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  • 相対性理論とはなんですか
  • 目ざめよ! 1970
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  • 宇宙空間
  • 特殊相対性理論
  • 一般相対性理論
  • 重力は間隔を遅らせる
  • 光線の屈曲現象
目ざめよ! 1970
目70 4/22 20–23ページ

相対性理論とはなんですか

はるかかなたの宇宙空間をロケットで飛行していると仮定しましょう。その場合,あなたはロケット速度と方向をどのようにして測定しますか。

これは地上ならば,容易なことです。100キロ離れている2地点を,1時間で走る自動車の時速は100キロです。確かめたいなら,その距離を測ることさえできます。つまり地上には測定できる具体的なもの,たとえば車がその上を走る地面があります。また車の回転は速度計に現われるので,自動車の速度はいつでも測定できます。

飛行機の場合,地球を測定基準にできるうえ,飛行速度計を使えます。速度計は気圧を基準としており,飛行速度をいつでも計算できます。また月に旅行する宇宙飛行士も,地球を基準にして飛行速度を測定しながら,月までの距離や所要日数を調べられます。したがって見慣れた物体が目のとどくところにあるかぎり,方位と速度の測定は可能です。

宇宙空間

しかし,地球も,月も,惑星も,太陽も見えない宇宙空間ではどんなことになりますか。空気が存在していないのですから,普通の速度計もまったく役にたちません。

たとえば,宇宙空間にあるロケットの窓から,流星体が通り過ぎるのを見たとしましょう。これは,流星体のほうがロケットよりも速く飛んでいる,という意味ですか。当然です,と簡単にお答えになるかも知れません。しかし,もう一度考えてください。むしろ,ロケットは静止していて,流星体が飛んでいるのではありませんか。あるいは,静止しているのは流星体で,ロケットは実際には後方に向かって飛行している,と考えられませんか。両方とも後方に飛んでいるが,ロケットの後退速度が流星体のそれよりも大である,という仮定も成立しませんか。そういえば,宇宙空間では前後の違いがわかるでしょうか。

宇宙空間における運動を測定することがどんなに複雑な問題か,これでおわかりでしょう。つまり,運行する物が相対関係を結ぶことのできる,ある物体が必要なのです。したがって,宇宙空間における運動はすべて相対的であり,他の何かに比較して,遅速・前後などの測定が成立するのです。これが相対性理論の原理になっています。

特殊相対性理論

この理論を数式や実験によって究明できる公式を,1905年に初めて発表したのはアルバート・アインシュタインです。かれの理論は次の原理を含んでいました。(1)運動はすべて相対的であり,物体の速度と方向は,他の物体との関係においてのみ測定しうる。(2)真空中の光の速度は一定不変の値をもつ。光の速度は秒速約29万9,000キロで,光源の動きには無関係である。

これを例で説明しましょう。時速80キロで走っている列車の中で,通路の前方にボールを投げたとします。そのボールが1時間30キロの速度で飛ぶ場合,ボールを投げた人および座席に着いている人に対するボールの速度は,時速30キロです。

しかしいま,列車の外の線路わきに人が立っていて,ボールが飛ぶさまを列車の窓越しに見ることができるとします。その人に対するボールの速度はどれほどですか。答えは,列車の速度も加算されますから,時速110キロです。このようにボールの速度は相対的であり,観測者によって異なります。

しかしボールを光と置き換えるなら,事情はまったく違ってきます。たとえば,列車が秒速16万キロで走っているとして,その通路の前方に向かって光を照らしたとします。その場合の光の速度はどれぐらいですか。答えは,列車の中にいる人にとっては,光の速度である秒速29万9,000キロ,とおっしゃるかもしれません。では線路わきに立っていた人の場合はどうですか。ボールの場合と同様,列車の速度(秒速16万キロ)に光の速度(秒速29万9,000キロ)を加えればよいのだから,その和つまり45万9,000キロが答えだ,と考えるかもしれません。

しかしそれは正解ではありません。まったく不思議な現象ですが,列車の速度をどんなに増しても列車の中の光の速度を増すことはできないのです。その光は発光源の速度に影響されませんから,線路わきの観測者を秒速29万9,000キロの速度で通り過ぎていきます。光より速いものがないとは言い切れませんが,今日まで科学者が宇宙で観測しえた速度の中では,光速度が極限値とされています。

すべての運動は相対的である。光速度は光源の速度に影響されない。以上の2点が特殊相対性理論の原理となっています。

もちろん,特殊相対性理論は前述の説明のように簡単なものではありません。それは光・エネルギー・質量の相関関係を定義しています。計算からE=mc2という有名な公式が導き出され,この公式が原子爆弾の原理となりました。特殊相対性理論が一般的に当てはまることは,原子爆弾の爆発により,疑問の余地のないものになりました。

一般相対性理論

しかし,速度と方向が変化する場合,何がその原因となっているのですか。天体の運動は他の天体の重力場からどんな影響を受けますか。重力場の強い恒星や惑星を通過する光は,どのような作用を受けますか。

1916年,アインシュタインは,一般相対性理論を提唱しました。その中でかれは,速度と方位が変化する可能性を発表し,その変化は特に重力の目に見えない作用によるものであることを明らかにしました。

数学者による一般相対性理論の解説を読むと,その複雑さに驚かされます。「物理学の新分野」と題する本には次のように書かれています。この理論を説明するためには,「10対の連立微分方程式が必要であり,各方程式は威圧せんばかりの驚くべき構造をしており,それを表現するには,見たこともないような記号をぎっしりと書き連らねばならない」。ですから,相対性理論がむずかしいからといって,驚くにはおよびません。科学者にとってもそうなのですから。

この理論からアインシュタインは,ほかにも興味深い推測を行なうことができました。その一つは,自然の時間的間隔に及ぼす重力の作用です。

重力は間隔を遅らせる

自然の時間的間隔と言っても,特に,安定した測定可能な速度で放射線を放出し,周期的な振動をする原子,すなわち原子「時計」のことを言っています。原子「時計」は,今日用いられている機械時計よりもはるかに正確です。

一般相対性理論に基づく推測によると,原子の周期的な放射作用といった自然の時間的間隔は,「重い」天体ほどおそくなります。たとえば,原子の放射線放出速度は地球よりも太陽のほうがおそくなります。その理由は太陽の質量,あるいは「重量」が地球よりも大きいからです。

このような推測を証明することは容易なことではありませんが,密度の高い天体からの原子の放射線放出速度の相違を測定した結果,アインシュタインの結論が概して正しいとする手がかりが得られました。「重量」とも言われる質量の大きい惑星や恒星では,重力が強いために地球よりもそうした間隔がおそいと考えられます。

この理論から導き出された別の興味深い結論は,重力が光線を引きつけ,その経路を曲げうるということでした。

光線の屈曲現象

アインシュタインは,物質の分子が重力に引きつけられるのと同じく,光線も強い重力場の影響を受けて偏移し,屈曲することを計算で示しました。

その検証のために大がかりな実験が必要でした。英国の二組の天文観測隊が二つの異なった地点から,あらかじめ定めてあった星の位置を写真に写しました。その後,同じ二つの地点から,今度は太陽がその星と地球の間を通過するところを,撮影しました。星の光線が太陽のそばを通過するとき曲げられていたなら,それは写真に位置の変化となって現われるはずです。

アインシュタインは自分の理論を使って,光線の経路が1.75の角度だけ曲がると計算しました。二組の観測隊が写真のずれを測定した結果,角度の曲がりはそれぞれ1.98,1.6という値を得ました。これはアインシュタインの測定値と驚くほど近似しており,彼の理論の基本的仮定が正しいことを十分に証明するものでした。

重力が光線に作用することから,興味深い可能性が考え出されました。J・コールマンは自著「一般人のための相対性理論」の中で,その可能性について次のように述べています。「光が全然逃げられないほど強い引力を持つ星は,どれぐらいの質量を持つであろうか。この問題について推測してみるのは興味深い。太陽と半径が同じ星の場合,太陽の質量の約40万倍の質量がなければ,そのようなことは起こりえないだろう。もしそのような星が存在するとしたなら,その距離が地球にどんなに近くても,またその輝きがどんなに強くても,けっして見ることはできないであろう」。

ほかにも興味をひく可能性が,一般相対性理論から導き出されました。その結果,わたしたちの住んでいる宇宙の,いろいろな現象が明らかにされました。これからも科学者は理論を数式で表現しつづけます。しかし,それに対する批判がないわけではありません。基本原理から公式を導入する代わりに,発見された事実に即する公式を考え出す科学者がいることに,主な批判が向けられています。宇宙の諸法則がさらにすぐれた公式で表わされるかどうかは,時間がたってみなければわかりません。

多くの理論の正否が実験で検証されたり修正されたり,またあるものは否定されたりするにつれ,一つの根本的な事実がいよいよ明らかになってきます。それは宇宙が壮大な調和を保っているということです。アインシュタイン自身も次のように語ったことがあります。「現代の物理学は過去の物理学より簡単である。………外界の描写が簡明化され,その結果多くの事象が包括的に説明可能となるにつけ,宇宙の調和はますますわれわれの心を打つ」。

アインシュタインは晩年,統一場理論を提唱しました。それは一対の物理法則で表わされ,宇宙空間および原子内で起こる事象を包含します。その理論は,宇宙に存在する基本的な力が相互に関係を持っていること,むしろ不可分であることを明らかにしています。宇宙とその全部分が一体として説明されたのです。統一場理論についてリンカーン・バーネットは,「宇宙とアインシュタイン博士」と題する本の中で次のように述べました。「一見すると複雑窮まりない宇宙の姿が,深遠な簡素さに取って代わられた。………つまり,宇宙に対する人間の知覚と現実に対する人間の抽象的な直覚とが,ことごとく一つに結集するに至った。そして,宇宙の根底に横たわる統一性が明らかにされた」。

真実に賢明で謙虚な人は,そうした壮大さや調和の源を認めます。秩序を保つものが,偶然に存在するようになることはありませんから,設計者であり造り主なるかたがその背後に存在するはずです。昔の詩篇作者はその源を認めて,次のように語りました。「もろもろの天は神のえいこうをあらわ(す)」。使徒パウロも次のように述べました。「家はすべてこれを造る者あり,よろずの物を創り給いし者は神なり」。―詩 19:1。ヘブル 3:4。

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