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目ざめよ! 1990
目90 4/22 15–17ページ

オーベルアンメルガウの「キリスト受難劇」― どれほど聖書に忠実か

ドイツ連邦共和国の「目ざめよ!」通信員

オーベルアンメルガウはバイエルン州にある美しい山村です。その村の住民の多くは,自分たちが今年参加するある劇に備えて髪やひげを伸ばしています。その劇は1633年に村人の先祖が行なったことに基づく伝統となっています。

その年,ある災害に襲われて,村は壊滅しそうになりました。そこで住民たちは,もし助かるなら受難劇と呼ばれるものを定期的に上演すると誓いました。その劇はそれより数世紀前にカトリック教会で始まった習慣で,キリストの苦難と死を描いたものでした。

オーベルアンメルガウで初演されたのは1634年のことでした。1984年中には350周年記念祭が催され,その劇を見るために,世界中の観光客も含め,全部で44万3,000人の人たちがやってきました。今年この劇は5月から9月にかけて上演される予定です。

この村の通りにはホテルやレストランだけでなく,木彫店やみやげ屋も立ち並んでいます。多くの住民は実際にこの劇で暮らしを立てているのです。

どうしてそれほど多くの人がやって来るのでしょうか。「わたしにとって,これは演劇ではなく礼拝です」と,一人の訪問者は語りました。劇を上演しているのは教会ではなく地元の村ですが,多くの人はそのように考えています。

俗受けをねらった劇?

二人の僧職者はこの劇をもっと現代的にしたものを作りました。ある人が1810年に書いたものを,もう一人の人が半世紀後に改訂しました。脚本はドイツ司教会議で承認されました。これは「福音書の記述に忠実」だと主張する向きもあります。

しかし長い間,製作者たちはユダヤ人など他宗教を奉じる人々の反感を招かないように,福音書の記述を曲げてきました。今日でも,脚本は一般の人たちからの拍手によってかなりの影響を受けます。例えば,イエスに対するユダヤ人の指導者たちの憎しみが現われている箇所や,イエスがユダヤ人の宗教指導者たちに,「神の王国はあなた方から取られ,その実を生み出す国民に与えられるのです」と語るマタイ 21章43節などは,古い脚本からカットされました。

エホバという神のみ名も妥協の犠牲となりました。イエスが神に語られた,「わたしは,あなたが……与えてくださった人々にみ名を明らかにしました」という言葉が脚本の中に入っているのに,そうなってしまったのです。(ヨハネ 17:6)例えば,1960年の脚本では,イサクは「エホバのご意志により」犠牲となるよう意図されたとなっていますが,1984年の脚本には「主のご意志により」となっています。

福音書の通りではない

劇はイエスの捕縛,有罪判決,処刑をめぐる出来事を描いていますが,聖書通りであることには重きが置かれていません。例えば,ある場面は,霊感を受けた神の言葉の一部でもないトビト書という外典の書に記された出来事を描いています。(テモテ第二 3:16)それに「過ぎ越し」という言葉は「復活祭<イースター>」という言葉に何回も誤訳されています。

さらに,ユダ・イスカリオテは,自分の師を裏切るようイエスの敵に唆された日和見主義者として描かれています。しかし実際には,ユダ自ら貪欲に駆られて,自分のほうから祭司長たちに近づいたのです。(マタイ 26:14-16。ヨハネ 12:4-6と比較してください。)また,ヨハネ 13章21節から30節,およびマタイ 26章20節から29節を比較して分かるとおり,ユダはイエスが主の晩さんを制定する前にその部屋を去ったに違いありません。イエスが「王国のための契約」を裏切り者と結ばれたとはまず考えられませんから,これは論理的な帰結と言えます。(ルカ 22:29)ところがオーベルアンメルガウの劇では,ユダが最後の晩さんに居合わせているのです。

聖書の真理を識別する

聖書を研究する人は,劇の中の聖書的な真理と,聖書に反している部分を識別することができます。一つの例は,『ふさわしくあずかるとき/新しい契約の聖なるパンは魂を死から守る』という言い回しです。これは,魂は死すべきものである,という聖書の教えと調和します。イエスの犠牲の益に『ふさわしくあずか』らない人が自分の魂を死から守ることはもちろんできないでしょう。―エゼキエル 18:20。

イエスが本当はどのような方か,ということは,復活の後にイエスがマリア・マグダレネに,『わたしは,わたしの神またあなた方の神のもとへ上る』と告げる場面で識別できます。(ヨハネ 20:17)この言葉から,イエスに神がおられることは明らかですから,キリスト教世界の三位一体の教理によって主張されているように,イエスが神であるはずはありません。このように,脚本が聖書用語に忠実なとき,教会の教理と矛盾します。

その劇を見ると,神の王国がどのようなものかを見分けることができます。フィリポがイエスに,「全世界に神の王国を設立してください」と言うと,イエスは,「あなたの願っていることはしかるべき時に起こるでしょう」と答えます。後にイエスが,「神の王国が来るまで,もはやわたしはぶどうの実を飲まないでしょう」と語ると,トマスが,「各人に領土が割り当てられるのですか」と尋ねます。これらの会話から,王国が地を治める神の政府であって,多くの人が信じていることとは違い,単に永遠の命もしくは人の内にある何かを指すのではないことが明らかになります。―ダニエル 2:44; 7:13,14; ルカ 22:18; 啓示 5:10をご覧ください。

結びに,ユダヤ人の最高議会がイエスの遺体を「犯罪者の坑に投げ込もう」と企てて失敗に終わる場面がありますが,この言い回しには興味深いものがあります。ユダヤ人たちは,犯罪者は墓に入れられるに値しないとみなし,代わりにその死体を,絶え間なくごみが燃えるヒンノムの谷(ゲヘナ)に投げ込みました。墓に入れられた者たちは神に覚えられるのです。聖書によると,イエスは,エルサレムの近くにあったヒンノムの谷を,完全な滅び,つまり死者の復活がない状態の象徴として指摘されました。―マタイ 18:8,9。

ゲヘナが地獄の火という異教の思想と結びつけられるようになったのは,もっと後代になって,真のキリスト教からの背教が起きてからのことです。オーベルアンメルガウの劇では,「あらゆる霊は地獄から出る」という言葉があったり,「わたしはサタンを地獄へ突き出す」という主の言葉が引用されたりしており,非聖書的な伝統の影響をあらわにしています。ですから,この劇の中心にあるのは聖書の教えではありません。

聖書の教えを奨励してはいない

5月から9月にかけて,オーベルアンメルガウ村の人たちは,ユダヤ人の民衆,ローマの兵士,イエス,ユダ,使徒たちなど,6時間におよぶ劇の中で1,700もの役を演じます。そして天候にはかかわりなく,屋外の舞台で100回ほど上演を繰り返すでしょう。

劇は再び何十万人もの観光客を引きつけるでしょう。しかし彼らは,人類の諸問題を解決する唯一の希望である,復活させられたキリストと神の王国を受け入れるよう動かされるでしょうか。そのようなことはありません。なぜなら,神の王国は劇に出てはきますが,最後まであいまいなままだからです。また,悪魔の実体は劇の中で2回ほど,この世の支配者もしくは「君」として明らかにされていますが,悪魔にこれからどんなことが起きるかは明らかにされていません。ですから,この劇は聖書の主要な教えに取り組んでおらず,幾つか聖書の教えと矛盾する点さえ含んでいます。

聖書は,キリストがまもなく人間社会の営みから,あらゆる悪の根源であるサタンとその影響力を除き去ることを示しています。地上の悪行者たちも取り除かれるでしょう。それから,神の天の王国は地上に対して千年統治を開始します。(啓示 20:4,6)この神の政府による支配は,地球を,従順な人類が完全な健康と幸福のもとで永遠に生きるパラダイスへと変えることでしょう。―詩編 37:10,11,29。ローマ 16:20。

[16ページの囲み記事]

受難劇の起源は?

受難劇に関してワールドブック百科事典は次のように解説しています。

「受難劇とは,一人の神の死と復活を演じた芝居である。古代エジプト人はオシリスの神に捧げる受難劇を演じ,古代ギリシャ人はディオニュソスの神に捧げる似たような劇を演じた」。

Gemeinde Oberammergau, Haag

[16ページの図版のクレジット]

Gemeinde Oberammergau, Haag

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