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聖書に対する洞察,第2巻
洞-2 「バラク,I」

バラク,I

(Balak)[彼は荒れ廃れさせた]

バアルを崇拝していた,西暦前15世紀のモアブの王。チッポルの子。バラクの民はイスラエルがアモリ人に対して行なったことを見て,恐れ驚き,「むかつくような怖れ」に満たされました。バラクはミディアンと結託し,ユーフラテス川の近くのペトルという町へ使者を送りました。メソポタミアからバラムに来てもらい,「怪異な力」でイスラエルをのろってもらって軍事的に優位に立とうとしたのです。(民 23:21)バラクはバラムにこう言いました。「見てください,[イスラエル人]は見渡すかぎり地を覆ってしまいました。そして,わたしの真ん前に住んでいます」。最初,バラムは行くのを断わりました。しかし,バラクが君たちから成るいっそう誉れのある代表団を派遣し,さらに良いものを提供することを申し出ると,その貪欲な預言者は,エホバの許しを得て,ついに申し入れを受諾しました。アルノン川の岸辺にやって来ると,バラクはバラムをたしなめて,「[最初の時は]どうして来てくださらなかったのですか。わたしが実際にはあなたに栄誉を与えることができないというのですか」と言いました。―民 22:2-37。

バラクは,イスラエルの大群を一望できる有利な地点3か所にバラムを連れて行きました。どの地点でも犠牲をささげる同じ手順が踏まれました。バラクは,七つの祭壇を築き,その上で7頭の雄牛と7頭の雄羊を犠牲にするようにと命じられました。ところが,それぞれの場所で,バラムはイスラエルをのろうどころか,かえって祝福しました。―民 22:41–24:9; ミカ 6:5。

それで,「バラクの怒りはバラムに対して燃え」ました。バラクは激怒して手を打ち鳴らし,「わたしの敵を呪詛するためにわたしはあなたを呼んだ。それなのに,見よ,あなたはこうして三度も,この上なく彼らを祝福した。さあ今,自分の所に走り帰るがよい」と叫びました。しかし,ペトルから来たその預言者は,立ち去る前に,メシアとなる「星」がヤコブの胤を通して到来することを予告しました。―民 24:10-17; ヨシュ 24:9,10; 裁 11:25。

その後の出来事からすると,バラムはまた,「バラクを教えて,つまずきのもとをイスラエルの子らの前に置かせ,偶像に犠牲としてささげられた物を食べさせ,また淫行を犯させた」ことが分かります。―啓 2:14; 民 25:1-18。

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