家の修理を行なうには?
昔のある賢人は,「何事にも定められた時がある」と言いました。(伝道の書 3:1)家の手入れの事となると全くそのとおりです。こまめに手入れをしなければ,その分だけ家の修理にかかる費用と時間はかさみます。何かよい方法があるでしょうか。
家の傷みを予防するための計画を立て,その計画を「定められた時」に必ず実行することです。その仕事を行なう日を決めて,カレンダーに印を付けておくのもよいかもしれません。そうすれば,家族の他の成員も,必要に応じて手伝うつもりで手をあけておくように気を配るでしょう。
家屋を正しく管理する上で大切な原則が二つあります。まず,問題をできるだけ未然に防ぐということです。2番目に,問題が起きたらなるべく早く処置を講じます。春か秋に家を念入りに点検し,屋根にも注意を向けます。雨漏りは家の内部を傷めるだけでなく,建物の壁や外面も傷める恐れがあります。
屋根は年ごとの点検に加えて,大風が吹いた後にもチェックをします。平屋根の簡単な修理は自分である程度行なえますが,長持ちのする修理の腕をもっているのは何といっても信頼できる請負業者です。
家の周りに樹木が立っていると,秋になって落ち葉が雨樋にたまり,水の流れをせき止めるかもしれません。それで,雨樋や縦樋も検査します。雨漏りのする箇所には,防水材を充填しましょう。金属の雨樋には,光沢のある良質の仕上げ用ペンキを塗ると保護になります。
家の壁も定期的に検査してみる価値があります。割れ目や湿気,またレンガとレンガの間のモルタルの欠損がないかどうかを調べます。風や雨や霜の相乗効果で,壁の防水材となるモルタルその他の封水剤が剥離することもあるのです。もしそのような剥離が生じた場合には,必要な修理をしなければなりません。
家の木造部は,入念な検査を定期的に行ないましょう。ドアの下部や,その脇柱,窓の下枠などをつついて,木が腐っていないかどうか確かめてみます。もし傷みが広い範囲に及んでいるならば,その部分を切り抜いて,新しい木と交換することもできます。少しだけ腐っている所には,殺菌剤を含んだ木材防腐薬を使用できるかもしれません。
室内の湿っぽい,通気の悪い場所では,乾燥腐敗が進みます。この種の腐敗は,漆喰やモルタルやレンガの中にまで広がります。乾燥腐敗の根絶には,迅速で専門的な処置が必要です。さらによいのは,いつも家全体の換気を十分に行なって,乾燥腐敗を予防することです。
家の手入れを上手に行なうには,観察を怠らないことです。家の外部も内部も,定期的に点検し,必要な修理はすぐに行ないます。できる事は自分で行ない,必要な場合にはためらわずに専門家の援助を求めるようにします。
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雨樋と縦樋
雨樋の掃除
■ 細かい砂やごみを取り除く前に,縦樋の入り口を大き目のぼろ切れで覆い,ごみが縦樋の中に落ちないようにします。
■ ごみをすくい取って,はしごにぶら下げてあるバケツの中に入れます。
■ ぼろ切れを取り去り,雨樋に水を注ぎ込みます。もし水がスムーズに流れないなら,障害物は縦樋の中にあります。
縦樋に詰まった物を取り除く
■ 縦樋の下に排水溝があれば,そこに容器を置いて,排水溝がごみで詰まらないようにします。
■ 地面から縦樋の中へ固いワイヤーを突き入れ,底の方に詰まったごみをほぐします。
■ 縦樋の上から,先端の曲がった固いワイヤーを差し入れ,上部に詰まっている物はみな取り出します。
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レンガまたはブロックの壁の修理
目地の塗り直し(モルタルの目地を修理する)
■ のみとハンマーで,剥離したモルタルを深さ1㌢ほど削り取ります。
■ 塗り直しをする箇所は,モルタルの剥離した断片や塵を固い金属ブラシで払い落とします。
■ 固まる前に使い切れる分量のモルタルを練ります。
■ レンガと下地になるモルタルを水で湿らせます。
■ レンガとレンガの間の割れ目に,目地ごてを使ってモルタルを詰め込みます。
■ 完全に固まらない程度にモルタルが乾いたら,乾いた剛毛ブラシを使って,レンガに付着した余分のモルタルを取り除きます。
表面を一新する
■ ひび割れした,または剥離した漆喰やコンクリートを削り取ります。
■ 壁を濡らします。
■ こてを使って壁に新しいモルタルを塗ります。
■ モルタルがある程度固まるのを待ちます。
■ 仕上げ塗りのモルタルがしっかり接着するよう表面に刻み目を付けます。
■ 仕上げのモルタルを塗ります。
■ のこぎりを引く要領で,長細い板を左右に動かしながら,表面を平らにします。