ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目96 3/8 24–26ページ
  • アメリカ・インディアンの古い伝統

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • アメリカ・インディアンの古い伝統
  • 目ざめよ! 1996
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • アメリカ・インディアン保留地を訪ねる
  • 原材料を集める
  • 工程
  • 独特の焼成工程
  • 粘土(ねんど)
    聖書に対する洞察,第2巻
  • マダガスカルの特殊な技術
    目ざめよ! 1991
  • 炉
    用語集
  • 「目ざめよ!」に救われた命
    目ざめよ! 2010
もっと見る
目ざめよ! 1996
目96 3/8 24–26ページ

アメリカ・インディアンの古い伝統

世界のどこへ行っても,その土地独特の伝統芸術があるものです。みやげ品店や骨董品店に行けば,大抵,絵や小立像,木彫りや土器その他の品物があります。そういうものを何か買って家に飾ってあるでしょうか。もしそうでしたら,その品物が実際にどこで作られたものかを調べてみてはいかがですか。それがよその国で作られたものであることが分かっても,驚くには当たりません。

これまで幾世紀にもわたって,職人たちは土器の底の部分に自分の名前の頭文字を刻んで,それがだれの作品であるかを示してきました。しかし今日では恐らく,手作りの品物ではなく,大量生産された品物であることを示すステッカーがはられたり,スタンプが押されたりしているでしょう。大量生産の同じ形の品物が受けるようになったため,伝統的な手作りの民芸品を見つけるのが段々難しくなってきました。それにしても,地方で作られる伝統的な品物は今でも見つけることができるでしょうか。

アメリカ・インディアン保留地を訪ねる

あるアメリカ・インディアンの友人たちを訪ねた時,私たちは,そういう品物が確かにまだ見つけられることを知りました。その友人たちは今でも彼ら独自の伝統的な芸術品を作っています。彼らはサンタクララのプエブロ・インディアンの人たちで,特にこの部族は,彼らの作る光沢のある黒い土器で知られています。それは世界で最も美しい土器の一つです。この部族の伝統的な土器は,米国南西部の多くの店にある,大量生産の品物とは大分違います。

友人のジョーとアニータは長年,伝統的な製法で土器を作ってきました。アニータは6歳のころ,母親と一緒に土器を作り始めました。ワシントン特別区にあるスミソニアン協会のアメリカ・インディアンの美術品の中に,アニータの作品が1点展示されています。

私たちがジョーとアニータの家に着いた時,ちょうど二人は新たに一窯分の土器を作ろうとしているところでした。ですから,私たちは土器の作り方を直接見ることになりました。私たちも以前,自分で土器を少し作ったことがありました。しかしその作り方は,型,懸濁液,窯などを使う現代的な方法でした。これから私たちが見ることになったのは,代々受け継がれてきた昔ながらの方法です。その工程には現代の科学技術は一切含まれていません。すべてのことをゼロから始めるのです。

原材料を集める

ジョーとアニータはまず原材料を集めなければなりません。私たちは彼らの小型トラックに乗り込み,二人が粘土を手に入れる丘の斜面に向かいました。それは保留地にあるので,その粘土は,サンタクララ・プエブロに住む2,400人ほどの部族の人々しか使えません。それらの人は大抵,1500年代にまでさかのぼる伝統的な方法で土器を作っています。車が丘の斜面に着くと,ジョーはつるはしを素早く手に取り,粘土層のある所へ向かいました。

その粘土層は丘の底のほうにあって,水平に伸びています。ジョーは脇を下にして横になり,粘土層をこつこつと掘って,れんがくらいの大きさの粘土の塊を切り取らなければなりません。この作業は危険を伴うことがあります。深く進めば進むほど,陥没を起こす危険が大きくなるからです。ジョーが六,七十キロの粘土を取り終えると,これはとても良質の粘土だと言いました。そして,私たちは帰る支度をしました。しかし私は,何回も取りに来なくてよいように,どうして一度に数百キロの粘土を取らないのだろうかと尋ねずにはいられませんでした。「それはインディアンのやり方ではないのよ」と,アニータは言いました。彼らは当面使うだけのものを地から取るのです。粘土はそのまま放置しておくと固くなり,大半は無駄になることがあるからです。

次に,白い砂を取るため,丘の別の斜面に行きました。それはずっとやさしい作業でした。バケツに一,二杯すくいさえすればよいのです。それから,私たちは家に戻りました。

工程

まず,粘土を二,三日,水につけておきます。それから,水簸を三,四回行ないます。砂の水簸も数回行なわれます。その後,ジョーは,ちょうどよい粘度になるまで粘土と砂を混ぜます。そのどちらも分量は一切計りません。重要なのは経験です。土器を焼き上げる際,土器が原形を保つようにするには,粘土の中に特定の量の砂が入っていなければなりません。多すぎても少なすぎても,つぼにひびが入ったり,欠けたりします。アニータは自分独りで土器を作り始めた当時,母親のところに粘土を持って行っては触ってもらい,砂が十分入っているかどうかを確かめてもらったものだと言いました。そのうちに自分でそれが分かるようになりました。

ジョーははだしで粘土と砂を,ちょうどよい粘度に練り混ぜました。これで,土器を作る用意ができたわけです。型は一切使いません。土器はそれぞれユニークなもので,一つ一つ手で成形されます。アニータは何時間もかけて一つの土器を成形し,それを別の所に置いて乾燥させます。そしてそれが生乾きの状態,つまり革ぐらいの硬さに固まると,手で紋様や線を彫ることができます。それから,完全に乾燥させるわけですが,湿度によっては,乾くまでに1週間ほどかかる場合があります。よく乾燥したならば,紙やすりをかけることができます。こうして,粘土素地は滑らかにされ,磨きをかける用意が整います。

磨きをかけるときには,川床にある滑らかな丸石を使って手で磨きますが,ちょうどよい度合いがあります。磨きをかけすぎても,あるいは磨きのかけ方が少なすぎても,焼成された土器には光沢が生じません。彩色は施されません。土器に独特の美しい光沢を与えるのは,この磨きをかける工程です。

独特の焼成工程

次は最後の段階で,土器の焼成です。そのために,友人は自分の家の庭で火を起こします。何と,ここでは窯を一切使いません。薪を真っ直ぐに立てて,その真っ直ぐな薪の上にさらに薪を載せて炉のようなものを作り,片方に土器を入れる開口部を設けます。それから,その炉に火をつけます。彼らは土器を入れるのにちょうどよい火の温度を経験から知っています。

土器が焼成されるとき,色は自然に赤くなります。ちょうどその時,ジョーは変わったことをします。何と,馬糞を火の上に積み上げたのです。こうすると,土器は黒くなります。酸素が減少すれば,粘土の中の赤い酸化鉄が化学変化を起こして黒い酸化鉄になるのです。もちろん,だれかが近くで黒い土器を焼成していれば,必ずにおいですぐにそれと分かります。

完成品は誇るに足る立派なもので,世界中の多くの人がその美しさを鑑賞します。そのような土器はもともと,家庭で使う様々な材料を貯蔵するといった実用的な目的で使われましたが,今でもそういう目的で使われている場所が世界には幾つかあります。しかし,一つの土器は私たちの家の飾りに使われるでしょう。そして,アメリカ・インディアンの古い伝統が今も守られているサンタクララ・プエブロを私たちが訪ねたことを誇らしげに語る記念の品となるでしょう。―寄稿。

[25ページの図版]

れんがくらいの大きさの粘土の塊を掘り出す

粘土素地を手で成形する

伝統的な炉で土器を焼成する

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする