要な条件,つまり情報伝達のためのきわめて効率のよい光伝送路を得るという条件も欠けていました。

      精巧な,あのガラスの光伝送路 ― どのような機能があるか

      レーザーの開発が進む一方で,コヒーレント・レーザー光が非常な長距離を進むことができるような,透明度に優れ,精巧な作りのガラス材の発明と開発に携わっていた人々もいました。その後,それらのガラス材は毛髪ほどの太さの繊維に引き伸ばされました。

      多くの人は,人目を引く芸術的な卓上装飾品に使われる,イルミネーションの施されたガラス繊維を見た記憶があるかもしれません。装飾のために,ガラス繊維やプラスチック繊維の束が,生け花のように扇形にひろげられ,先端から光を放ちます。大抵こうした飾りでは,通常の光だけが繊維のイルミネーションに使用されますが,少なくともこれは,光がガラス糸の中を進み,普通の場合のように直進するだけでなく,湾曲部を通ることもできるということを例証しています。これらのディスプレーの場合,光は非常に短い距離しか進みません。

      光が芸術的なディスプレーに求められるよりもはるかに遠くまで進めるようにするため,ガラスやプラスチックの特別なコーティングを施すことが考案されました。それらの特別なコーティングによって,逃げ出そうとする光線はことごとくガラスの中にはね返り,光の漏れはかなり抑えられます。それらのコーティングの組成や構造には独創的な数多くの種類がありますが,その各々が独自の方法で,独自の特別な条件のもとで,光の伝達距離を増すのに一役買っています。

      そうしたガラス糸,つまりガラス繊維のおかげで,光を伝達し伝送する能力は大いに向上してきましたが,やはり光は臨界角以下で糸の中に送り込まなければなりません。穏やかな湖面が鏡の代わりにもなることを思い起こすなら,その働きに関する原理を理解できます。実際,湖面は湖岸の木々を鏡のように映す場合があります。そうした鏡のような効果が生じるのは,光が非常に浅い角度で目に入ってくるからです。臨界角と呼ばれるこの特別な角度に達するときだけ,水面は鏡のように光を反射させます。同様に,光が臨界角以下の角度でガラス糸の中に送り込まれると,光は鏡を使ったように繊維の内側で内部に反射して,外に漏れるようなことはほとんどありません。

      そのようにして送り込まれた光線は,増幅度を拡大する必要もなく,その細い糸の中を40㌔以上は進むことができると見られています。将来の見込みは洋々たるものです。最近の報告によれば,「中継器を置かずにデータを何千マイルも伝達できる」極低損失の繊維が開発されました。

      光のこの驚くべき伝送路を保護するためには,伝送路の周りに保護材の層や覆いを設けなければなりません。さらに大抵は,耐久性に優れた繊維や鉄線,それに電線を加えて,細いケーブルを作り上げます。このようにケーブルに収められて保護されたガラス繊維は膨大な情報を効率よく伝達できるので,普通の銅線を伝わる電流はもはや太刀打ちできなくなりました。遠距離の場合は特にそうです。それにしても,そうした特殊な光はどのようにこの細いガラス繊維の中で情報や映像や人の声などを運ぶのでしょうか。

      細い繊維が大きな荷物を運ぶ方法

      特殊な光線や精巧なガラス繊維には感心させられますが,光線が膨大な情報という荷物を実際に運ぶ方法にも感心させられます。その神秘的な方法の基本となっているのは,秒速約30万㌔という驚くべき光の速度であり,毎秒幾百兆回にも及ぶきわめて高い光波の周波数です。このように周波数が高いので,光のパルスを信号化すれば,細い繊維を伝わる光線の中に驚くべき量の情報を押し込めることができます。

  • ガラスを通して音声や映像を伝える
    目ざめよ! 1987 | 5月22日
    • [20ページの図版]

      ガラス繊維の中を伝わる光は内部に反射し,壁を通って漏れることはない

      耐久性に優れた繊維や鉄線が保護する

      ガラスやプラスチックの覆いを使えば光の漏れを減らせる

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