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空の旅に対する正しい見方目ざめよ! 1970 | 4月22日
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機は各種のレーダーでキャッチされます。飛行機が空港から8キロに近づくと,精密スクリーンに写し出されます。スクリーンは二つに分かれており,一方は着陸進入角(滑走角度は3度),他方は滑走路(ローカライザー)に対する方位を示します。着陸の仕方には,着陸誘導装置による「無線誘導」と,計器着陸方式,いわゆる“盲目着陸”の二つがあります。しかしきびしい規則があって,雲高200フィート(約61メートル),視程800メートル以下の場合,着陸できません。
種々の規定,徹底した機体整備,緊急事態に対する備えなどから,飛行操作には高い標準が要求されていることがわかりますが,やはり人間の不完全さという要素を見過ごすことはできません。着陸の際,機体に破損を招いたにもかかわらず,幸いにも人命を失わずにすんだある不完全着陸に関し,こう報じられました。「視誘導装置が臨界限度以下を標示したにもかかわらず,管制官が,下降を続けるようにと誤って指示したため,不完全着陸が起きた」。乗客にとって幸いなことですが,こうした事態はめったに生じません。
正しい見方
主要な航空会社は空の旅の遭難事故を少なくするため,最善の努力を尽くしています。事実,専門の故障検査員を置いて,性能に不備な点があると,もれなく究明させ,どんなにささいな点でも,基本的な欠陥がある場合はそれを是正するという努力を払っています。これはひいては会社の利益につながります。ある航空会社は飛行前点検,つまり着陸用ギア・タイヤその他の点検を十四,五時間おきに行ない,それ以外の点検はもう少し間隔を置いて実施し,3,500飛行時間ごとにジェット・エンジンの徹底的な分解整備を行なっています。
一方,不完全な人間が不完全な機械を用いて運航予定を維持している以上,たとえ高い規準を設けて航空業務を運営したところで,なんらかの支障が生ずるのではないかと心配する向きもあります。そのうえ,操縦士の場合に見られるとおり,人間の限界の問題もあります。たとえ例外的であるにしても,操縦上の誤りによる事故の記録もあります。
結論として,空の旅は決して事故を伴わないという保証はありませんが,他の輸送手段に比べて,飛行機による旅行は危険率の最も低いものであることが知られています。飛行機に乗ったことのない人は,機上で事故が生じた場合,絶望感に襲われはしまいかと心配します。しかし,汽車が脱線した場合,あるいは車の前方のタイヤがパンクしただけでも,同じような絶望感に陥るのではありませんか。
真のクリスチャンはどんなに危険な事態に直面しても,あるいはそれが昨今の大都市の路上であっても,すべてを神にゆだねています。しかしいたずらに,あるいは不必要に自らを危険にさらそうとはしません。また,わが家は絶対に安全だという極端な考えを持つこともありません。
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神のみことばの持つ力目ざめよ! 1970 | 4月22日
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神のみことばの持つ力
◆ 神のみことばの導きに従って歩めば,その力に助けられ数多くの問題を克服することができます。ダホメーに住む,エホバの証人のひとりの全時間奉仕者は,このことを証明するつぎのような経験を寄せました。戸別訪問による伝道に携わっていたその奉仕者は,関心のある男の人に会いました。ところが,ふたりが聖書について話し合っていると,別の男の人がやってきて,関心のあるその男の人をなぐりはじめたのです。しかし,関心のあるその男が2番目の男の妻を奪ったばかりであることを知った奉仕者は,けんかをやめて,そのような問題に関する聖書の教えを調べてはどうかとふたりに提案しました。ふたりはようやくその提案に同意し,奉仕者は,だれも夫婦を引き離してはならないという聖書の教えを説明することができました。相手の妻を奪ったその男は,自分のあやまちを認め,その妻を相手に返しました。それからこのふたりの人の家でそれぞれ聖書研究が行なわれるようになりました。ふたりとも深い興味をいだき,最初に真理を聞いた人の妻とともに,数週間後には,集会に定期的に出席するようになりました。現在,このふたりは次の巡回大会でバプテスマを受ける準備をしています。聖書の賢明な助言に心を留める人は,確かに平安を見いだします。
― エホバの証人の1970年度年鑑から
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