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  • 世界最大の人造の穴
  • 目ざめよ! 1993
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目ざめよ! 1993
目93 3/8 23–25ページ

世界最大の人造の穴

私は友人から「ソルトレークシティーに行くとしたら,ビンガム・キャニオンのケネコット銅山に行くといいですよ。見ただけできっと驚くでしょうね」と言われていました。妻と私は1992年8月にそこに行く機会がありました。そして,友人の言葉がおおげさではなかったと分かりました。

私たちはユタの焼けつくような,しかしからっとした暑さの中,ソルトレークシティーから南西に向かって約42㌔の道のりをゆっくりドライブしました。近くのオクイル山地の方へ向かうと,やがて目的地が見えてきました。色の濃い周囲の山々と対照的な,淡い黄土色の巨大な切り込みが地平線に見えます。それはケネコット銅山で掘り出された大量の土砂と,山に刻まれた段でした。しかし,そのような景色を見ても,その後に見るものに対する心の用意はできませんでした。

私たちは曲がりくねった険しい山道を登り始めました。途中で小さな家ほどの大きさの巨大なダンプを見かけました。最も大きいダンプは一度に240㌧もの岩石を運ぶことができます。非常に大きいので,車輪は直径およそ3.7㍍と,どんなに背の高い人よりも高いのです。ついに見学用の展望台に着きました。そこにあったのは,これまでに見たこともないほど大きな人造の穴です。

穴のふちから底を見下ろすと,巨大なトラックがミニカーのように見えます。私たちが見つめていたのは深さ800㍍以上,直径およそ4㌔の穴です。穴の底の標高は1,500㍍以上ですが,穴のふちの標高は約2,400㍍です。この穴は非常に深く,世界一高い約440㍍のシカゴのシアーズ・タワーも鉱山の半分までの高さにしかなりません。鉱山会社は,あと約260㍍掘り下げることを目標にしており,少なくとも2020年までは仕事があると計算しています。

鉱山は巨大な円形劇場のようです。ベンチと呼ばれる高さがおのおの約15㍍の段があり,穴のはるか底まで続いています。この銅山はスペースシャトルからでも見ることができるそうです。とはいえ,これらすべての始まりは大変ささやかなものでした。130年前,まだ山の高さが2,400㍍以上あったころの話です。

嘲笑を浴びながら採鉱する

採鉱が始まったのは1863年,フォート・ダグラスのパトリック・コーネル大佐が所有権を主張したときのことでした。しかし,採鉱は小規模で採算がとれませんでした。ビンガム・キャニオン鉱山が開業したのは1906年のことでした。ダニエル・ジャクリング・ユタ採銅会社ともう一つの同業会社が,銅をわずか2%しか含まない鉱石を掘り出しはじめたのです。公式のパンフレットには,「それほど低品質の鉱石をとっても絶対に利益が上がらないと考えた当時の採鉱業者から嘲笑された」と述べられています。今日では鉱石中の銅含有率はわずか0.6%であると聞くと,当時の人々は何と言うでしょうか。何しろ,「歴史を通じて,ビンガム・キャニオン以上に銅を生産した鉱山はない。最初の坑が掘られて以来,50億㌧の岩石が運び出されてきた」のです。

生産されているのは,銅だけではありません。金,銀,モリブデン(鋼の強度を高めるのに用いられる金属)も生産されています。副産物として,一年で約14㌧の金と110㌧以上の銀が得られるのです。この鉱山が地上で一番産出量の多い穴と呼ばれてきたのも不思議ではありません。

なぜ銅はそれほど重要なのだろうと思う人がいるかもしれません。では,電線,発電機,変圧器,電流を通すその他の装置からすべての銅を抜き取ったならどうなるか,考えてみてください。冷蔵庫,飛行機,車なども挙げることができるでしょう。銅は現代の生活の中で基本となるものです。古代においてもそうでした。聖書では銅について166回言及されています。―創世記 4:22。出エジプト記 27:1,2。

銅の抽出 ― 難しい工程

この巨大な穴で見たものは,有用な銅を取り出す工程の始まりにすぎません。鉱山では,穿孔,発破,積み込み,運び出しが行なわれます。鉱石は坑内に設置されている破砕機に運ばれ,砕かれた鉱石は約8㌔離れたところにある浮遊選鉱のための工場までコンベヤーで送られます。選鉱装置で不要な物質を除くことにより,鉱石中の銅含有率は0.6%から28%まで上がります。

次は製錬の工程です。鉄や硫黄などの不純物が除かれ,純度98%の熔けた状態の銅が得られます。これを型に流し込み,陽極と呼ばれる長方形の板にし,冷やします。最後は精製の工程です。パンフレットには,「陽極は電気分解の工程を経て,純度99.98%の精製された銅になる」とあります。金と銀が副産物として取り出されるのはこの工程です。この変化によって,銅は大きな陰極,すなわち約150㌔の銅板になり,銅,しんちゅう,青銅などの製品を作る業者に売られます。

このすべては簡単そうに思えるかもしれません。しかし実際は,全作業工程は非常に複雑で,場所を多く取るものです。結局,1㌧の鉱石から生産できるのは約5㌔の銅にすぎません。では,こんど銅線や,銅の鍋ややかんを見た時には,それがこれまでに人手によって造られた最大の穴からきたのかもしれないということを思い出してください。―寄稿。

[24,25ページの図版]

上: 穴の深さは800㍍以上,直径はおよそ4㌔

右上: 製錬所で目立つのは世界有数の高さの煙突

挿入写真: 純度によって用途を示す標示が付けられた,150㌔の銅の陰極

右下: 240㌧もの鉱石を運ぶことができるディーゼルトラック

[クレジット]

写真(上と25ページの上): Kennecott Utah Copperの厚意による

[23ページの図版のクレジット]

Kennecott Utah Copperの厚意による写真

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