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目ざめよ! 1989
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若い人は尋ねる…

人種偏見にどう対処できるだろうか

その博物館は二人の家からほんの数キロの所にありました。11歳になるその少年たちは入館料を払う分しかお金を持っていなかったので,歩いて行くことにしました。

目的の場所へ行くには,黒人と白人を隔てる町の境界線のようになっている広い通りを横切る必要がありました。二人は思い切ってその分離帯を渡りましたが,何事も起きなかったのでほっとした気分になり,夏の日差しを楽しんでいました。ところが,どこからともなく白人の若者が大勢集まって来ました。彼らは棒切れを振り回し,人種的反感を示す言葉を浴びせていましたが,「やつらをやっつけろ!」と叫んで二人のあとを追いかけ始めました。

人種偏見。これが世界的な問題であることはニュースの報道などからよく分かります。そのため,住宅とか雇用,医療などの面で差別されるという苦情は少しも珍しくありません。

ですからあなたも,遅かれ早かれ,人種偏見に直面するかもしれません。例えば,学校で偏見の被害者になり,人種的反感を示す言葉を絶えず浴びせられたり,教師から恩着せがましい扱いを受けたりする若者もいます。あるユダヤ人の若者は,「僕の先生は,教室で僕のことをばかにします。先生は昔ながらの偏見や考えを持ち出します。また教室で僕を完全に無視します」と言います。パメラという名の十代の少女は,「私の学校では,偏見はごくありふれた事柄です。集会のプログラムがある際には必ず,講堂の一方に黒人が座り,白人は反対側に座るからです」と述べています。

人種の異なる父母を持つ15歳のトレナは,偏見の板挟みになっているように感じることがよくあります。彼女はこう言います。「私が黒人の生徒とつき合うと,白人の生徒は,私は白人との交際を望んでいないと考えます。ところが,私が白人の生徒と交わると,黒人の生徒は,私が自分のことを黒人より優れていると考えているというふうに受け取るのです」。

偏見の犠牲になる人々の気持ち

もしかしたらあなたも,ある職に就く機会を閉ざされたり,希望校への入学を断わられたり,商店やレストランで失礼なことをされたり,さらには仲間からいやがらせをされたりした経験があるかもしれません。そういう経験のある人は,偏見は人を傷つけるということがよく分かります。17歳のルーシーは,「偏見には本当に腹が立ちます」と述べています。ルーシーはスペイン系なので,偏見がどれほど人を欲求不満にさせるかよく知っています。「たとえ学校でよく勉強して良い成績を収めても,決して認めてもらえないのです。白人の生徒が良い成績を取ると,先生はその子をほめます。しかし,いくら一生懸命がんばっても,白人でなければ,それもだめなのです」。

偏見に静かに耐えている若者もいます。十代のある黒人の少女は,「私の学校では,生徒はほとんどが白人ですが,私はみんなとかなり仲よくやっています。悪口を言われることも確かにあります。でも,もう慣れっこになったので,あまり気にしません」と言いました。

それでもある人たちは,他の人の辛らつな言葉や見下すような態度によって自尊心を踏みにじられてしまいます。ある若者はこう言いました。「私の父と母は人種が違っていました。私は大きくなるにつれ,双方の人種の人たちから見下されるようになりました。そのため,精神面でも感情面でも大きな痛手を被りました。時々自分の皮膚の色を恥ずかしく思ったのを覚えています」。

偏見に対処する

というわけで,人種偏見が激しい怒りを引き起こしたり,復しゅう心を抱かせたり,仕返しをしてやろうと思わせたり,果ては暴動を招くことさえあるというのは理解できることです。『単なる虐げが賢い者に気違いじみた行動を取らせることがある』と,伝道の書 7章7節は述べています。しかし,暴力的な改革運動は,様々な不公正に注意を喚起する ― 場合によっては救済策となる ― こともあるかもしれませんが,それがもたらす結果は,せいぜい一時的なものにすぎないことを歴史は示しています。それに,『憎しみは口論をかき立てます』。(箴言 10:12)ですから,憎しみに憎しみをもって応酬すれば,事態は必然的に一層悪化します。

「曲がっているものは,まっすぐにすることはできない」と,聖書は述べています。(伝道の書 1:15)人間による支配は,絶望的なほどねじ曲がっています。(エレミヤ 10:23)大々的な政治改革がなされたとしても,利己心や貪欲,自分を高めたいという欲望など,偏見の根本原因を取り除くことはできません。(ヤコブ 3:13-16; 4:1-3と比較してください。)箴言に,「たとえ,愚かな者を……突き砕いたとしても,その愚かさは彼から離れない」とあるとおりです。(箴言 27:22)ですから,体制に反旗を翻したところで,変わるものはほとんどありません。

では,若い人は偏見に出くわしたとき,どう反応すべきでしょうか。次に幾つかの提案を挙げてみます。

過度に反応しない。当然のことながら,過去の経験から敏感になっている人には,偏見めいたものがあると何にでも反応する傾向があるかもしれません。それでも,聖書は,「自分の霊にせき立てられて腹を立ててはならない。腹立ちは愚鈍な者たちの胸に宿るからである」と忠告しています。(伝道の書 7:9)それで,疑問のある場合には,相手の言動を善意に解釈するようにしましょう。実際に問題となっているのは人種ではないかもしれません。

偏見の本質を理解する。箴言 19章11節は,「人の洞察力は確かにその怒りを遅くする」と述べています。ある人たちは子供の時から偏狭な見方を植え込まれていることを理解するようにしましょう。(「目ざめよ!」誌の1988年11月8日号に掲載された,「どうすれば人種的偏見という感情を克服できるだろうか」という記事をご覧ください。)さらに,理解のある大人,たぶん両親と問題について話し合うのも助けになるかもしれません。

また,「全世界が邪悪な者の配下にある」ことや,サタンが人類を分裂させるために『不信者の思いをくらまして』いることも忘れてはなりません。(ヨハネ第一 5:19。コリント第二 4:4)人々の思いが隷従状態にあることを理解すると,全くの無知であるがゆえの振る舞いをする人々に対して同情の念さえ覚えるかもしれません。

『悪に悪を返さない』。人種的反感を見せつけられたり,人種と関係のある悪趣味の“冗談”を言われたりすると,感情がいら立つかもしれません。ターラという名の16歳の少女はこのように語りました。「私が通っていた学校は,生徒のほとんどが白人でした。みんなひそひそと ― しかしわたしが十分聞き取れるほどの声で ― 人種的反感を示すありとあらゆる事柄を話していました」。そういう時にはやり返してやりたいという気持ちに駆られるかもしれません。しかし,忘れないでください。人を傷つける言葉を口にする人たちは,身体的な危害を加えるための,あるいはもっとひどいことを言うための口実を得るよう,あなたが腹を立てて言い返すのを待っている場合が多いのです。『怒ることに速い者は愚かなことを行なう』という箴言 14章17節の言葉はまさに至言です。

ですから冷静さを保つように努力してください。「人々が話す事柄すべてに注意を払ってはならない」という,古代の賢いカウンセラーの言葉を覚えておきましょう。(伝道の書 7:21,今日の英語訳)ターラは以前のことを振り返って,「みんなの言うことを本気になって聞いていたら気が変になっていたと思います。でも,そのような話には耳を貸しませんでした」と言いました。それで,「悪に悪を返し」たいという衝動に負けないでください。(ローマ 12:17)聖書は,「愚鈍な者にその愚かさにしたがって答えてはならない。あなた自身もそれに等しい者とならないためである」と助言しています。(箴言 26:4)悪口を無視することによって『他のほほを向ける』のは臆病なのではなく,長い目で見れば,最も実際的な対応策です。(マタイ 5:39)そのうち,あなたを悩ましている人たちは自分たちの子供じみた行ないに嫌気がさすかもしれません。『まきがなければ火は消える』のです。―箴言 26:20。

はっきり話すべき時をわきまえる。不当な行為は何でも黙って忍耐しなければならないということではありません。『黙っているのに時があり,話すのに時があり』ます。(伝道の書 3:7)身を守る手段を講じるほうが賢明な場合もあります。それでターラは自分がいやがらせをされていることを両親に話しました。そのうちにターラは転校することができました。別の場合としては,人種の違いに関係した下手な冗談を言って絶えずあなたを悩ませる人がいるかもしれません。たぶんその人はそういう話がどれほど不愉快なものかを実際に理解していないのでしょう。親切な,そして冷静な態度で相手と問題を話し合うなら,その人はそれだけで言動を改めるかもしれません。

自尊心を失わない。もしだれかがあなたを見下すような態度を取ったとしても,神は『あなたの頭の毛まで数えて』おられ,あなたは神の目に貴重なものとみなされていることを決して忘れないでください。(マタイ 10:30)神を認めない若者たちの意見ではなく,神との強固な友情を築くことによって,自尊心を培ってください。(コリント第一 1:31と比較してください。)あなたの仲間が物笑いの種にするかもしれない,あなたの人種上の特徴は,『一人の人からすべての国の人を造られた』神の偉大な創造力を示すものなのです。―使徒 17:26。

もとより,人種偏見を持たない社会をもたらすことができるのはエホバ神だけです。エホバ神はまもなくご自分の天の政府を用いてそのことを行なわれます。(ダニエル 2:44)それまでの間は,最善を尽くして聖書の原則を守り,事態に対処するよう努めてください。人種偏見をなくすよう懸命に努力している人々と会える,エホバの証人の会衆での交わりを楽しんでください。つらい状況に面したときは,ためらうことなく天の父に助けを願い求めてください。年若いルーシーは,こう言いました。「私は偏見に対処するため,一生懸命に祈らなければなりません。でも,偏見に耐えなければならないときに祈りをささげると,エホバが共にいてくださるのが分かります」。

[14ページの図版]

人種偏見のため学校で無視されていると感じる若者もいる

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