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    啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
    • 21章

      キリスト教世界に臨むエホバからの災厄

      第5の幻 ― 啓示 8:1–9:21

      主題: 七つのラッパのうちの六つが鳴り響く

      成就する期間: 1914年にキリスト・イエスが即位されてから,大患難の時まで

      1 子羊が第七の封印を開くと,何が起きますか。

      「四方の風」は,霊的なイスラエルの14万4,000人が証印を押され,大群衆が生き残るのをよしとされる時まで引き止められています。(啓示 7:1-4,9)しかし,その大暴風のようなあらしが地を襲う前に,サタンの世に対するエホバの不利な裁きも知らされなければなりません! 子羊が第七の最後の封印を開こうとしておられるので,ヨハネは何が現われるのかを見ようと,熱心に見守っているに違いありません。今や,ヨハネはその経験をわたしたちと共にします。「また,彼[子羊]が第七の封印を開いた時,約半時間のあいだ天に静寂が起こった。そしてわたしは,神の前に立つ七人のみ使いを見た。そして,七つのラッパが彼らに与えられた」― 啓示 8:1,2。

      熱烈な祈りをささげる時

      2 天で象徴的な半時間の静寂が起こる間,何が起きますか。

      2 それは意味深長な静寂です! 何かが起きるのを待っている時の半時間は,長い時間のように思える場合があります。今や,絶えず響いていた天の賛美の合唱さえ,もはや聞こえません。(啓示 4:8)どうしてでしょうか。ヨハネは幻の中でその理由を知ります。「それから,別のみ使いが到着して祭壇のところに立った。黄金の香炉を携えていた。そして,み座の前にある黄金の祭壇の上ですべての聖なる者たちの祈りと共にささげるため,多量の香が彼に与えられた。そして,香の煙が,聖なる者たちの祈りと共に,そのみ使いの手から神のみ前に上った」― 啓示 8:3,4。

      3 (イ)香がたかれることから,何を思い起こさせられますか。(ロ)天で半時間静寂が起こるのは何のためですか。

      3 このことは,ユダヤ人の事物の体制のもとで香が毎日幕屋で,また後代にはエルサレムの神殿でたかれたことを思い起こさせます。(出エジプト記 30:1-8)香がそのようにたかれる間,祭司でないイスラエル人は,神聖な場所の外で待ちながら,香の煙が上って届いたその方に,多分黙って心の中で祈ったことでしょう。(ルカ 1:10)ヨハネは今や,それと同様のことが天で起きているのを見ます。み使いがささげた香は,「聖なる者たちの祈り」と結び付けられています。実際,もっと前の幻の中では,香はそのような祈りを表わしていると言われています。(啓示 5:8。詩編 141:1,2)ですから,天の象徴的な静寂さのおかげで,地上の聖なる者たちの祈りが聞き入れられようとしているようです。

      4,5 象徴的な半時間の静寂に対応する時期を確かめるのに,どんな歴史的な出来事が役立ちますか。

      4 それがいつ起きたかを確かめることができますか。文脈と共に,主の日の初期の歴史的な出来事を調べれば,確かめることができます。(啓示 1:10)1918年と1919年中の地上の出来事は,啓示 8章1節から4節に述べられているシナリオと驚くほどよく調和していました。1914年以前の40年間,聖書研究者 ― 当時,エホバの証人はそのように呼ばれていた ― は,異邦人の時がその年に終わることを大胆に告げ知らせていました。1914年の悲惨な出来事は,それらの人たちが正しかったことを証明しました。(ルカ 21:24,ジェームズ王欽定訳; 日本聖書協会発行,文語聖書。マタイ 24:3,7,8)しかし彼らの多くはまた,1914年にこの地から取られて,天の相続物を受け継ぐようになると信じていましたが,それは起きませんでした。それどころか,最初の世界大戦中,厳しい迫害の時期に遭遇しました。1916年10月31日には,ものみの塔協会の初代会長,チャールズ・T・ラッセルが亡くなりました。その後,1918年7月4日に,新しい会長ジョセフ・F・ラザフォードと当協会のほかの7人の代表者たちは,不当にも長期間の服役刑に処せられ,米国ジョージア州アトランタ市の連邦刑務所に護送されました。

      5 ヨハネ級の誠実なクリスチャンは途方に暮れてしまいました。神は次に何を彼らに行なわせたいと考えておられたのでしょうか。彼らはいつ天に連れて行かれるのでしょうか。1919年5月1日号の「ものみの塔」誌(英文)には,「収穫は終わった ― 次に何が起こるか」と題する記事が掲載されました。この記事はその不安な状態を反映していましたが,引き続き忍耐するよう忠実な人たちを励まし,こう付け加えました。「わたしたちは今こそ確かに,王国級の人々の収穫は既成事実であり,それらの人々はすべて正式に証印を押されており,またその扉は閉ざされていると言うことができると思います」。この困難な期間中,ヨハネ級の人たちの熱烈な祈りは,あたかも多量の香の煙のように上っていました。そして,彼らの祈りは聞き届けられていたのです!

      火を地に投げつける

      6 天の静寂の後,何が起きますか。それは何に呼応していますか。

      6 ヨハネはわたしたちにこう語ります。「しかし,み使いはすぐに香炉を取り,それに祭壇の火をいくらか満たして地に投げつけた。すると,雷が生じ,声と稲妻と地震が起こった」。(啓示 8:5)その静寂の後,突如,劇的な活動が生じます! それは明らかに,聖なる者たちの祈りに呼応しています。というのは,その活動は香の祭壇から取った火によって起こされているからです。西暦前1513年当時,シナイ山で生じた雷や稲妻,大きな音,火,および山の震動は,エホバがご自分の注意をその民に向けておられることを示す合図でした。(出エジプト記 19:16-20)ヨハネが報告している類似の現象も,同様にエホバが地上のご自分の僕たちに注意を向けておられることを示唆しています。しかし,ヨハネの観察する事柄は,しるしにより示されています。(啓示 1:1)では,今日,象徴的な火,雷,声,稲妻,および地震をどう解釈すべきでしょうか。

      7 (イ)イエスは宣教に携わっていた時,どんな象徴的な火を地上で燃やされましたか。(ロ)イエスの霊的な兄弟たちは,どのようにキリスト教世界で火をつけましたか。

      7 イエスはある時,ご自分の弟子たちに,「わたしは地上に火をおこすために来ました」とお告げになりました。(ルカ 12:49)確かにイエスは火を燃やされました。イエスは熱心な宣べ伝える業によって神の王国をユダヤ人の前で最大の論争点とされたので,その国の至る所で激しい論争が引き起こされました。(マタイ 4:17,25; 10:5-7,17,18)1919年に,第一次世界大戦の苦難の日々を生き残った,油そそがれたクリスチャンの小集団である,イエスの地上の霊的な兄弟たちは,キリスト教世界で同様の火をつけました。その年の9月に,エホバの忠節な証人たちが至る所から米国オハイオ州シーダーポイントに集まった時,エホバの霊の働きが驚くほどはっきり見えました。刑務所から出てまだ日が浅く,訴えがすべて取り下げられようとしていたジョセフ・F・ラザフォードは,その大会で大胆な講演を行ない,「わたしたちの主の命令に従順に従うと共に,非常に長い期間人々を束縛してきた誤りのとりでに対して戦いをする自分たちの特権と務めを認識するわたしたちの使命は,来たるべき輝かしいメシアの王国を告げ知らせることでしたし,また今もそうなのです」と述べました。これこそ主要な論争,つまり神の王国を巡る論争なのです!

      8,9 (イ)J・F・ラザフォードは,何年かの困難な戦時中の神の民の態度や願いをどのように述べましたか。(ロ)どのようにして火が地に投げつけられましたか。(ハ)雷,声,稲妻,および地震はどのように起きましたか。

      8 講演者は,当時の神の民が遭遇してまだ日の浅い辛い経験に言及して,こう述べました。「敵は実に情け容赦のない猛攻撃を行なったため,主の愛する羊の多くは,驚きのあまりぼう然とし,立ちすくみ,ご意志を示してくださるよう主に祈りながら待っていました。……しかし,一時的に落胆させられたとはいえ,王国の音信をふれ告げたいという燃えるような願いを抱いていました」。―1919年9月15日号,「ものみの塔」誌(英文),280ページをご覧ください。

      9 その願いは1919年に満たされました。クリスチャンのこの小さな,しかし活発なグループは,世界的な規模で宣べ伝える運動を始めるよう,霊的な意味で燃え立たされました。(テサロニケ第一 5:19と比較してください。)神の王国が焦眉の係争問題とされて,火が地に投げつけられたので,この状態はまさしく今後もそのまま続きます! 王国の音信をはっきりと伝える強力な声が,静寂に取って代わりました。聖書からの雷雨のような警告が鳴り響きました。さん然と輝く真理の光が,きらめく閃光のように,エホバの預言的なみ言葉から輝き渡り,あたかも強力な地震によるかのように,宗教界は根底から揺り動かされました。ヨハネ級の人たちは行なわねばならない業があることを知りました。そして,その業は今日に至るまで,人の住む全地の至る所で,まさに輝かしい仕方で拡大しています!―ローマ 10:18。

      ラッパを吹き鳴らす準備をする

      10 七人のみ使いは今や何をする準備をしますか。それはどうしてですか。

      10 ヨハネはさらにこう続けます。「そして,七つのラッパを持つ七人のみ使いがそれを吹く準備をした」。(啓示 8:6)それらのラッパを吹くことは,何を意味していますか。イスラエルの時代には,重要な日,あるいは注目すべき出来事を知らせる合図としてラッパの音が使われました。(レビ記 23:24。列王第二 11:14)同様に,ヨハネが聞こうとしているラッパの音は,生死にかかわる重要な事柄に注意を引くものとなります。

      11 ヨハネ級の人たちは1919年から1922年にかけて,どんな準備の仕事に忙しく携わりましたか。

      11 み使いたちはそれらのラッパを吹く用意ができたので,恐らく地上での準備の仕事をも導いていたことでしょう。生気を回復させられたヨハネ級の人たちは1919年から1922年にかけて,公の宣教を再組織し,出版事業の施設を確立するために忙しく働きました。1919年には,今日,「目ざめよ!」誌として知られている「黄金時代」誌が,「事実と希望と確信を差し伸べる月刊誌」として登場しました。それは偽りの宗教が政治に関与していることを暴露する点で主要な役割を演じる,ラッパのような道具でした。

      12 各々のラッパの音により何が告げ知らされますか。それはモーセの時代の何を思い起こさせますか。

      12 これから見てゆきますが,ラッパが各々吹き鳴らされる度に,恐るべき災厄が地の一部に影響を及ぼすことを示す劇的な場面について告げ知らされます。その災厄のあるものは,エホバがモーセの時代にエジプト人を罰するために送られた災厄を思い起こさせます。(出エジプト記 7:19–12:32)それはその国民に対するエホバの裁きの表明で,神の民を奴隷状態から逃れさせる道を開くものとなりました。ヨハネの見た災厄も同様の事柄を成し遂げますが,文字通りの災厄ではありません。それはエホバの義の裁きを象徴するしるしです。―啓示 1:1。

      「三分の一」の実体を明らかにする

      13 最初の四つのラッパが吹き鳴らされると,何が起こりますか。ここでどんな疑問が生じますか。

      13 これから見てゆきますが,最初の四つのラッパが吹き鳴らされると,地と海と川と水のわき出るところと地上の光の源の三分の一が災厄を被ります。(啓示 8:7-12)三分の一は何かの相当の部分ですが,全部ではありません。(イザヤ 19:24。エゼキエル 5:2。ゼカリヤ 13:8,9)では,どの「三分の一」がそれらの災厄を被るのに最もふさわしいでしょうか。人類の大多数はサタンとその胤によって盲目にされ,腐敗させられてきました。(創世記 3:15。コリント第二 4:4)事態はダビデが述べている通りです。「彼らは皆それて行き,皆一様に腐っている。善いことを行なう者はだれもいない。一人もいない」。(詩編 14:3)まさに,人類全体が不利な裁きを受ける危険にさらされています。しかし,ある部分には特に罪があります。その一部,つまり「三分の一」はもっと分別があってしかるべきでした! その「三分の一」とは何ですか。

      14 エホバからの災厄をもたらす音信を受ける象徴的な三分の一とは何ですか。

      14 それはキリスト教世界です! 1920年代に同世界の領域は人類の約三分の一を包含していました。同世界の宗教は,イエスとその弟子たちの予告した背教,つまり真のキリスト教からの大々的な背教の結んだ実です。(マタイ 13:24-30。使徒 20:29,30。テサロニケ第二 2:3。ペテロ第二 2:1-3)キリスト教世界の僧職者は神の神殿にいると主張し,キリスト教の教師であると称してきました。しかし,その教えは聖書の真理からかけ離れていますし,彼らは絶えず神のみ名の評判を落とさせています。いみじくも象徴的な三分の一によって表わされているキリスト教世界は,エホバからの災厄をもたらす強力な音信を受けます。人類のその三分の一は,神の恵みを何ら受けるに値しません!

      15 (イ)各々のラッパの音は,特定の年に限定されていますか。説明してください。(ロ)エホバの裁きをふれ告げるヨハネ級の人たちの声に,だれの声が加えられてきましたか。

      15 順番に響くラッパの音と一致して,1922年から1928年にかけて開かれた七つの大会では,呼び物となった特別の決議が行なわれました。しかし,ラッパを鳴り響かせることはこの期間に限られてきた訳ではありません。キリスト教世界の邪悪な方法を強力に暴露する業は,主の日が進展するにつれて,これまでも続行されてきましたし,なお続行されます。国際的な憎しみや迫害にもかかわらず,エホバの裁きはすべての国の民にあまねくふれ告げられなければなりません。そのようにして初めて,サタンの体制の終わりが来るのです。(マルコ 13:10,13)幸いにも,大群衆は今や,世界的に重要な,それら雷鳴のような宣言を行なうヨハネ級の人たちの声に自分たちの声を加えてきました。

      地の三分の一は焼きつくされる

      16 第一のみ使いがラッパを吹くと,何が起きますか。

      16 ヨハネはみ使いたちについて報告し,こう書き記します。「そして,第一の者がラッパを吹いた。すると,血の混じった,雹と火が生じ,それが地に投げつけられた。すると,地の三分の一が焼きつくされ,樹木の三分の一が焼きつくされ,緑の草木のすべてが焼きつくされた」。(啓示 8:7)これはエジプトに臨んだ七番目の災厄に似ていますが,現代には何を意味していますか。―出エジプト記 9:24。

      17 (イ)啓示 8章7節の「地」という言葉は何を表わしていますか。(ロ)地の三分の一であるキリスト教世界は,どのようにして焼きつくされますか。

      17 聖書では,「地」という言葉はしばしば人類を指します。(創世記 11:1。詩編 96:1)第二の災厄は,これまた人類と関係のある海に臨みますから,「地」はサタンが築いてきた,まさに滅ぼされようとしている,安定しているように見える人間社会を指しているに違いありません。(ペテロ第二 3:7。啓示 21:1)この災厄のシナリオは,地の三分の一に当たるキリスト教世界がエホバの不興の炎熱で焼き焦がされることを明らかにしています。同世界の中で樹木のように立っている著名な者たちは,エホバの不利な裁きがふれ告げられることによって焼きつくされます。同世界の何億もの教会員はすべて,もしキリスト教世界の宗教を支持し続けるなら,神の目には霊的にしおれた,焼き焦がされた草の葉のようになります。―詩編 37:1,2。a

      18 エホバの裁きの音信は1922年に米国オハイオ州シーダー・ポイントで,どのようにふれ告げられましたか。

      18 この裁きの音信はどのようにして伝えられますか。それは概して,この世の報道機関によって伝えられるのではありません。そのような機関は世の一部で,往々にして神の「奴隷」を非難します。(マタイ 24:45)それは,1922年9月10日,米国オハイオ州シーダー・ポイントでの神の民の歴史的な2回目の集まりで,注目すべき仕方でふれ告げられました。出席者は,「世界の指導者たちに対する挑戦」と題する決議を満場一致で熱意を込めて採択しました。その決議文(英文)は大胆な言葉遣いで,現代の象徴的な地に対して次のように通告しました。「ゆえに,わたしたちは地の諸国の民とその支配者や指導者たち,地の諸教派のすべての教会の僧職者とその追随者や提携者たち,大企業や大政治家たちに,彼らが地に平和と繁栄を確立し,人々に幸福をもたらし得ると主張する立場を弁明できる証拠を提出するよう要求いたします。また,彼らはこの点で失敗しているので,わたしたちは,わたしたちが主の証人として提出する証言に耳を傾けるよう彼らに要求すると共に,わたしたちの証言が真実か否かについて彼らに賛否を示してもらうことにいたしましょう」。

      19 神の民は神の王国に関してどんな証言をキリスト教世界に伝えましたか。

      19 それらのクリスチャンはどんな証言を提出しましたか。それはこうです。「メシアの王国こそ人類のあらゆる病へいを完全にいやす万能の方策で,地には平和,人々には善意,つまり諸国民すべての望むものをもたらし,今や始まったメシアの義の統治に喜んで服する人々は永続する平和と命と自由,および終わりのない幸せをもって祝福される,とわたしたちは考え,また宣言いたします」。人間の立てた諸政府,とりわけキリスト教世界の諸政府が世界の諸問題を解決する点で完全に失敗してきた,腐敗のはびこる現代に,ラッパのように響くこの挑戦の言葉は,1922年当時よりも一層大きな力を帯びて響き渡っています。征服なさるキリストの手中にある神の王国が人類の唯一無二の希望であることは,何と真実なのでしょう。

      20 (イ)1922年およびそれ以後,裁きの音信は油そそがれたクリスチャンの会衆により,何によってラッパの響きのように伝えられましたか。(ロ)第一のラッパが吹き鳴らされた結果,キリスト教世界に何がもたらされましたか。

      20 この宣言やその後の宣言は,油そそがれたクリスチャンの会衆により,決議文,冊子,小冊子,書籍,雑誌,および講演によって,ラッパの響きのように伝えられました。第一のラッパの音が響いた結果,キリスト教世界は打ちつける雹のような水の塊で打たれました。20世紀の戦争に加わったために負った同世界の血の罪はあらわにされ,同世界はエホバの憤りの火のような表明を受けるに値することが示されました。ヨハネ級の人たちは,後に大群衆からの支持を得て,第一のラッパの音を反響させ続け,キリスト教世界は滅びを被るにふさわしいというエホバの見方に注意を引いてきました。―啓示 7:9,15。

      燃える山のようなもの

      21 第二のみ使いがラッパを吹くと,何が起こりますか。

      21 「また,第二のみ使いがラッパを吹いた。すると,火で燃える大きな山のようなものが海に投げ込まれた。すると,海の三分の一が血になった。そして,海にいる,魂を持つ被造物の三分の一が死に,船の三分の一が難破した」。(啓示 8:8,9)この恐るべき場面は何を表わしていますか。

      22,23 (イ)第二のラッパが鳴り響いた結果,確かにどんな決議が行なわれましたか。(ロ)「海の三分の一」は何を表わしていますか。

      22 それは,1923年8月18日から26日に米国カリフォルニア州ロサンゼルス市で開かれたエホバの民の大会を背景にして考えると,一番よく分かります。土曜日,午後の呼び物となった,J・F・ラザフォードの話では,「羊とやぎ」の話題が扱われました。「羊」の実体は,神の王国の地上の領域を受け継ぐ,心が義に向いている人たちであることが,明らかにされました。その後に採択された決議文(英文)は,「背教した僧職者と,強力な経済的・政治的影響力を持つこの世的な人である,『その羊の群れの主要な者たち』の偽善」に注意を引きました。同決議文は,「種々の教派の教会内の平和と秩序を愛する大勢の人々に……主により『バビロン』と呼ばれている不義な教会制度から脱退し……神の王国の祝福を受けられる」用意をするように求めました。

      23 確かに第二のラッパが鳴り響いた結果,この決議が行なわれました。その音信にやがてこたえ応じる人たちは,イザヤが次のように描写した人々から別れるようになります。「しかし,邪悪な者たちは,静まることのできないときの,激しく揺れ動いている海のようであり,その水は絶えず海草や泥を打ち上げる」。(イザヤ 57:20; 17:12,13)ですから,「海」は不安動揺と革命を生み出す,動いてやまない,反抗的で不穏な人類のことをよく表わしています。(啓示 13:1と比較してください。)その「海」はもはやなくなる時がやって来ます。(啓示 21:1)一方,第二のラッパの音と共に,エホバはその「海」の三分の一,つまりキリスト教世界それ自体の領域の始末に負えない部分に対する裁きを宣告されます。

      24 海に投げ込まれた燃える山のような塊は,何を表わしていますか。

      24 火で燃える大きな山のような塊が,その「海」に投げ込まれます。聖書では,山々が諸政府を象徴している場合がかなりあります。例えば,神の王国は山として描かれています。(ダニエル 2:35,44)破滅を招いたバビロンは「焼き尽くされた山」となりました。(エレミヤ 51:25)しかし,ヨハネの見る山のような塊は,なお燃えています。それが海に投げ込まれることは,政府に関する事柄が第一次世界大戦中,またその後に人類の間で,特にキリスト教世界の国々で焦眉の係争問題となったことをよく表わしています。イタリアではムッソリーニがファシズムを導入しました。ドイツはヒトラーのナチズムを奉ずる一方,他の国々は別の形態の社会主義を試みました。ロシアでは徹底的な変化が起こり,ボルシェビキ革命により最初の共産主義国家が生まれたため,キリスト教世界の宗教指導者は,かつて自分たちのとりでの一つだったところで権力と影響力を失いました。

      25 政府に関する事柄は第二次世界大戦後も,どのように引き続き焦眉の係争問題となってきましたか。

      25 ファシストやナチの試みは二度目の世界大戦で消滅しましたが,政府に関する事柄は依然灼熱した係争問題で,人間の海は引き続き激しく動いて,新たな革命政府を出現させてきました。1945年以後の何十年かの間に,中国大陸,ベトナム,キューバ,ニカラグアなどの多くの場所で,そのような革命政府が設けられました。ギリシャでは軍事独裁政権の試みが失敗しました。カンボジアでは根本主義者の奉ずる共産主義を目指す運動のために,200万人以上の死者が出たと伝えられています。

      26 『火で燃える山』は,どのように引き続き人類の海で波を引き起こしてきましたか。

      26 あの『火で燃える山』は,人類の海で波を引き起こしてゆきました。政府に関する事柄を巡る闘争は,アフリカ,南北アメリカ,アジア,および太平洋の島々でも起きたと伝えられています。その闘争の多くは,キリスト教世界の国々,もしくは同世界の宣教師が活動家として動いている国々で起きました。ローマ・カトリックの司祭は共産ゲリラに加わって戦うことさえしました。同時に,プロテスタントの福音主義グループはいわゆる共産主義者の“激しい執ような権力欲”に対抗するため中央アメリカで活動しました。しかし,人類の海のそのような動乱はどれも,平和と安全をもたらしていません。―イザヤ 25:10-12; テサロニケ第一 5:3と比較してください。

      27 (イ)「海の三分の一」は,どのようにして血のようになりましたか。(ロ)『海の被造物の三分の一』はどのようにして死にましたか。「船の三分の一」はどうなりますか。

      27 第二のラッパの音は,人類の中で,神の王国に服するよりも,政府に関する事柄を巡る革命紛争に関係する人々には血の罪があることを明らかにしています。とりわけ,キリスト教世界という「海の三分の一」は,血のようになりました。その中の生きている者は皆,神の目には死んでいます。海のその三分の一の中に,いわば浮いている急進的な組織は,最終的な難破を回避できません。その海の狭量な国家主義や血の罪の中で依然としてもがいている人々の中から離れることを勧めるラッパの音のような招きに今,何百万もの羊のような人々が注意を払っているのは,何と喜ばしいことでしょう。

      星が天から落ちる

      28 第三のみ使いがラッパを吹き鳴らすと,何が起きますか。

      28 「また,第三のみ使いがラッパを吹いた。すると,ともしびのように燃える大きな星が天から落ちた。それは川の三分の一と水のわき出るところとに落ちた。そして,その星の名は“苦よもぎ”という。すると,水の三分の一は苦よもぎに変わり,多くの人がその水のために死んだ。それが苦くされたためである」。(啓示 8:10,11)ここでもまた,この聖句がどのように主の日に当てはまるかを理解するのに,聖書の他の部分が役立ちます。

      29 「ともしびのように燃える大きな星」という象徴的な表現を成就するものとなるのは何ですか。それはどうしてですか。

      29 わたしたちはすでに,七つの会衆に対するイエスの音信の中に出てくる星という象徴的な表現を見てきましたが,その音信の中の七つの星はそれらの会衆の長老たちを象徴しています。b (啓示 1:20)油そそがれた,それらの「星」は,油そそがれた者たちのほかの人たちすべてと共に,天的な相続財産を受ける印として聖霊で証印を押される時から,霊的な意味で天の場所に住みます。(エフェソス 2:6,7)しかし,使徒パウロは,それら星のような人たちの中から羊の群れを誤導する背教者,つまり分派主義者が出ることを警告しました。(使徒 20:29,30)そういう不忠実な行為は重大な背教をもたらし,そのような堕落した長老たちは,人間の中で自らを神のような地位に高める複合的な不法の人を構成するようになります。(テサロニケ第二 2:3,4)キリスト教世界の僧職者が世界の舞台に現われた時,パウロの警告は成就しました。「ともしびのように燃える大きな星」という象徴的な言葉は,そのグループをよく表わしています。

      30 (イ)バビロンの王が天から落ちた者として語りかけられた時,それは何を意味しましたか。(ロ)天から落ちるということは,何を指す場合がありますか。

      30 ヨハネはこの特異な星が天から落ちるのを見ます。どのようにしてでしょうか。古代のある王の経験は,それを理解するのに役立ちます。イザヤはバビロンの王に語りかけて,こう述べました。「輝く者,夜明けの子よ,ああ,あなたが天から落ちようとは! 諸国の民を無力にさせていた者よ,あなたが地に切り倒されようとは!」(イザヤ 14:12)バビロンがキュロスの軍隊によって倒された時,この預言が成就し,バビロンの王は世界支配者の地位から突如引き降ろされて,不面目な敗北を被りました。ですから,天から落ちるということは,高い地位を失って倒れ,恥辱を被ることを指す場合があります。

      31 (イ)キリスト教世界の僧職者はいつ「天の」地位から落ちましたか。(ロ)僧職者の供給する水は,どのように「苦よもぎ」に変わりましたか。その結果,多くの人々はどうなりましたか。

      31 キリスト教世界の僧職者は真のキリスト教から背教した時,パウロがエフェソス 2章6節と7節で述べている「天の」地位から落ちました。また,新鮮な真理の水を供給するどころか,「苦よもぎ」,つまり地獄の火,煉獄,三位一体,予定説などの苦々しいうそを提供し,諸国民を戦争に導き,人々を道徳的感覚のある神の僕として強化することには失敗しました。結果ですか。そのようなうそを信じた人々は,霊的な毒を飲まされることになりました。それはエレミヤの時代の不忠実なイスラエル人の場合と同様です。エホバは当時のイスラエル人にこう言われました。「いまわたしは彼らに苦よもぎを食べさせる。わたしは彼らに毒の水を飲ませよう。エルサレムの預言者たちから,背教が全土に出て行ったからである」― エレミヤ 9:15; 23:15。

      32 キリスト教世界が霊的な天から落ちたことは,いつ明らかになりましたか。それはどのように劇的に表現されましたか。

      32 こうして霊的な天から落ちたことは,キリスト教世界の僧職者ではなく,油そそがれたクリスチャンの少数の残りの者が王国の関心事をつかさどるよう任命された1919年に明らかになりました。(マタイ 24:45-47)そして,そのように落ちたことは,クリスチャンのこのグループがキリスト教世界の僧職者の失敗を率直に暴露する運動を再開した1922年以来,劇的に表現されました。

      33 米国オハイオ州コロンバス市での1924年の大会で,キリスト教世界の僧職者を暴露するどんなことが行なわれましたか。

      33 この点で目覚ましかったのは,「黄金時代」誌上,「多年開かれてきた聖書研究者の大会中最大の大会」と呼ばれた集いで行なわれた宣言でした。それは米国オハイオ州コロンバス市で1924年7月20日から27日に開催された大会です。明らかに第三のラッパを吹き鳴らしたみ使いの導きのもとに,強力な決議がその大会で採択され,後に冊子の形で5,000万部配布されました。それは「告発される聖職者」という表題で発行されました。その副見出しの一つとして,「約束の胤 対 蛇の胤」という論争が掲げられました。その告発状自体,おおげさな宗教的称号を用いたり,商業界の重要な人間や職業政治家を自分たちの群れの主要な人物にしたり,人々の前で異彩を放つことを願ったり,メシアの王国の音信を人々に宣べ伝えることを拒んだりするなどの事柄で,キリスト教世界の僧職者を声を大にして暴露しました。そして,献身したクリスチャンはすべて,「我らの神の復しゅうの日」をふれ告げ,『嘆き悲しむ者すべてを慰める』よう神から命じられていることを強調しました。―イザヤ 61:2,欽定訳。

      34,35 (イ)第三のみ使いがラッパを吹き鳴らし始めて以来,僧職者の権力や影響力はどうなりましたか。(ロ)キリスト教世界の僧職者の将来には何が控えていますか。

      34 第三のみ使いがラッパを吹き鳴らし始めて以来,僧職者が人類の中で占めていた支配的な地位は低下し,この現代に至っては,これまでの世紀に享受した,神のような権力を保持する僧職者はほとんどいなくなってしまいました。大勢の人々は,エホバの証人の宣べ伝える業ゆえに,僧職者の教える多くの教理が霊的な毒,つまり「苦よもぎ」であることを悟るようになりました。その上,北欧では僧職者の権力はほとんど尽きている一方,別の地域では政府が僧職者の影響力を断固として縮小させている国もあります。ヨーロッパのカトリックの強い国や南北アメリカ両大陸では,財政,政治,および道徳問題での醜い行動ゆえに,僧職者の評判は傷つけられてきました。彼らは間もなく他のすべての偽りの宗教家と同じ運命をたどるので,その立場は悪化するほかありません。―啓示 18:21; 19:2。

      35 エホバからの災厄がキリスト教世界に臨むことは,まだ終わっていません。第四のラッパが吹き鳴らされた後に起きることを考慮してください。

      それは闇です!

      36 第四のみ使いがラッパを吹き鳴らした後,何が起こりますか。

      36 「また,第四のみ使いがラッパを吹いた。すると,太陽の三分の一が強打され,月の三分の一と星の三分の一が強打された。それは,それらの三分の一が暗くされ,昼がその三分の一にわたって光明を持たず,夜も同じようになるためであった」。(啓示 8:12)エジプトに臨んだ九番目の災厄は,文字通りの闇の災厄でした。(出エジプト記 10:21-29)しかし,人間を悩ます,この象徴的な闇とは何でしょうか。

      37 使徒のペテロやパウロは,クリスチャンの会衆外の人々の霊的な状況についてどのように述べましたか。

      37 使徒ペテロは仲間の信者に対して,彼らがクリスチャンになる以前は,霊的に言って,闇の中にいたと述べました。(ペテロ第一 2:9)パウロも,クリスチャン会衆外の人々の霊的な状態について述べるのに「闇」という言葉を使いました。(エフェソス 5:8; 6:12。コロサイ 1:13。テサロニケ第一 5:4,5)しかし,神を信じていると主張し,イエスを救い主として受け入れていると言う,キリスト教世界の人々についてはどうですか。

      38 第四のみ使いはキリスト教世界の「光」に関するどんな事実をラッパで知らせますか。

      38 真のクリスチャンはその実によって見分けられるようになりますが,イエスの追随者であると主張する人々の多くは「不法を働く者たち」になる,とイエスは言われました。(マタイ 7:15-23)キリスト教世界が占めている世の三分の一の実を見る人はだれでも,同世界が霊的な闇の中で手探りしていることを否定できません。(コリント第二 4:4)同世界は一番責められてしかるべきです。同世界はキリスト教を奉じていると主張しているからです。ですから,第四のみ使いがキリスト教世界の「光」は実際は闇であること,また同世界の「光」の源はバビロン的で,キリスト教とは関係がないことをラッパで知らせるのは正しいというほかありません。―マルコ 13:22,23。テモテ第二 4:3,4。

      39 (イ)1925年の大会で採択された決議文は,キリスト教世界の偽りの光についてどのように述べましたか。(ロ)1955年に同世界はさらにどのように暴露されましたか。

      39 1925年8月29日,神の民は米国インディアナ州インディアナポリス市の大会に参集して,会場を一杯に埋め,そのような天の宣言と調和して,「希望の音信」と題する率直な決議文を公表するために採択しました。これもまた,幾つかの言語で,およそ5,000万部配布されました。この決議文は商業界の不当利得者や政治指導者,および教会の僧職者が連合して差し伸べる偽りの光のために,「もろもろの民は闇に陥った」ことについて述べ,神の王国を「平和,繁栄,健康,命,自由,およびとこしえの幸福」を享受するための真の希望として指し示しました。油そそがれたクリスチャンの少数の集団にとって,このような音信をキリスト教世界の巨大な組織に対してふれ告げるには勇気が要りました。しかし,彼らは1920年代の初期から今日に至るまで,一貫してそうしてきました。もっと最近では,1955年に,「キリスト教国それともキリスト教 ―『世の光』はどちらですか」と題する小冊子を多くの言語で配布して,僧職者階級をさらに暴露しました。今日,キリスト教世界の偽善はあまりにも明白になったため,世の多くの人々は自分でそれを見ることができますが,エホバの民は同世界の現実の姿,つまり闇の王国を暴露する努力を緩めたりはしませんでした。

      飛ぶ鷲

      40 四つのラッパが吹き鳴らされた結果,キリスト教世界のどんな現実の姿が示されましたか。

      40 これら最初の四つのラッパが吹き鳴らされた結果,キリスト教世界の荒廃した,死をもたらす状態が確かにあばかれました。「地」の同世界の部分はエホバの裁きを受けるに値することが暴露されました。同世界の国々や他の場所に出現した革命政府は,霊的な生活にとって有害なものであることが示されました。同世界の僧職者の堕落した状態もあらわにされ,同世界の霊的な状態はおおむね闇に包まれていることがすべての人に分かるよう暴露されました。キリスト教世界は確かにサタンの事物の体制の中で最も責められるべき部分です。

      41 ラッパを次々に吹き鳴らすことが中断されている間,ヨハネは何を見,何を聞きますか。

      41 さらに明らかにされるどんな事柄がありますか。この疑問に対する答えが出される前に,ラッパを次々に吹き鳴らすことが少しの間中断されます。ヨハネは次に見る事柄をこう述べます。「またわたしが見ると,中天を飛ぶ一羽の鷲が大声でこう言うのが聞こえた。『災い,災い,地に住む者たちには災いだ! ラッパを吹こうとしている三人のみ使いの吹き鳴らす残りのラッパの音のゆえに』」― 啓示 8:13。

      42 飛ぶ鷲は何を表わしていると考えられますか。どんな音信を携えていますか。

      42 鷲は空の高いところを飛ぶので,広い範囲の地区の人々が鷲を見ることができます。鷲は異例の鋭敏な視覚を備えているので,遠く前方を見ることができます。(ヨブ 39:29)神のみ座の周りの四つのケルブのような生き物の一つは,飛んでいる鷲として描かれました。(啓示 4:6,7)その鷲はこのケルブか,あるいは遠目のきく他の神の僕のいずれであれ,『災いだ,災いだ,災いだ!』という力強い音信を大声でふれ告げます。残りの三つのラッパの音は各々これらの災いの一つと結びつけられていますから,その音が聞こえる時,地に住む人々は注目すべきでしょう。

      [脚注]

      a それとは対照的に,啓示 7章16節は,大群衆がエホバの不興の炎熱に遭遇しないことを示しています。

      b イエスの右手にある七つの星は,クリスチャンの会衆内の油そそがれた監督たちを表わしているものの,今日,世界の約10万の会衆のうちほとんどの会衆の長老たちは,大群衆の人たちです。(啓示 1:16; 7:9)それらの長老たちはどんな立場にありますか。彼らは油そそがれた忠実で思慮深い奴隷級を通して聖霊による任命を受けますから,それら長老たちもイエスの右手の監督下にあるということができます。というのは,彼らもやはり従属の牧者だからです。(イザヤ 61:5,6。使徒 20:28)それらの長老たちは,油そそがれた,資格のある兄弟たちがいない場合,その代わりに仕えるという意味で,「七つの星」を支持しています。

  • キリスト教世界に臨むエホバからの災厄
    啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
    • [139ページの図表]

      キリスト教世界の水は苦よもぎであることが明らかにされる

      キリスト教世界の信条および態度 聖書が実際に述べている事柄

      神ご自身のみ名は重要ではありません: イエスは,神のみ名が神聖なものと

      「唯一無二の神の何らかの固有の名を されるよう祈られました。ペテロは,

      用いることは……キリスト教の教会の 「エホバの名を呼び求める者はみな

      普遍的な信仰にとって 救われるであろう」と述べました。

      全く不適当なことである」。 (使徒 2:21。ヨエル 2:32。マタイ 6:9。

      (「改訂標準訳」[英文]の序文) 出エジプト記 6:3。啓示 4:11; 15:3; 19:6)

      神は三位一体です:「御父は神であり, 聖書は,エホバがイエスよりも偉大な方で,

      御子は神であり,聖霊は神である。 イエスの神,ならびにキリストの

      ただし,三人の神がいるのではなく, 頭であられると述べています。

      ただ一人の神がおられるのである」。 (ヨハネ 14:28; 20:17。コリント第一 11:3)

      (「カトリック百科事典」[英文], 聖霊は神の活動する力です。

      1912年版) (マタイ 3:11。ルカ 1:41。使徒 2:4)

      人間の魂は不滅です:「人間が死ぬと, 人間は魂です。

      その魂と肉体は分離する。 死ぬと,魂は考えたり,感じたり

      その肉体は……腐敗する…… しなくなり,塵に戻ります。

      しかし,人間の魂は死なない」。 魂は元々その塵から造られました。

      (「死後に起きる事柄」, (創世記 2:7; 3:19。詩編 146:3,4。

      ローマ・カトリック教会の出版物[英文]) 伝道の書 3:19,20; 9:5,10。

      エゼキエル 18:4,20)

      邪悪な者は死後,地獄で処罰されます: 罪の報いは死であって,生きながら

      「伝統的なキリスト教の信条によれば, 責め苦に遭わされることでは

      地獄は終わりのない ありません。(ローマ 6:23)

      苦悶と苦痛の場所である」。 死者は地獄(ハデス,シェオール)で

      (「ワールドブック百科事典」 無意識のまま休んでおり,

      [英文],1987年版) 復活を待ち望んでいます。(詩編 89:48。

      ヨハネ 5:28,29; 11:24,25。啓示 20:13,14)

      「女仲介者という称号は 神と人間との間の

      聖母マリアに適用される」。 唯一の仲介者はイエスです。

      (「新カトリック百科事典」 (ヨハネ 14:6。テモテ第一 2:5。

      [英文],1967年版) ヘブライ 9:15; 12:24)

      幼児にバプテスマを施すべきです: バプテスマは,弟子となって,

      「教会はまさに最初から イエスのご命令に従うよう

      バプテスマの秘跡を幼児に施してきた。 教えられた人たちが受けるべきです。

      この習慣は適法であっただけでなく, バプテスマを受ける資格を得るには,

      救いにとっても絶対に必要であると 人は神のみ言葉を理解し,

      教えられていた」。 信仰を働かせなければなりません。

      (「新カトリック百科事典」 (マタイ 28:19,20。ルカ 3:21-23。

      [英文],1967年版) 使徒 8:35,36)

      大抵の教会は, 1世紀のクリスチャンはすべて奉仕者で,

      成員が平信徒階級と平信徒に仕える 良いたよりを宣べ伝える業にあずかりました。

      僧職者階級とに分かれています。 (使徒 2:17,18。ローマ 10:10-13; 16:1)

      普通,僧職者はその奉仕と引き換えに クリスチャンは給料のためではなく,

      給料を支給され,“師”,“神父”, 『ただで与える』べきです。(マタイ 10:7,8)

      “猊下”などの称号を与えられ, イエスは宗教的な称号を用いることを

      平信徒より高められています。 厳しく禁じられました。(マタイ 6:2; 23:2-12。

      ペテロ第一 5:1-3)

      像,聖画像,および十字架が クリスチャンはいわゆる相対的な崇拝を含め,

      崇拝の際に用いられています: あらゆる偶像崇拝を避けなければなりません。

      「キリスト,処女なる聖母, (出エジプト記 20:4,5。コリント第一 10:14。

      および他の聖人の像は…… ヨハネ第一 5:21)

      教会内に安置され, クリスチャンは見えるものによってではなく,

      相応の敬意と誉れを受けるべきである」。 霊と真理をもって神を崇拝します。

      (トレント公会議の宣言[1545-1563年]) (ヨハネ 4:23,24。コリント第二 5:7)

      教会員は,神の目的が政治によって イエスは何らかの政治体制ではなく,

      成し遂げられると教えられています。 神の王国を人類のための希望として

      故スペルマン枢機卿は, 宣べ伝えられました。(マタイ 4:23; 6:9,10)

      「平和への唯一の道があるが… イエスは政治に関係することを

      それは民主主義の街道である」と 拒否されました。(ヨハネ 6:14,15)

      述べました。種々のニュースは, イエスの王国は世のものではありませんでした。

      宗教が世の政治に(しかも反乱にさえ) したがって,その追随者は

      関係しており,国連を 世のものとなるべきではありませんでした。

      「一致と平和をもたらす最後の望み」 (ヨハネ 18:36; 17:16)

      として支持していることを伝えています。 ヤコブは世との交友を戒めました。(ヤコブ 4:4)

  • 第一の災い ― いなご
    啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
    • 22章

      第一の災い ― いなご

      1 み使いたちがラッパを鳴り響かせると,だれが物事をやり遂げますか。第五のみ使いのラッパの音は何を知らせますか。

      第五のみ使いがラッパを吹く用意をします。天の四つのラッパはすでに鳴り響き,四つの災厄は,エホバにより一番とがめられるべきものとみなされている地の三分の一,つまりキリスト教世界に加えられ,同世界の病気にかかった致命的な状態があからさまにされてきました。み使いたちはラッパを鳴り響かせる一方,人間の報道者たちは地上で物事をやり遂げます。今や第五のみ使いのラッパが,これまでに臨んだものよりもさらに恐ろしい第一の災いを知らせようとしています。それは恐るべきいなごの災厄と関係があります。しかし,まず最初に,その災厄をもっとよく理解するのに役立つ他の聖句を調べてみましょう。

      2 聖書のどの書は,ヨハネが見るのと同様のいなごの災厄について述べていますか。その災厄は古代のイスラエルにどんな影響を及ぼしましたか。

      2 西暦前9世紀に書き記された聖書のヨエル書は,ヨハネが見るのと同様の,いなごを含む昆虫の災厄について述べています。(ヨエル 2:1-11,25)a それは背教したイスラエルにたいへん不快な思いをさせることになりますが,その結果,ユダヤ人の中の個々の人々は悔い改めてエホバの恵みのもとに帰ることになるはずでした。(ヨエル 2:6,12-14)その時が到来すると,エホバはご自分の霊を「あらゆる肉なる者」に注いでくださり,「畏怖の念を抱かせる,エホバの大いなる日の来る」前に,恐ろしいしるしと驚くべき異兆が起きることになっていました。―ヨエル 2:11,28-32。

      1世紀の災厄

      3,4 (イ)ヨエル 2章はいつ一度成就しましたか。どのように成就しましたか。(ロ)西暦1世紀当時,群がるいなごのような災厄は,どのようにして生じましたか。その災厄による苦しみはいつまで続きましたか。

      3 ヨエル 2章は1世紀に一度成就しました。聖霊が注がれ,当時の最初のクリスチャンが油そそがれて,「神の壮大な事柄」について多くの国語で話す力を授けられたのは,西暦33年のペンテコステのことでした。その結果,大勢の群衆が集まりました。使徒ペテロは驚嘆したそれらの傍観者たちに話しかけて,ヨエル 2章28節と29節を引用し,彼らがその成就を目撃しているのだということを説明しました。(使徒 2:1-21)しかし,その時,文字通りの昆虫の災厄が起きて,ある人々が不快な思いをさせられたり,ほかの人々が悔い改めたりしたという記録はありません。

      4 その当時,比喩的な災厄が起きましたか。確かに起きました! それは新たに油そそがれたばかりのクリスチャンが,宣べ伝える業を絶え間なく行なった結果でした。b エホバはそれらのクリスチャンを通して,悔い改めて神からの祝福を享受するよう,話に耳を傾けるユダヤ人を招かれました。(使徒 2:38-40; 3:19)それにこたえ応じた個々の人たちは,エホバの驚くべき恵みを受けました。しかし1世紀のクリスチャンは,そのような招きを退けた者たちにとっては,荒廃をもたらす,群がるいなごのようになりました。それらクリスチャンはエルサレムを初めとしてユダヤとサマリアの全土に広がりました。ほどなくして,彼らはあらゆる場所で見いだされるようになり,イエスの復活とその意味する事柄すべてを公にふれ告げることにより,信じようとしないユダヤ人を責め苦に遭わせました。(使徒 1:8; 4:18-20; 5:17-21,28,29,40-42; 17:5,6; 21:27-30)その災厄による苦しみは,エホバがローマ軍にエルサレムを攻めさせて,その滅びをもたらされた西暦70年の『畏怖の念を抱かせる日』まで続きました。信仰を抱いてエホバのみ名を呼び求めたクリスチャンだけが救われました。―ヨエル 2:32。使徒 2:20,21。箴言 18:10。

      今日のいなごの災厄

      5 ヨエルの預言は1919年以来,どのように成就してきましたか。

      5 ヨエルの預言は終わりの時に最終的な成就を見ると期待することができたのも,もっともな話です。まさしくその通りになりました! 1919年9月1日から8日まで米国オハイオ州シーダー・ポイントで開かれた聖書研究者の大会で,エホバの霊が著しい仕方で注がれて,神の民は宣べ伝える業の世界的な運動を組織するよう動かされました。クリスチャンと称する人々すべての中で,それらの神の民だけが,イエスが天の王として即位されたことを認め,その良いたよりを広く告げ知らせる努力を少しも惜しみませんでした。彼らが預言の成就として絶え間なく行なう証しは,背教したキリスト教世界を責め苦に遭わせる災厄となりました。―マタイ 24:3-8,14。使徒 1:8。

      6 (イ)第五のみ使いがラッパを吹いた時,ヨハネは何を見ましたか。(ロ)この「星」はだれを象徴していますか。それはどうしてですか。

      6 エルサレムが滅びてからおよそ26年後に書き記された啓示の書もまた,その災厄について述べています。その書はヨエルが述べた事柄にさらにどんなことを付け加えていますか。ヨハネは次のように伝えているので,その記録を取り上げてみましょう。「また,第五のみ使いがラッパを吹いた。すると,わたしは天から地に落ちた星を見た。底知れぬ深みの坑のかぎが彼に与えられた」。(啓示 9:1)この「星」は,落ちて行くのをヨハネが見た,啓示 8章10節の星とは違います。ヨハネは,「天から地に落ちた星」を見ます。その星は今,この地に関して,ある割り当てを持っています。この星は霊者,それとも肉の人のことでしょうか。この「底知れぬ深みの坑のかぎ」の所持者は,後の箇所でサタンを「底知れぬ深み」に投げ込む方として描写されています。(啓示 20:1-3)それで,この方は力ある霊者であられるに違いありません。ヨハネは啓示 9章11節で,いなごには『王,すなわち底知れぬ深みの使い』がいることをわたしたちに教えています。この両方の節は同一の方に言及しているに違いありません。というのは,底知れぬ深みのかぎを持っているみ使いは,論理的に言って,底知れぬ深みの使いだからです。それで,この星はエホバの油そそがれた王を象徴しているに違いありません。というのは,油そそがれたクリスチャンは,み使いのような一人の王,イエス・キリストだけを認めているからです。―コロサイ 1:13。コリント第一 15:25。

      7 (イ)「底知れぬ深みの坑」が開かれると,何が起こりますか。(ロ)「底知れぬ深み」とは何ですか。だれがその中で短期間過ごしましたか。

      7 記述はさらにこう続きます。「そして,彼が底知れぬ深みの坑を開けると,大きな炉の煙のような煙がその坑から立ち上り,その坑の煙によって太陽が,また空気が暗くなった。そして,その煙の中からいなごが地上に出て来た。それらには権威が与えられた。地のさそりが持つのと同じ権威である」。(啓示 9:2,3)聖書的に言って,「底知れぬ深み」とは,無活動の,つまり死んだ状態の場所のことです。(ローマ 10:7; 啓示 17:8; 20:1,3と比較してください。)イエスの兄弟たちの少数の集団は,第一次世界大戦の終わりごろ(1918-1919年),比較的無活動な,そのような「底知れぬ深み」で短期間過ごしました。しかし,1919年にエホバがご自分の悔い改めた僕たちに霊を注がれた時,彼らは前途に控えていた業の挑戦に応じるため群れを成して出て行きました。

      8 いなごはどうして沢山の煙と共に放たれるのでしょうか。

      8 ヨハネが観察していると,「大きな炉の煙」のような沢山の煙と共に,いなごが放たれます。c 1919年にその通りになりました。キリスト教世界と一般の世にとって,事態は暗くなりました。(ヨエル 2:30,31と比較してください。)ヨハネ級のそれらのいなごが放たれたことは,実際,王国の業を永久に抹殺しようと企てて陰謀を巡らし,今や神の王国を退けたキリスト教世界の僧職者の敗北を意味しました。そのいなごの集団が神からの権威を与えられ,強力な裁きの音信をふれ告げて,その権威を行使し始めるにつれ,煙のようなとばりが背教したキリスト教世界の上に広がりだしたことが明らかになりました。キリスト教世界の「太陽」― 啓発を受けているように見える同世界の有様 ― は光彩を失い,またこの世の「空中[字義通りには,空気]の権威の支配者」がキリスト教世界の神であるということが示されるにつれて,「空気」は神からの裁きの宣言のためによどみました。―エフェソス 2:2。ヨハネ 12:31。ヨハネ第一 5:19。

      人を責め苦に遭わせるいなご!

      9 いなごは戦闘のためのどんな指図を受けましたか。

      9 それらのいなごは戦闘のためのどんな指図を受けましたか。ヨハネはこう伝えています。「そして,地の草木を,またどんな緑のものも,どんな樹木も損なわないように,ただ,額に神の証印のない人々だけを損なうようにと告げられた。そして,そのいなごには,彼らを殺すことではなく,彼らを五か月のあいだ責め苦に遭わせることが許された。彼らに加えられるその責め苦は,さそりが人を襲うときの責め苦のようであった。その日には,人々は死を求めるが,決してそれを見いだせないであろう。また,死にたいと思っても,死は彼らから逃げてゆく」― 啓示 9:4-6。

      10 (イ)この災厄はおもにだれに加えられますか。それらの人々はどんな影響を受けますか。(ロ)どのような責め苦が関係していますか。(脚注もご覧ください。)

      10 この災厄はまず最初に人々,もしくはその中の著名な人々 ―『地の草木,また樹木』― に加えられるのではないことに注目してください。(啓示 8:7と比較してください。)いなごは,額に神の証印のない人々,つまり証印を押されていると主張しながら,当人の記録がその主張の偽りを示しているキリスト教世界の人々だけを損なうのです。(エフェソス 1:13,14)ですから,現代のそれらのいなごが発する,人を責め苦に遭わせる言葉は,まず最初にキリスト教世界の宗教指導者に対して発せられました。それら独り善がりな人々は,自分たちの羊の群れを天に導いていないばかりか,自分自身も天に行かないことが公に知らされるのを聞いて,大いに責めさいなまれてきたに違いありません。d それは確かに,『盲人を案内する盲人』の例そのものです!―マタイ 15:14。

      11 (イ)いなごには神の敵をいつまで責め苦に遭わせることが許されますか。それは実際にはどうして短期間ではありませんか。(ロ)責め苦はどれほど激しいものですか。

      11 その責め苦は五か月間続きます。それは比較的短期間でしょうか。文字通りのいなごの観点からすれば,そうではありません。五か月というのは,そのような昆虫の中のある種のものの普通の寿命を表わしています。ですから,現代のいなごは,生きている限り,神の敵を刺すことになります。その上,その責め苦は大変激しいので,人々は死のうとするようになります。確かに,いなごに刺されて,実際に自殺しようとした人がいたという記録はありませんが,その表現は,さそりの執ような攻撃によるかのような責め苦の激しさを描写するのに役立ちます。それは,バビロニア人の征服者たちにより散らされて,生きることよりも死を願わしく思うようになった不忠実なイスラエル人の被った,エレミヤの予見した苦しみのようです。―エレミヤ 8:3。伝道の書 4:2,3もご覧ください。

      12 いなごには,どうしてキリスト教世界の宗教指導者を殺すのではなく,霊的な意味で責め苦に遭わせることが許されるのでしょうか。

      12 どうしてそれらの人々を殺すのではなく,霊的な意味で責め苦に遭わせることが許されるのでしょうか。それはキリスト教世界のうそや同世界の失敗を暴露する最初の災いです。しかし,同世界の死のような霊的な状態は,主の日が経過するにつれて,後日初めて十分に広く知らされます。人々の三分の一は第二の災いの際に殺されます。―啓示 1:10; 9:12,18; 11:14。

      戦いの装備を整えたいなご

      13 いなごはどんな外見をしていますか。

      13 それらのいなごは何という驚くべき外見をしているのでしょう。ヨハネはこう描写しています。「そして,いなごの姿は戦闘の備えをした馬に似ていた。頭の上には金のような冠と思えるものがあり,顔は人間の顔のようであったが,女の髪のような髪の毛があった。そして,歯はライオンの歯のようであり,また,鉄の胸当てのような胸当てを着けていた。そして,彼らの翼の音は,多くの馬に引かれる兵車が戦闘に走り行く音のようであった」― 啓示 9:7-9。

      14 いなごに関するヨハネの描写は,どうして1919年に生き返らされたクリスチャンのグループと合致していましたか。

      14 これは1919年に生き返らされた忠節なクリスチャンのグループを実によく表わしています。彼らは馬のように戦いの用意ができていました。つまり,使徒パウロの述べた仕方で真理のために闘うのを待ち兼ねていました。(エフェソス 6:11-13。コリント第二 10:4)ヨハネは,金でできた冠のように見えるものが彼らの頭の上にあるのを見ます。彼らが実際の王冠を持つのは正しいことだとは言えません。なぜなら,彼らはなお地上にいる時には,支配を始めないからです。(コリント第一 4:8。啓示 20:4)しかし,彼らは1919年にすでに王らしい外見を示していました。彼らは王の兄弟たちだったので,終わりまで忠実を保つ限り,天的な冠が彼らのために取って置かれたからです。―テモテ第二 4:8。ペテロ第一 5:4。

      15 いなごの(イ)鉄の胸当て,(ロ)人間のような顔,(ハ)女のような髪の毛,(ニ)ライオンのような歯,(ホ)大変な騒音は,それぞれ何を表わしていますか。

      15 幻の中のいなごには,破れることのない義を象徴する鉄の胸当てがあります。(エフェソス 6:14-18)いなごにはまた,人間の顔があります。この特徴は愛という特質を指しています。というのは,人間は,愛であられる神の像に造られたからです。(創世記 1:26。ヨハネ第一 4:16)彼らの髪の毛は女の髪のように長くて,底知れぬ深みの使いである,彼らの王に対する服従をよく表わしています。また,彼らの歯はライオンの歯に似ています。ライオンは歯を使って肉を裂きます。ヨハネ級の人たちは1919年以降,再び固い霊的な食物,特に「ユダ族の者であるライオン」,イエス・キリストの治める神の王国に関する真理を取り入れることができるようになりました。ライオンが勇気を象徴している通り,この強烈な音信を消化し,それを出版物にして発表し,それを世界中で配布するにはたいへん大きな勇気が必要でした。これらの比喩的ないなごは,「多くの馬に引かれる兵車が戦闘に走り行く音」のような大変な騒音を立ててきました。彼らは1世紀のクリスチャンの模範にしたがって,黙ったままでいようとは思いません。―コリント第一 11:7-15。啓示 5:5。

      16 いなごの『さそりに似た尾と針』にはどんな重要な意味がありますか。

      16 この宣べ伝える業には話される言葉以上の事柄が関係しています!「また,彼らには尾と,さそりに似た針とがあり,その尾に,人を五か月のあいだ痛める彼らの権威がある」。(啓示 9:10)これは何を意味しているのでしょうか。エホバの証人は王国の業をせっせと行ない,話す言葉と印刷物を用いて,神のみ言葉に基づく権威ある声明を出します。迫り来るエホバの復しゅうの日を警告するその音信には,さそりのような針があります。(イザヤ 61:2)霊的ないなごの現在の世代の寿命が尽きる前に,エホバの裁きを宣明する,神から命じられた彼らの業は,不敬な言葉を吐く,うなじのこわい者たちすべてに痛みをもたらしながら,完了することになります。

      17 (イ)1919年に開かれた聖書研究者の大会で,証言によって人を刺す業を強化する,どんな助けが発表されましたか。(ロ)僧職者はどのように責め苦に遭わされてきましたか。彼らはそれにこたえてどのように行動しましたか。

      17 そのいなごの集団は,1919年に開かれた彼らの大会で「黄金時代」という表題の新しい雑誌(英文)が発表された時,大いに喜びました。それは彼らが証言によって人を刺す業を強化するために企画された隔週刊誌でした。e 1920年9月29日発行の同誌第27号は,1918年から1919年の期間中,アメリカ合衆国で聖書研究者を迫害した僧職者の欺まんを暴露しました。「黄金時代」誌は1920年代および1930年代中,政治に手を出す狡猾な僧職者や,特にファシストおよびナチの独裁者とカトリック教階制とが結んだ政教条約を暴露した痛烈な記事や風刺漫画を掲載して,僧職者をさらに責め苦に遭わせました。それにこたえて,僧職者たちは『法をもて危害をたくらみ』,神の民に対する暴徒による暴力行為を組織しました。―詩編 94:20,ジェームズ王欽定訳。

      通告を受ける世界の支配者たち

      18 いなごにはなすべきどんな仕事がありましたか。第五のラッパの音にこたえ応じて,その後,何が起きましたか。

      18 現代のいなごにはなすべき仕事がありました。王国の良いたよりは宣べ伝えられなければなりませんでした。また,誤りも暴露しなければならず,失われた羊も見いださなければなりませんでした。いなごがこれらの仕事をせっせと行なうにつれ,世の人々は起き直って注目せざるを得なくなりました。ヨハネ級の人たちはみ使いたちのラッパの音に従順に従い,キリスト教世界がエホバの不利な裁きを受けるに値することを暴露し続けました。第五のラッパにこたえ応じて,1926年5月25日から31日まで英国のロンドンで開かれた聖書研究者の大会で,その裁きの特定の面が強調されました。この大会の呼び物となったのは,「世の支配者たちへの証言」と題する決議と,ロイヤル・アルバート・ホールで行なわれた,「世界の諸勢力はなぜよろめいているのか ― その救済策」と題する公開講演で,その決議と講演の両方の全文が翌日のロンドンの主要新聞に掲載されました。後日,いなごの集団は,その決議文を小冊子にして,全世界で5,000万部配布したので,まさしく僧職者たちは責め苦に遭わされました! 何年もの後でさえ,英国の人々は当時痛烈に暴露された事柄についてなおも語り合っていました。

      19 象徴的ないなごはさらに,闘うためのどんな装備を受け取りましたか。それは,ロンドンで発表された声明について何と述べましたか。

      19 その大会で,象徴的ないなごはさらに,闘うための装備,それも注目すべきことに「神の救い」(英文)と題する新しい書籍を受け取りました。その書籍には,「男子」の政府,つまりキリストの天の王国が1914年に誕生したことを証明するしるしに関する,聖書に基づく論議が含まれていました。(マタイ 24:3-14。啓示 12:1-10)同書は,その後のところで,1917年にロンドンで発表された声明を引用していますが,その声明文には,「世界の最も偉大な伝道師に数えられる」人物と評された8人の僧職者の署名が付されていました。それらの僧職者はプロテスタントの主要教派,つまりバプテスト派,組合教会派,長老派,監督教会派,およびメソジスト派を代表していました。その声明文は,「現在の危機は異邦人の時の終結を指し示しており」,「主の顕現はいつ何時始まるかもしれないと期待し得よう」と言明しました。そうです,それらの僧職者はイエスの臨在のしるしを認めていたのです! しかし,彼らはそれに関して何かをしたいと考えていたでしょうか。「神の救い」と題するその本は,わたしたちにこう教えています。「この問題の最も驚くべき点は,声明文に署名した当の本人たちが,その後,今が世の終わりの時であり,主の再臨在の時代であることを示す証拠を否認し,退けたということです」。

      20 (イ)僧職者はいなごの集団とその王に関して何をすることを望みましたか。(ロ)ヨハネは,いなごの集団の上にだれがいることを述べていますか。その名は何と言いますか。

      20 キリスト教世界の僧職者は来たるべき神の王国を告げ知らせるどころか,サタンの世と共にとどまることを望みました。彼らはいなごの集団とその王とにかかわりを持ちたいとは少しも思っていません。ヨハネはその集団と王に関して,今やこう述べます。「彼らの上には王がいる。すなわち,底知れぬ深みの使いである。ヘブライ語で彼の名はアバドン[「滅び」の意]であり,ギリシャ語では,アポルオン[「滅ぼす者」の意]という名がある」。(啓示 9:11)「底知れぬ深みの使い」で,「滅ぼす者」でもあられるイエスは確かに,苦痛をもたらす災いをキリスト教世界の上に放たれたのです。しかし,さらにほかのことが起きようとしています!

      [脚注]

      a ヨエル 2章4節,5節および7節(ここでは,その昆虫が馬や民や男子として,また兵車のような音を立てるものとして描かれている)と啓示 9章7節から9節を比較し,またヨエル 2章6節と10節(その昆虫の災厄の悲惨な影響が描かれている)と啓示 9章2節と5節を比較してください。

      b 1962年5月1日号の「ものみの塔」誌の「決定の谷で諸国民に一致して立ちむかう」と題する記事をご覧ください。

      c この聖句は,底知れぬ深みがあたかも地獄の火でもあるかのように,そこに火があったことを証明するために使える句ではないことに注目してください。ヨハネは大きな炉の煙のような濃い煙を見たと言っています。(啓示 9:2)その底知れぬ深みの中に実際の炎があるのを見たとは報告していません。

      d ここで使われているギリシャ語は,文字通りの責め苦に関して使われる場合のある「バサニゾー」という語根から来ています。しかし,この語は精神的な責め苦にも使えます。例えば,ペテロ第二 2章8節で,ロトはソドムで見た悪事のゆえに,「自分の義なる魂に堪えがたい苦痛を味わっていた」と記されています。使徒時代の宗教指導者は,もちろん全く別の理由のためでしたが,同様の精神的な責め苦に遭いました。

      e この雑誌の名称は,1937年に「慰め」,また1946年には「目ざめよ!」と改められました。

  • 第二の災い ― 騎兵隊
    啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
    • 23章

      第二の災い ― 騎兵隊

      1 僧職者たちはいなごを撲滅しようとしたにもかかわらず,どうなりましたか。なお二つの災いが来ることは,何を示唆していますか。

      1919年以降,キリスト教世界は象徴的ないなごの侵入を受けて,僧職者たちはたいへん不快な気持ちにさせられてきました。彼らはいなごを撲滅しようとしましたが,いなごは引き続き以前にもまして猛烈な勢いで押し寄せてきました。(啓示 9:7)しかも,それがすべてではありません! ヨハネはこう書いています。「一つの災いが過ぎた。見よ,これらのことの後なお二つの災いが来る」。(啓示 9:12)さらに責め苦をもたらす災厄がキリスト教世界を待ち構えているのです。

      2 (イ)第六のみ使いがラッパを吹くと,何が起きますか。(ロ)「黄金の祭壇の角の間から出る一つの声」は何を表わしていますか。(ハ)どうして四人のみ使いのことが述べられているのでしょうか。

      2 第二の災いの源は何でしょうか。ヨハネはこう書いています。「そして,第六のみ使いがラッパを吹いた。すると,神の前にある黄金の祭壇の角の間から出る一つの声が,ラッパを持つ第六のみ使いにこう言うのが聞こえた。『大川ユーフラテスのところにつながれている四人のみ使いをほどきなさい』」。(啓示 9:13,14)黄金の祭壇の角から出る声にこたえ応じて,み使いたちが解き放たれます。その祭壇は黄金の香の祭壇のことで,その祭壇から取られた黄金の鉢の香は,以前に二度,聖なる者たちの祈りと結びつけられていました。(啓示 5:8; 8:3,4)ですから,その一つの声は,地上の聖なる者たちの一致した祈りを表わしています。彼らは自分たちが解放されて,さらにエホバの「使者」として精力的な奉仕を行なわせていただきたいと嘆願します。この「使者」という表現は,ここで「み使い」と訳されているギリシャ語の基本的な意味なのです。四人のみ使いがいるのはどうしてでしょうか。この象徴的な数は,それらのみ使いが地全体を網羅できるよう大変よく組織されていることを示唆しているようです。―啓示 7:1; 20:8。

      3 四人のみ使いはどのように「大川ユーフラテスのところにつながれて」いましたか。

      3 これらのみ使いはどうして『大川ユーフラテスのところにつながれていた』のでしょうか。古代のユーフラテス川は,エホバがアブラハムに約束された地の北東の境界でした。(創世記 15:18。申命記 11:24)それらのみ使いは神から与えられた自分たちの地,もしくは地的な活動領域の境界に拘束されていたようです。すなわち,エホバが彼らのために用意しておられた奉仕に十分携わるのを引き止められていました。ユーフラテス川はまた,顕著な仕方でバビロンの都と結びつけられており,西暦前607年にエルサレムが倒壊した後,肉のイスラエル人がその地に捕らわれて70年を過ごし,「大川ユーフラテスのところにつながれて」いました。(詩編 137:1)1919年当時,霊的なイスラエル人も同様に拘束され,つながれて,陰うつな状態に陥り,エホバの導きを求めていました。

      4 四人のみ使いはどんな使命を帯びていますか。それはどのように成し遂げられてきましたか。

      4 幸いにも,ヨハネはこう報告できます。「すると,その四人のみ使いがほどかれた。彼らは,人々の三分の一を殺すため,その時刻と日と月と年のために用意されていたのである」。(啓示 9:15)エホバは正確な時間厳守者で,時間表を持っていて,それを固守しておられます。ですから,それらの使者はなすべきことを時間通りに成し遂げられるよう,正確に予定通り解き放たれます。1919年に束縛状態から出て来て,業を行なう用意ができた彼らの喜びを想像してみてください! 彼らは単に人を責め苦に遭わせるだけでなく,最終的には「人々の三分の一を殺す」使命を帯びています。これは最初の四つのラッパの音によって告げ知らされた災厄と関係があります。それらの災厄は地や海,海にいる被造物,水のわき出るところや川,および天の光の源のそれぞれの三分の一を悩ませました。(啓示 8:7-12)四人のみ使いはそれ以上のことをします。彼らはキリスト教世界の霊的に死んだ状態を完全に暴露して『殺し』ます。それは1922年以来,今日まで続いてきたラッパによる宣言によって成し遂げられてきました。

      5 キリスト教世界に関して言えば,1927年に第六のラッパの音はどのように鳴り響きましたか。

      5 天のみ使いが第六のラッパを鳴らしたばかりであることを思い起こしてください。そのラッパの音にこたえ応じるものとして,年ごとに行なわれる,聖書研究者の一連の国際大会の六番目の大会がカナダ,オンタリオ州トロント市で開かれました。1927年7月24日,日曜日のその大会のプログラムは,53のラジオ局を結ぶ,それまでの最大規模の放送網を通じて放送されたので,この時に話された音信は恐らく何百万人もの聴取者に伝えられたことでしょう。まず,強力な決議文により,キリスト教世界の霊的に死んだ状態が暴露され,次のような招待が差し伸べられました。「この難局の時に,エホバ神は諸国民に対して『キリスト教世界』,もしくは『組織化されたキリスト教』を捨て去り,永久に放棄し,同世界から完全に離れ去るよう命じておられます。……諸国民は心からの専心と忠誠を専らエホバ神とその王と王国に示し[てください]」。この決議に続いて,「諸国民のための自由」と題する公開講演が行なわれました。J・F・ラザフォードは,ヨハネが次に幻の中で見る「火と煙と硫黄」にふさわしい,いつもの力強い話し方で,その講演を行ないました。

      6 ヨハネは次に見る騎兵隊をどのように描写していますか。

      6 「そして,騎兵隊の数は万の二万倍であった。わたしは彼らの数を聞いた。そして,わたしが幻の中で見た馬と,それに乗っている者たちの様子はこうであった。彼らは,火のような赤と,ヒヤシンスのような青と,硫黄のような黄色の胸当てを着けていた。馬の頭はライオンの頭のようであり,その口からは火と煙と硫黄が出ていた。これら三つの災厄によって人々の三分の一が殺された。その口から出た火と煙と硫黄のためである」― 啓示 9:16-18。

      7,8 (イ)この騎兵隊はだれの指揮のもとに大音響を立てて進みますか。(ロ)この騎兵隊は先に現われたいなごとどのような点で似ていますか。

      7 この騎兵隊は四人のみ使いの指揮のもとに大音響を立てて進んで行くようです。何という恐ろしい光景でしょう。もし,あなたがこのような騎兵隊の突撃の標的にされるとしたら,どのように反応なさるか想像してみてください! その様子を見ただけで,心は恐怖でおびえることでしょう。それにしても,この騎兵隊が先に現われたいなごと大変よく似ていることに気づかれましたか。いなごは馬のようでした。一方,騎兵隊の中には馬がいます。ですから,両方とも神権的な戦いに関係しています。(箴言 21:31)いなごにはライオンのような歯がありました。一方,騎兵隊の馬にはライオンのような頭があります。ですから,両方とも勇敢なユダ族のライオン,イエス・キリストと結びつけられています。この方は彼らの指導者,指揮官,ならびに手本であられます。―啓示 5:5。箴言 28:1。

      8 いなごと騎兵隊は両方ともエホバの裁きの業にあずかります。いなごはキリスト教世界に対する災いと破壊的な火を予示する煙の中から出てきました。一方,馬の口からは火と煙と硫黄が出ています。いなごには,義に対する不屈の専心によって彼らの心が守られていることを表わす鉄の胸当てがありました。一方,騎兵は,馬の口からほとばしる致命的な裁きの音信の火と煙と硫黄を表わす,赤と青と黄色の胸当てを着けています。(創世記 19:24,28; ルカ 17:29,30と比較してください。)いなごには責め苦を与える,さそりのような尾がありました。一方,馬には人を殺す,蛇のような尾があります! これは,いなごによって始められた事柄が,騎兵隊によって一層激烈な仕方で完全に遂行されることを示しているようです。

      9 騎兵隊は何を象徴していますか。

      9 それでは,この騎兵隊は何を象徴していますか。ちょうど油そそがれたヨハネ級の人たちが,『刺したり,痛めたりする』権威をもって,キリスト教世界に対する神からの復しゅうに関するエホバの裁きのラッパの音のような宣言を開始したのと同様,生きているその同じ人たちのグループは「殺す」業にも,すなわちキリスト教世界とその僧職者が霊的に完全に死んでおり,エホバから捨て去られ,永遠の滅びの「火の燃える炉」に入れられようとしていることを知らせる業にも用いられることが期待できるでしょう。実際,大いなるバビロンはすべて滅びうせなければなりません。(啓示 9:5,10; 18:2,8。マタイ 13:41-43)しかし,同世界の滅びの予備的な処置として,ヨハネ級の人たちはキリスト教世界の死のような状態を暴露するのに「霊の剣,すなわち神の言葉」を用います。四人のみ使いと馬の乗り手たちは,このように「人々の三分の一」を比喩的に殺す指図を与えます。(エフェソス 6:17。啓示 9:15,18)これは,王国をふれ告げる人々の畏怖の念を起こさせる集団が戦おうとして突撃する際,主イエス・キリストの監督のもとに物事が正しく組織され,神権的な指導がなされることを示唆しています。

      万の二万倍

      10 騎兵はどのような意味で万の二万倍もいるのでしょうか。

      10 この騎兵の数はどうして万の二万倍もいるということがあり得るのでしょうか。万は1万のことですから,万の二万倍は2億です。a 幸い,今や王国をふれ告げる人々は何百万人もいますが,その数は何億にはとても及びません! しかし,民数記 10章36節の次のようなモーセの言葉を思い起こしてください。「エホバよ,どうかお戻りください,イスラエルの千万のもとに」。(創世記 24:60と比較してください。)これは字義通りには,『お戻りください,イスラエルの幾千万のもとに』という意味だったようです。しかし,モーセの時代のイスラエルの人数はわずか二,三百万人でした。では,モーセは何を言おうとしていたのでしょうか。明らかにモーセは,イスラエル人が数えられるどころか,「天の星のように,海辺の砂の粒のように」数えられなくなることを考えていたことでしょう。(創世記 22:17。歴代第一 27:23)それで,モーセは「万」という言葉を用いて,特に明示されていない大きな数を指していました。ですから,「新英訳聖書」はこの節を,「お休みください,イスラエルの数えきれない幾千もの[民の]主よ」と訳しています。これはギリシャ語やヘブライ語の辞典にある「万」という言葉の二番目の「無数の群衆」,あるいは「群衆」という定義と合致します。―「セア編,新約聖書希英辞典」。ゲゼニウス編,「旧約聖書ヘブライ語-英語辞典」,エドワード・ロビンソン訳。

      11 ヨハネ級の人たちは,象徴的な意味にせよ,万になるには,何が必要だったでしょうか。

      11 とはいえ,なお地上に残っているヨハネ級の人たちの人数は,文字通り1万人より少なくなっています。どうして彼らを数え切れない幾千の騎兵になぞらえることができるのでしょうか。象徴的な意味にせよ,彼らが万になるには,増強される必要があったのではないでしょうか。確かにその必要があったので,エホバの過分のご親切により,彼らはその必要なものを受け入れました! それはどこから来ましたか。

      12,13 1918年から1935年までの歴史的などんな出来事が,ヨハネ級の人たちを増強するものとなった人々の源を示唆していますか。

      12 ヨハネ級の人たちは1918年から1922年にかけて,「現存する万民は決して死することなし」という幸いな見込みを苦悩する人類に差し伸べました。また,1923年には,マタイ 25章31節から34節の羊は神の王国の治める地上で命を受け継ぐことが知らされました。1927年の国際大会で発表された,「諸国民のための自由」と題する小冊子(英文)の中でも,同様の希望が差し伸べられました。1930年代の初期に廉直なヨナダブ(エホナダブ)級の人たちと,キリスト教世界の悲しむべき霊的な状態のゆえに「嘆息し,うめいている者たち」とは,地的な命の見込みを持つ,象徴的な羊と同一であることが示されました。(エゼキエル 9:4。列王第二 10:15,16)1934年8月15日号の「ものみの塔」誌(英文)は,現代の避難都市に逃れる道をそのような人々に教えて,こう述べました。「それらヨナダブ(エホナダブ)級の人たちは神のラッパの響きを聞き,警告に留意して神の組織に逃れ,神の民と交わってきました。彼らはそこにとどまっていなければなりません」。―民数記 35:6。

      13 1935年には,このヨナダブ級の人たちが米国ワシントン特別区でのエホバの証人の大会に出席するよう特に招かれました。5月31日,金曜日,J・F・ラザフォードはその大会で,「大なる群衆」と題する有名な話をし,その話の中で,啓示 7章9節(ジェームズ王欽定訳; 日本聖書協会発行,文語聖書)のこのグループがマタイ 25章33節の羊と同一であること,つまり地的な希望を抱く献身した人たちのグループであることをはっきりと示しました。その大会では,来たるべき事柄の前兆として,840人の新たな証人たちがバプテスマを受け,その大半が「大群衆」の者であることを表明しました。b

      14 大群衆は象徴的な騎兵隊の突撃に加わったでしょうか。1963年には,どんな決意が表明されましたか。

      14 この大群衆は,1922年に開始されて,1927年のカナダのトロント大会で特に強調された騎兵隊の突撃に加わったでしょうか。四人のみ使い,つまり油そそがれたヨハネ級の人たちの指導のもとで,確かにそうしてきました。1963年に世界を一周した「永遠の福音」大会で,それらの人々はヨハネ級の人たちと共に感動的な決議に加わりました。その決議文は,世界が「かつて一度も経験したことがないような,全世界を悩ます地震に直面しており,世界の政治上の制度や現代の宗教的なバビロンはすべて揺り動かされて粉砕される」ことを宣言しました。そして,「わたしたちは神のメシアによる王国と,神の敵にとっては災厄のようであっても,霊と真理をもって受け入れられる仕方で創造者なる神を崇拝したいと願う人々すべてを解放するために執行される神の裁きとに関する『永遠の福音』を引き続き,えこひいきすることなく,あらゆる国の人々に宣明いたします」という決意が表明されました。この決議は,地球を一巡して開かれた24の大会で,合計45万4,977人の大会出席者により熱意を込めて採択されました。それら大会出席者の優に95%を上回る人々は大群衆に属していました。

      15 (イ)2005年の時点で,大群衆は,エホバが野外で用いておられる働き人の総数の何%を占めていますか。(ロ)大群衆とヨハネ級の人たちとの一致は,ヨハネ 17章20節と21節のイエスの祈りの中でどのように表現されていますか。

      15 大群衆は災厄をキリスト教世界に注ぐ点でヨハネ級の人たちと無条件で一致していることを宣言し続けてきました。2005年の時点で,この大群衆は,エホバが野外で用いておられる働き人の総数の99.8%以上を占めています。その成員はヨハネ級の人たちと心から一致しています。イエスはこのヨハネ級の人たちに関して,ヨハネ 17章20節と21節でこう祈られました。「わたしは,これらの者だけでなく,彼らの言葉によってわたしに信仰を持つ者たちについてもお願いいたします。それは,彼らがみな一つになり,父よ,あなたがわたしと結びついておられ,わたしがあなたと結びついているように,彼らもまたわたしたちと結びついていて,あなたがわたしをお遣わしになったことを世が信じるためです」。油そそがれたヨハネ級の人たちはイエスの導きのもとで率先する一方,熱心な大群衆は全人類の歴史上最も破壊的な騎兵隊の突撃に彼らと共に加わります! c

      16 (イ)ヨハネは象徴的な馬の口や尾についてどのように述べていますか。(ロ)エホバの民の口は奉仕のためにどのように整えられてきましたか。(ハ)『その尾は蛇に似ている』ということに対応するのは,どんな事柄ですか。

      16 その騎兵隊には戦いのための装備が必要です。それで,エホバは何とすばらしい仕方でそれを備えてくださったのでしょう。ヨハネはそのことをこう述べています。「これらの馬の権威はその口とその尾にあるからである。その尾は蛇に似ていて頭があり,それによって損なうのである」。(啓示 9:19)エホバは,献身してバプテスマを受けた奉仕者たちをこの奉仕のために叙任されました。神はみ言葉を宣べ伝える仕方を神権宣教学校や会衆の他の集会や学校を通して,これらの奉仕者に教えてこられたので,彼らは「教えられた者たちの舌」をもって,権威ある仕方で話すことができます。神はその言葉を彼らの口に置き,彼らを遣わして,ご自分の裁きを『公に,また家から家に』知らせてこられました。(テモテ第二 4:2。イザヤ 50:4; 61:2。エレミヤ 1:9,10。使徒 20:20)ヨハネ級の人たちと大群衆は,何年もの間に配布した何十億冊もの聖書や書籍,ブロシュアーや雑誌に収められている,その尾に対応する,人を刺す音信を後に残してきました。『損なわれる』ことがエホバから来ることを知らされる敵対者たちにとって,それらの騎兵隊の数は確かに万の二万倍のように思えるでしょう。―ヨエル 2:4-6と比較してください。

      17 業が禁止されているために文書を配布できない国々のエホバの証人は,騎兵隊の突撃に幾らかでも加わっていますか。説明してください。

      17 この騎兵隊のたいへん熱心な分隊の一つは,エホバの証人の業が禁止されている国々の兄弟たちで成り立っています。それらの兄弟たちはおおかみのただ中にいる羊のように,『蛇のように用心深く,しかもはとのように純真で』なければなりません。兄弟たちはエホバに従順に従うので,自分の見聞きした事柄について話すのをやめるわけにはいきません。(マタイ 10:16。使徒 4:19,20; 5:28,29,32)それらの兄弟たちには公に配布する印刷物がほとんど,あるいは全くないので,騎兵隊の突撃に少しも加わっていないと結論しなければなりませんか。決してそうではありません! 兄弟たちにはその口と,聖書の真理を述べるのにそれを用いる,エホバからの権威とがあります。兄弟たちは非公式の方法で,しかも説得力のある仕方で真理について語り,聖書を用いる研究を設けて,「多くの者を義に導いて」います。(ダニエル 12:3)兄弟たちは強烈な内容の文書を後に残すという意味で,その尾で刺してはいないかもしれませんが,迫り来る,エホバの正しさを立証する日について,巧みに,また思慮深く証しをする時,象徴的な火や煙や硫黄が彼らの口から出ます。

      18 この騎兵隊は災厄をもたらす音信を載せた印刷物をどれほど多くの言語で,またどれほどの部数配布してきましたか。

      18 他の場所では,王国の文書が引き続きキリスト教世界のバビロン的な教理や方法を暴露し,同世界を比喩的に損なっていますが,同世界はそうされるに値します。このおびただしい人数の騎兵隊は最新の印刷方法を用いて,2005年までの68年間に地上の450以上の言語で,幾十億冊もの聖書や書籍,雑誌やブロシュアーを配布することができました。その部数は文字通り,万の二万倍のさらに幾倍にも達します。それらの尾は何という大変な刺し傷をもたらしてきたのでしょう。

      19,20 (イ)災厄をもたらすこの音信の特定の標的となってきたのはキリスト教世界ですが,同世界からはるかに離れた国々のある人々は,どのようにこたえ応じてきましたか。(ロ)ヨハネは一般の人々の反応について,どのように述べていますか。

      19 エホバは,災厄をもたらすこの音信で「人々の三分の一」を殺すことを意図されました。ですから,その特定の標的となってきたのはキリスト教世界です。しかし,その音信は,キリスト教世界の諸宗教の偽善が広く知られている,同世界からはるかに離れた国々にも達してきました。それらの国々の人々は腐敗した宗教組織が災厄で苦しめられているのを見た結果,エホバに一層近く引き寄せられてきましたか。まさしく多くの人々が引き寄せられてきました! キリスト教世界の影響を直接受けている領域の外の地域に住んでいる,柔和な愛すべき人々の間で,すぐにこたえ応じる人たちが見いだされてきました。しかし,ヨハネは一般の人々の反応についてこう述べています。「しかし,これらの災厄によって殺されなかった残りの人々は自分の手の業を悔い改めず,悪霊たち,また金・銀・銅・石・木でできた,見ることも聞くことも歩くこともできない偶像に対する崇拝をやめようとはしなかった。また,殺人,心霊術的な行ない,淫行,盗みをも悔い改めなかった」。(啓示 9:20,21)そのような悔い改めようとしない人々のいる世界の改宗が行なわれる訳ではありません。自分の邪悪な道をあくまでも進もうとする人々はすべて,エホバがご自分の正しさを立証なさる大いなる日に,エホバからの不利な裁きに直面せざるを得なくなります。しかし,『エホバの名を呼び求める者はみな安全に逃れることになり』ます。―ヨエル 2:32。詩編 145:20。使徒 2:20,21。

      20 ここで論じてきたことは第二の災いの一部分にすぎません。これから後の章で見てゆきますが,この災いが過ぎ去らないうちに,さらにほかの災いがやって来ることになっています。

      [脚注]

      a ヘンリー・バークレイ著,「黙示録に関する注解」は,「万の二万倍」という数に関してこう述べています。「これは膨大な数なので,文字通りの成就を見いだしようがない。これに続く描写は,この結論を支持している」。

      b 前の119-126ページや,エホバの証人が1932年に発行した,「証明」(英文)と題する本の第3巻,83,84ページもご覧ください。

      c いなごとは異なり,ヨハネの見た騎兵隊は,「金のような冠と思えるもの」を着けていません。(啓示 9:7)これは,今日,騎兵隊の大半を構成している大群衆が神の天の王国で統治することを望んでいないという事実と調和しています。

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