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目ざめよ! 1970
目70 4/22 9–12ページ

空の旅に対する正しい見方

アイルランドの「目ざめよ!」通信員

飛行機で旅行することをあなたはどう考えておられますか。他の交通機関を利用する旅行と同様に考えていますか,それとも空の旅には恐怖感をもっておられますか。飛行機で旅行する予定をたてたのに,出発まぎわになって,予定を変えたことがありますか。なぜそのような恐怖感を持たれますか。飛行機事故のニュースのためですか。では,汽車や自動車の事故を聞いても同じ気持ちになりますか。

今日,飛行機で旅行する人は大ぜいいます。その数は1967年には2億3,600万に達しました。したがって,一般に見られる,空の旅に対する恐怖感の問題を取り上げ,その根拠を検討し,飛行機旅行が他の輸送機関を利用するものより危険かどうかを確かめるのは時宜を得た事柄と言えるでしょう。

飛行機の旅を不利にさせるものに,新聞その他で報じられる墜落事故があります。事故が起きると,調査団が組織されて事故を究明し,後日,調査結果を発表します。ご承知のとおり,人間も,また機械装置も決して完全ではありません。組み立て作業中のわずか一度の不注意が機体に欠陥を生じさせ,やがて悲惨な事故がもたらされるかもしれません。操縦士も人間ですから,突然,しかも飛行中に病気をしないともかぎりません。したがって,恐怖感を持つのが当然だとする人もいます。

問題の明るい面

初めての空の旅をする人にとって,事前の空港見学はたいへん勉強になるものです。ここでまず考えられるのは,旅客機の点検・整備です。離着陸する飛行機を見ていると,当然幾つかの疑問がわいてくるでしょう。たとえば,着陸の際,車輪とタイヤに相当の圧力がかかることから,そこに危険がひそんでいないだろうかと考えるかもしれません。タイヤの破裂や車輪の損傷はこれまでにもありました。では,この種の危険をどうすれば少なくできますか。2個一組の主車輪の一方に損傷を受けながら,無事着陸できたバイカウント機に関する,1967年4月18日付,アイルランド・タイムズ紙の次の報道をお読みください。「バイカウント機の機台は,主車輪の一方が作動しさえすれば,安全に着陸できるだけの抵抗力を持っているが,これは注目に値する」。

一方,タイヤの製造会社は独自の仕方で,タイヤの摩耗を見分けることができ,タイヤを取り替える時がわかるようになっています。普通,着陸回数150回ごとに取り替えられています。

機台の金属部と連接部にはとくに相当の荷重がかかるので,飛行機の設計および製作に際してこの点は十分考慮されています。金属部の疲れや,目に見えないき裂や欠陥を探知するには,超音波やX線が用いられています。しかし1968年7月,英国ロンドンのヒースロー大空港で墜落した機体の一部に,そうした金属部の疲れが発見されました。しかし厳重な検査が行なわれているので,こうした事故は最少に食い止められています。

整備用格納庫内には,飛行機のエンジンはもとより,水力・電気・機械部品を点検する部門があります。また,それぞれ高い技術水準を持つ溶接部門・研究室・調査室もあります。なに一つとしていいかげんに扱われることはありません。部品はすべて厳重な点検を受け,「耐久年限」つまり使用に耐える一定期間が定められ,その期限が来ると,たとえ正常であっても取り替えられます。

整備のためになされたことは,一機ごとにすべて記録されます。こうして,機体の一部がその「耐久年限」前に取り替える必要のある場合,ほかにも問題点がないか,他の部品が関係してはいないかなどをすばやく点検できます。その結果,問題の欠陥は,その部品を使用している機体すべてに見られるものか,あるいはその機体だけの問題かがわかります。部品の早期故障のために墜落事故が起きた場合,他の飛行機の運航を停止して,機体の徹底的な点検を行ないます。したがって正確な記録の保持が肝要です。

整備格納庫の別の場所では,エンジンの一部が取りはずされ,点検されているのを見かけます。テスト装置は,実際の飛行時同様の状態を作り出します。飛行機が一度離陸すると,途中でエンジンを取りはずして調整することは不可能だからです。そのうえ,ある部品はその大きさのために,機体に取りつけたままで点検し,その後,取りはずして調整するとなると,かなりの時間の浪費になるからです。

しかし飛行中にエンジンが故障したらどうなるのかと心配する人もいます。もしエンジン圧力計に変動が現われると,損傷の広がりを食い止め,むだな修理費をかけないようにするため,エンジンを止めることができます。1968年5月,あるジェット旅客機はそうした故障を起こしましたが,3基のエンジンで無事着陸し,乗客135人は事なきを得ました。エンジン3基で着陸するのは,決して異例なことではありません。

救命装備

どの飛行機にも救命装備が万一の際,直ちに使えるよう整えられており,定期的に点検されています。食糧や救命燈を備えた,すぐにふくれるいかだもあります。小さな容器に収められた救命用パラシュートは最善の状態に保たれていなければなりません。ほんの数秒間が生死を左右することがあるからです。万一の場合,それは,ハンドルを引くだけで自動的に開きます。救命装備を取り扱う係が,重大な責任を負っているのも当然です。

赤ん坊のための特別な救命用具もあります。それは小型のいかだで,赤ん坊を風雨から守るため,おおいがつけられており,また流れ去らないようにするつなもついています。いかだが海面に着水すると,特殊な電池が働いて,いかだの上部の照明をともすように仕組まれています。

陸上あるいは海上を問わず,万一不時着する場合,どう行動すべきかに関しては,塔乗員がきびしい訓練を受けていることを心にとめてください。すっかりあわてて勝手に行動することを避け,緊急事態に対処する指示に注意を払って,機長や塔乗員によく協力するのが最も賢明です。

飛行中に操縦士が卒中や心臓発作を起こしたらどうなるのだろうか,と心配するには及びません。そのような場合,副操縦士が直ちに操縦の任に当たり,目的地まで運航できるよう訓練されているからです。そのうえ,操縦士の退職年齢は比較的低く,若くても定期的に健康診断を受けなければなりません。

航空交通管制

事情を知らない人は,一度飛び上がれば,操縦士は航路を自由に選んで操縦するのだから,他の飛行機と衝突する危険があるのではないかと考えるかもしれません。では,航空交通管制について考えましょう。これは,操縦士・始発空港・予定の航路に関係のある他の空港間の連続調整を管理する業務です。

出発に先立って,操縦士は飛行計画を作成し,目的地・航路・巡航高度・燃料積載量(目的地に到達するに必要な量に加えて,規定量の余分の燃量も含む)その他の事項をしるし,航空交通管制局に提出します。管制局の認可を得て初めて飛行できるのです。運航に際し操縦士は,その飛行計画に忠実に従います。飛行中,飛行計画になんらかの変更を加える場合には,まず航空交通管制局に連絡して許可を得なければなりません。機上と管制局間の通信連絡は超短波ラジオで行なわれます。

離陸後直ちに所定の航空路にはいります。これは車で所定のコースを走るのと同じです。航空路は普通幅10マイル(16キロ)で,それぞれ番号が付されており,操縦士は所定の空の通路内を飛んで航行の安全を図ります。たとえばアイルランドのダブリンからロンドンに向かう場合,一直線にロンドン空港へ飛ぶのではありません。まず,航空路「青の一番」に沿って東進し,マンチェスター付近で機首を転じ,航空路「こはくの一番」に沿って東南に飛び,ロンドン空港に達します。しかし航空路「青の一番」に沿って飛び続けるなら,オランダのアムステルダムそしてオーストリア,ザルツブルクへ行ってしまいます。この地域の航空路はカラー方式で,それぞれ色分けされています。

飛行中,航路を確認・是正する助けとして,地上には種々の“ファンマーカー”(電波位置標識装置)やラジオ・ビーコン(無線標識)が設置されています。しかし最近,もっと正確な標識として全方向無線標識が一般に使用されています。この方式では,標識からの電波がレーダーに現われるので,操縦士は一目で進路の経度および緯度を知ることができます。計器面に所定の数字が現われているかぎり,予定のコースを飛んでいるのです。この装置は,飛行機が風で流される場合でも,その位置の変化を自動的に計算します。また,機上のあるいは地上のこの装置に異常があれば,機上の計器盤に異常信号がつき,航空交通管制局では非常警報が鳴ります。

進路だけでなく,巡航高度も大切です。空の通路は,何千フィートもの深さに達し,各巡航高度に要するのは1,000フィート(約300メートル)で,これを巡航高度と言います。また,東回りの航空路は奇数番号の,西回りは偶数番号の高度通路に区別されています。高度は高度計ではかります。

高度計は機体の上部の気圧をはかり,地上からの高度を表示します。しかし気圧は場所によって違うので,操縦士は高度計を正確に調節しなければなりません。その調節を誤ると,特に丘陵で囲まれている空港に着陸する際には,たいへん危険です。そうした空港の上空では,正確な高度を知らねばなりません。8,000メートルの高空では,巡航高度は2,000フィート(約600メートル)あります。高空では気圧が低くなり,高度計の正確さが減少する場合があるためです。

気圧の変化の問題に対処するため,機上では1,013.2ミリバールが標準気圧とされていますが,離着陸に際しては,最新の気圧情報が空港側から操縦士に通達されます。

着陸態勢にはいる

さて,空の旅で次に当然考えられることは着陸です。飛行計画は事前に提出されているので,到着時刻はすでにわかっています。そして予定の飛行機が空港から100ないし130キロの地点に飛来したころから,レーダーはそれをとらえます。もし到着が遅れると,警戒態勢が取られ,万一の場合に備えて,敏速に行動に移れるようにします。その後,到着機は各種のレーダーでキャッチされます。飛行機が空港から8キロに近づくと,精密スクリーンに写し出されます。スクリーンは二つに分かれており,一方は着陸進入角(滑走角度は3度),他方は滑走路(ローカライザー)に対する方位を示します。着陸の仕方には,着陸誘導装置による「無線誘導」と,計器着陸方式,いわゆる“盲目着陸”の二つがあります。しかしきびしい規則があって,雲高200フィート(約61メートル),視程800メートル以下の場合,着陸できません。

種々の規定,徹底した機体整備,緊急事態に対する備えなどから,飛行操作には高い標準が要求されていることがわかりますが,やはり人間の不完全さという要素を見過ごすことはできません。着陸の際,機体に破損を招いたにもかかわらず,幸いにも人命を失わずにすんだある不完全着陸に関し,こう報じられました。「視誘導装置が臨界限度以下を標示したにもかかわらず,管制官が,下降を続けるようにと誤って指示したため,不完全着陸が起きた」。乗客にとって幸いなことですが,こうした事態はめったに生じません。

正しい見方

主要な航空会社は空の旅の遭難事故を少なくするため,最善の努力を尽くしています。事実,専門の故障検査員を置いて,性能に不備な点があると,もれなく究明させ,どんなにささいな点でも,基本的な欠陥がある場合はそれを是正するという努力を払っています。これはひいては会社の利益につながります。ある航空会社は飛行前点検,つまり着陸用ギア・タイヤその他の点検を十四,五時間おきに行ない,それ以外の点検はもう少し間隔を置いて実施し,3,500飛行時間ごとにジェット・エンジンの徹底的な分解整備を行なっています。

一方,不完全な人間が不完全な機械を用いて運航予定を維持している以上,たとえ高い規準を設けて航空業務を運営したところで,なんらかの支障が生ずるのではないかと心配する向きもあります。そのうえ,操縦士の場合に見られるとおり,人間の限界の問題もあります。たとえ例外的であるにしても,操縦上の誤りによる事故の記録もあります。

結論として,空の旅は決して事故を伴わないという保証はありませんが,他の輸送手段に比べて,飛行機による旅行は危険率の最も低いものであることが知られています。飛行機に乗ったことのない人は,機上で事故が生じた場合,絶望感に襲われはしまいかと心配します。しかし,汽車が脱線した場合,あるいは車の前方のタイヤがパンクしただけでも,同じような絶望感に陥るのではありませんか。

真のクリスチャンはどんなに危険な事態に直面しても,あるいはそれが昨今の大都市の路上であっても,すべてを神にゆだねています。しかしいたずらに,あるいは不必要に自らを危険にさらそうとはしません。また,わが家は絶対に安全だという極端な考えを持つこともありません。

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