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虫垂は有用な器官ですか目ざめよ! 1970 | 4月22日
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ば,寒気にさらされると虫垂炎になるという医者もいます。しかし,虫垂は栄養物が通る消化管の一部をなしていますから,虫垂炎は食生活と関係があるに違いありません。このことから,ボイドの著わした「病理学」という本は次のように述べています。
「この病気は文明国や都会に多いが,遠隔の農村の人々や未開人の間にはほとんどみられない。ヒマラヤ高原の原住民の治療に当たったマッカリソンは,9年間一度も虫垂炎の治療をしなかった。原住民の食物にはせん維質が豊富に取り入れられており,人々はこの病気に対する免疫性を備えている。しかしその免疫性も,文明人のような食事を取りはじめると失われる。これに類した多くの事実から判断すると,虫垂炎にかかりやすい体質は生活様式,なかでも食生活と重要な関係をもっていることがわかる」。この説明から明らかなように,メリケン粉や白砂糖などを使った,精製された食べ物が病因となっているのかもしれません。
病因に関係あるものとして,職業形態を調べることができます。すわってばかりいるような仕事をしていると,運動不足になり,ついには慢性の便秘を起こすことがあります。刺激性の強い下剤を使用する人の間には,特にこの傾向がみられます。しかし,昔考えられていたように,ぶどうなどのくだものの種が虫垂炎の原因になることはけっしてありません。現代の医学はこの考えを事実無根としています。たとえば,H・W・ヒル博士は次のように述べました。「虫垂切除の際,ぶどうの種に出会ったことはまだ一度もない。ぶどうの種を飲み込む人はおおぜいいる。そして虫垂炎になる人もいるだろう。しかし,ぶどうの種を食べたからというわけではない」。
手術が必要かどうか,はっきりしないことが多いため,次のような療法が勧められています。安静,絶食,下剤はいっさい使用しないで,その代わりにかん腸を行なう。温・冷圧定布をあてれば良いという人もいます。痛みを軽くするのに氷あん法が役にたつかもしれません。抗生物質などの使用による薬物治療は推奨できません。ただし,痛みが治まらない場合はただちに診療を受けるよう医師は勧めています。
虫垂が無益でないことを示す証拠は,ふえています。最小の臓器の一つでありながら問題を起こしがちであることには,疑問の余地がありません。虫垂は破れると腹膜炎を起こすおそれもあり,その場合,生命を失う危険もありますから,疑わしいときには手術を受けるのが安全でしょう。
しかし,古いことわざに,「ころばぬ先のつえ」とあるとおり,すわりがちな仕事をしている人は,できるだけ運動してください。また,精製されていない小麦や米などのように,せん維質を含む自然食品をじゅうぶんにとってください。それから,くだものと野菜をたくさん食べることは,言うまでもありません。この二つのことに注意すれば,虫垂が炎症を起こすことはまずないでしょう。
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直理を学んだかつての牧師目ざめよ! 1970 | 4月22日
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直理を学んだかつての牧師
● 南アフリカのナザレ・バプテスト教会の69歳になる牧師は,1920年以来,宣教者として奉仕し,また南アフリカ各地の会衆はもとより近隣の国々に年2回は講演者として招かれています。この牧師が真理に接し,「失楽園から復楽園まで」と題する本を用いて家庭聖書研究が始まりました。正しい心を持つこの人は,自分の属する教会の教えと真理との大きな相違を認め,家族の者全員に自分とともに研究するよう勧めました。やがて1968年12月までに意を決した彼は,「失楽園から復楽園まで」のほか,いく種類かの小冊子などを多数注文し,最後の説教に際して,その教会の会員にそれらの出版物を勧め,とこしえの命に至る道を見いだしたので教会を去ることにしたと語りました。また,それまでしばしば説教してきた各地の会衆や近隣の国々の諸会衆すべてを訪問しました。この人は昨年2月,エホバ神に献身し,その後の巡回大会でバプテスマを受けました。その家族も,彼とともに御国の良いたよりの伝道に携わっています。娘たちは神権宣教学校にはいっており,一家全員が真理にあって良く進歩しています。
― エホバの証人の1970年度年鑑から
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