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目ざめよ! 1971
目71 4/8 23–27ページ

共産主義の国々で信仰のために戦う

イエスはご自分の追随者に,「あなたがたは……地の最も遠いところにまでわたしの証人となるであろう」と言われました。(使行 1:8,新)今日,地上には,西ブロック,および,いわゆる「中立」ブロック,さらに「共産主義」ブロックの国々が存在しており,イエスを証し,またイエスのみ父であるエホバの大いなる目的を銘記している真のクリスチャンは,神の平和な王国の音信を,地の最も遠いところにまで携えて行きます。この王国の伝道が,信仰の欠如したキリスト教世界や,日本とか韓国とかといったアジアの国々で成功を収めていることはよく知られていますが,共産主義の国々についてはどうでしょうか。そうした国々での伝道活動は,迫害や困難な状況のもとでどのように行なわれているのでしょうか。

「エホバの証人の1971年度年鑑」は,王国の音信を自由に伝道できる国々における,エホバの証人の活動を報告した後,困難な状況下で行なわれている,他の国々での証人たちの経験を載せています。その大半は共産主義の国々であり,次のような報告が寄せられています。

王国の伝道者は世界じゅうで増加を続けてきましたが,エホバの証人が困難な状況のもとで奉仕する国々のすべてにおいても同様に,平均して増加が見られました。事実,6.5パーセントの増加が得られたのです。正確な報告を得るのは非常に困難ですが,1年問に,9,766名の,新たに関心を持った人々がエホバの意志を行なう献身を表わして,バプテスマを受けたとの報告を受け取りました。エホバのしもべが地上のどこにいようと,彼らの上にエホバの聖霊が働くのは驚くべきことです。次に掲げるとおり,困難な状況にあるエホバのしもべたちは,世界の他の地域における,エホバの目に見える組織と密接な連絡ができないにもかかわらず,なんとか霊的な食物を手に入れています。そして,当然のことですが,神の王国の良いたよりを宣べ伝えたいという,心底からの願いをいだいています。ほんとうに困難な国々で働く,忠実な証人からなる大ぜいの群集の活動から,いくつかの経験をお知らせできるのは喜びです。

東ドイツ

伝道者たちは弟子を作るため,伝道や教えるわざに忙しく携わっており,その努力は豊かに報われています。多くの人々は,よりよい将来を願って人問の約束にたよるのは,もはやむだであるということを認めています。ですから,王国の音信に接すると快く真理に耳を傾けます。

高校に通う,16歳の少女が真理を学びました。家庭聖書研究をわずか3か月しただけで,神が人間に専心の献身を求めておられること,また真のクリスチャンはもう戦争を学ばないということを理解しました。それで,良心が許さないから,ライフルの射撃訓練を免除してほしいと担任の先生に申し出ました。翌日,少女は校長の前で自分の決心を弁護しなければなりませんでした。校長は少女をどなりつけ,2時間にわたって話し合いをしましたが,それでも少女の考えを変えることはできませんでした。それから少女は,共産主義の青年たちからなる政治的な組織,FDJへ脱退届けを出しました。ところがこのことがさらに試練を招く結果になりました。組織の成員たちは何時間も彼女と話し,良い社会的地位や,獣医になるための勉強ができる場所を提供しようといいました。また,少女の友人を使って,新しい信仰を捨てさせようとしました。次いで学校は,少女の脱退届けの要旨を掲示板にかかげ,仲間の生徒たちにそれについて意見を述べさせました。しかし,そうしたあらゆる圧力にもかかわらず,少女は自分の立場を捨てませんでした。ついに,「学校は彼女の社会的怠惰に耐えることができない」という理由で,昨年少女は放校させられました。現在,彼女は宣教活動に携わっており,バプテスマを受けることを楽しみにしています。

ある婦人の伝道者からの報告は,音信が伝道されるや,それがいかに急速に広がるかを示す,別の典型的な例です。その伝道者はひとりの若い女性と家庭聖書研究をしていましたが,その女性はまもなく自分の学んだ良い事柄を職場の同僚たちに話しはじめました。そして,ある若い女性がいくらかの関心を示し,前述の家庭聖書研究に参加することを望みました。しかし,研究を司会しているエホバの証人は,その人のことがほんとうにわかってから研究に呼ぶのがよいと考え,彼女の家を訪問してはどうかと提案しました。研究している女の人は少しの言い訳をして,訪問の申し出を受け入れませんでした。ところがその時,伝道者は,その研究生の夫も関心を持っていることを知りました。さて,どうすればよいでしょうか。伝道者は,その夫に,例の関心を示した女性とその夫が住んでいる近所で,手始めにいくらか証言してほしいとたのみました。その結果,彼はその夫婦がほんとうに関心を持っていることを知り,その人たちと家庭聖書研究を始めました。しかし,まもなく,神と神のみことばに対するその夫婦の信仰はためされることになりました。ふたりがちょうど,「とこしえの命に導く真理」と題する本の第2章まで学んだ時,妻の実の姉妹が,その夫婦を訪れました。その姉妹は数年間,ふたりの所に来たことがありませんでした。この訪問の目的は,ふたりに聖書研究をやめさせるためでした。しかし,それは徒労に終わりました。二,三日後,警官がふたりを訪れ,いっしょに聖書を学んでいる人の名前と住所について尋問し,そのような研究は不法行為であると指摘しました。外部の人々のそうした努力はすべて,ふたりの関心を高めたにすぎません。というのは,聖書研究をやめさせたいと考える隣人や友人たちには,永遠の生命を与える力がないということを,聖書研究ですでに学んでいたからです。ところで,伝道者と研究をしていた前述の女性のほうは,別の仕事仲間とその夫の関心を高め,2度目に訪問した際,聖書研究を取り決めることができました。

「真理」の本は,多くの人々が急速に進歩するのを助けています。ある伝道者が最初に訪問した1軒の家で,男の人が戸をあけました。伝道者が証言の話を始めると,家の主人はそれをさえぎり,憤りをまじえて,こう言いました。「帰ってください。わたしは教会なんかには,もう縁がありません。アイルランドの事態はどうですか。クリスチャンが互いに戦い合っているではありませんか」。伝道者は,そうした争いに関係しないクリスチャンがいるということを指摘しました。それはエホバの証人だと,家の主人は言いました。「わたしはそのひとりです」と伝道者が答えると,家の中に入れてもらえました。2度目の訪問で,「真理」の本による聖書研究が始まりました。主人と妻,それに5人のむすこのうち3人が研究に参加しました。その本の第2章を学んでから,彼らは教会から脱退し,第3章を学んだ時には,家の壁に掛けてあった宗教的な像を取り除きました。また,血のソーセージを食べることをやめましたし,おばあさんが強く反対したにもかかわらず,クリスマスを祝いませんでした。妻は証言のわざに携わりはじめました。最近,選挙が行なわれた際,棄権しないよう人々に強い圧力が加えられたため,その家族はきびしい試練を経験しました。しかし,クリスチャンの中立という立場を守りました。そしてその家族は,エホバへの献身を表わすため,バプテスマを受けることを楽しみにしています。

エホバの証人であるふたりの女学生は必要の大きな区域で音信を宣べ伝えるため,学校の休暇を利用することにしました。その区域に不案内だったふたりは,それとは知らず,村の警官の家を訪問しました。警官の妻に証言したところへ,夫が帰ってきました。ふたりの証人はその警官に,自分たちがエホバの証人であること,また,その村で,今なお神と聖書を信じている人々を見い出したいと願っていることを話しました。警官はふたりの身分証明書を調べると,がんばりなさいと言って,伝道を続けさせてくれました。しかし,物事はふたりが考えていたほど順調には進みませんでした。別の警官が秘密警察を呼んだため,ふたりは正午ごろ逮捕され,警察署へ連行されました。ふたりは出会った警官すべてに真理を伝道し,数人の上位の警官にも良い証言をすることができました。また,ふたりは別々に,3時間半の尋問を受けました。当局者は,おどしたり,威嚇したりしょうと努め,どなったり,やさしくなったりいろいろしたあと,ついにふたりをその州から追放することに決めました。署長は,こんなことは今までに経験のないことだと言ったので,片方の姉妹は,あなたも自分の将来に関する決定を下すため,この良いたよりを聞く必要があります,と答えました。そして,ふたりは,自分たちに神の音信を話させてくれたことに対して,警官たちに礼を述べ,神に逆らうような危険に陥らないようにとの,ガマリエルの賢明な助言を指摘しました。

あるエホバの証人が,仕事で町に来ていた時ひとりの盲人の青年が彼に近づき,手を引いて大通りの向こう側へ渡してほしいとたのみました。その証人は青年をかわいそうに思い,医師のなおせない,人間のすべての病気が,キリストの治める王国のもとでいやされる時代の来ることを,彼に話しはじめました。青年が話に同意するので,証人は十分の証言をし,盲人施設に住んでいる彼を訪問する約束をしました。数回訪問し,しばらくたってから,近くに住むひとりの伝道者に,青年を訪問してもらうよう住所を知らせました。その結果,青年との定期的な聖書研究が始まり,彼は偽りの宗教との関係を断ち,近いうちに献身を表わすことを楽しみにしています。

ハンガリー

ときとして,自分の家族から非常にきびしい迫害を受けることがあります。ハンガリーの一家族に起こったことはその実例です。他の国々の場合と同様,ハンガリーでも,相当数の若い人々が神の組織に加わっています。自分たちのおばあさんのところをたびたび訪問する,17歳と18歳になるふたりの兄弟がいました。おばあさんは,彼らが来ると,エホバの王国について証言をしました。その婦人はエホバの証人とともに,長年のあいだ聖書を学んでいましたが,まだ献身はしていませんでした。それで,ふたりの若者はおばあさんから聞いた事柄にあきたらず,ひとりの若い女のエホバの証人と,「失楽園から復楽園まで」と題する本にそって家庭聖書研究を始めました。真理に深い感銘を受けたそのふたりは,ある日家に帰ると,自分たちがエホバの証人になる決意をしたことを両親に話しました。郵便局員の父親はひどく怒り,太い綱を取ると,情け容赦なく,むすこを殴打しはじめました。すさまじい光景がしばらくの間続き,ふたりの若者は意識不明になりました。父親はバケツで冷たい水をくんで,それをふたりにかけ,息をふき返えすと,ふたたびなぐりはじめました。片方のむすこをスコップで打ち,その柄が折れてしまうほどでした。しかし,ふたりはしっかりと自分たちの立場を守りました。彼らが持っていたのは,打ち勝つことのできない,エホバの霊の力を後ろだてとする真理だったからです。すると,父親は泣き出し,その新しい宗教には全然関係しないでほしいとむすこたちに懇願しました。それも効果がなかったので,むすこを家から追い出し,その件で自分とむすこたちを警察に告発しました。

それから父親は親せきの者にたのんで,むすこたちと聖書研究をしたエホバの証人を責めはじめました。その若い女性は威嚇されたり,侮辱を受けたり,また打たれたりなどしましたが,同じ家に住む,男のエホバの証人が仲裁にはいって,万事取りおさめました。ふたりの若者は職場で困難な目にあったり,警官に悩まされたりしましたが,強い勇気を持っていました。一方,若者の両親は神経の具合をたいへん悪くし,専門医に見てもらわなければならなくなりました。彼らは,むすこたちの「精神病」のおかげで,神経の状態がおかしくなったと医師に話しました。医者は,むすこたちを検査するから,自分のところによこすようにと両親に告げました。若者たちは医師に見てもらうためにやってきました。神のみことばという確かな土台に基づく,自分たちのすばらしい希望について,医師に確信をもって話をしました。それを聞いた医師は,ふたりが全く正常で健康であると認め,ふたりとも16歳を過ぎているのだから,自分で宗教を選ぶ法的な権利があると言いました。そのことばに驚き,また感銘を受けた両親は,いくらか考えを変え,むすこたちが家に帰るのを許しました。ふたりの若者は両親に愛と尊敬を表わし,「新しい宗教」の原則に関係した事柄を除いては従順を示しています。家庭聖書研究は引き続き行なわれています。

ポーランド

この国では不思議な事態が見られています。伝道者たちは警官に干渉されることなく,多くの場所で人々の家を訪問することができます。また,当局者から非常に親切な扱いを受けるので,感謝しているほどです。政府の役人は時おりエホバの証人を呼びとめては,証人に対する関係や取り締りが改善,緩和されたことについて親切に説明してくれます。しかし,昨年,逮捕されたり,投獄されたりした伝道者も数人います。その中には,クリスチャンとしての信仰を持っていたため,ヒトラーの強制収容所で苦しみを受け,さらに,過酷なスターリン時代に尋問にあって投獄された人が数人いました。

逮捕された,かなりの数の証人たちはクリスチャン活動を行なったかどで裁判にかけられました。エホバの証人たちの弁護人は,そうした裁判が不合理であることを法廷で示そうと努めました。ひとりの男の証人は4年6か月の刑を受けましたが,上級裁判所に上訴しました。その法廷で,弁護人は次のように述べました。「自己欺まんはやめようではありませんか。エホバの証人はすでに100年の歴史を持っています。にもかかわらず,彼らの存在を秘密のこととみなせるでしょうか」。彼は,エホバの証人の高い道徳規準や,証人たちが社会に良い影響を及ぼしていることに人々の注意を向け,その証人の無罪を要求しました。裁判官はそれに同意を示しました。しかし……刑は2年6か月に軽減されたにすぎませんでした。大赦があったので,同エホバの証人の服役期間は1年3か月になりました。

ワルシャワから報告された次のできごとから,役人の多くがエホバの証人のわざを個人的にどう感じているかがわかります。検察当局の弁護人のひとりは,友人がポーランド語の「ものみの塔」誌を読んでいるのを見つけて,こう言いました。「君は何を読んでいるんだい。それは発禁になっていることを知らないのかい」。友人は彼に答えました。「それが合法的かどうかはぼくにとって問題じゃない。たいせつなのは,これが良い記事だということだ」。するとその弁護人は言いました。「じゃ,もうじゃましないから,続けて読むんだな。実は,ぼくも読んでるんだよ」。

初めて伝道者の訪問を受けた時,いくらかの関心を示した少女がいました。伝道者は再び訪問し,まず最初に「真理」の本を紹介しました。伝道者がその一部を読みはじめると,少女の兄が自分のへやから出てきて,わたしたちはそんなことを教えてもらう必要はないと言いました。伝道者は,妹さんに依頼されたので,約束を果たしたいと答えました。そして読み続けると,その人はまたもやじゃまをしようとしました。しかしその時,「真理」の本がたいへん興味深いことを知った両親が彼をなだめたので,その若者はへやを出て行きました。ところがしばらくすると,もうひとりの若者が聖書研究に加わり,その後まもなく,別の若者もやって来ました。ついには,少女の兄も再び出てきて,熱心に耳を傾けはじめました。「真理」の本の内容は,その人の強い偏見さえも打ち破ったのです。

ある日曜日の朝,エホバの証人の一団が,ある村へ伝道奉仕に出かけました。時を同じくして,政府のラジオテレビ局の検査班の一団も,未登録で使用されている受信機を摘発するために,同じ村へやって来ました。だれかが証人たちの活動を警官に知らせて,警官が到着した時には,証人たちも検査班の一団も仕事をすでに済ませ,バス停で次のバスを待っていました。警官はたまたま,放送局員からその身元調査をはじめました。数人の放送局員を調べて,彼ら全員が村へ来た理由がわかると,警官は調査を打ち切りました。そして証人たちのそばを通り過ぎる時,警官のひとりは同僚に,「ネコじゃなかった」と言いました。「ネコ」とは異端者を意味する軽べつ的な言い方で,ふつうエホバの証人をさす,侮辱的なことばとして使われています。このようにして,警官はめくらにされ,捜している証人に気がつきませんでした。

ルーマニア

ルーマニアの証人たちは多くの苦難を経験しています。この国の広大な地域が洪水のためにはんらんし,そのためにエホバの証人の多くは家財道具を失いました。しかも,ルーマニア政府は,証人に対する迫害の手をゆるめていません。1970年にふたりの男の証人が,9年および10年の宣告を受けて投獄されました。単に,聖書を個人的に学び,それについて他の人々に話したという“罪”で,正直な人々がそのような取り扱いを受けるのは,全く信じられないことです。同国内のエホバの証人を恐れさせるために,政府がそうした行動に出ていることは疑いありません。ルーマニアの一証人は次のような手紙を寄せています。「ルーマニアの証人たちは,国家から厳しく迫害されており,福音を広めたかどで,有罪とされた人がたくさんいます。わたしたちは拷問されたり,あざけられたりし,麻酔剤を飲まされた人もいます。そのため,相当数の人が精神病院へ連れてゆかれねばなりませんでした。わたしたちは,投獄されているそれら証人を,みなさんが祈りの中で覚えていただくよう,せつに願っています。わたしたちは,これらの事柄すべてを,耐え忍ばねばならない試練だと思っています。そして,マタイ伝 24章14節で命ぜられているように,わたしたちは勇敢に良いたよりを宣べ伝え続けます。しかし,もう一度,全心臓とともにみなさんにお願いします。どうか,わたしたちのことを忘れないでくださいと」。

ソビエト社会主義共和国連邦

ソ連のエホバの証人は,世界じゅうにいる証人たちすべてに,心臓からのあいさつを送っています。政府当局は無神論の大々的な宣伝,また,良いたよりの伝道者に対して圧力を加えることにより,人々に真理を学ばせまいとする努力を強化しましたが,昨年もエホバの証人にとって進歩の年となりました。神と聖書に関して人々と話し合うことは,全般的にいって,いくらか容易になりました。数年前には,どの人も,そうした話には努めて耳を貸さないようにしていました。

当局はエホバの証人のことだけを扱った,216ページの新しい本を発行しました。その意図するところは,特に,無神論の宣伝者に備えをさせることと,一般民衆に,エホバの証人と関係するのを恐れさせることです。その本の名前は「エホバの証人」です。われわれエホバの証人が行なっているのは,西欧の資本主義世界と親善関係を結び,その教理をもって大衆を資本主義社会の搾取下に誘導し,同時に,共産主義体制に反抗するよう東側諸国の人々をそそのかしている,とその本は述べています。そうした虚言の「証明」として,証人の文書の一部をわい曲したものが本文に引用されています。彼らがどれほど憶面もなく真理を曲げているかをみなさんに知っていただくため,「諸国民の癒しは近し」と題する小冊子から引用したという一説をここに紹介しましょう。その小冊子は,「アメリカこと,エホバという神をもつ祝福された民である」と述べている,というのがその本の主張です。

しかし,当局が証人のわざに対してそうした不誠実かつ不合理な態度を取ることは逆効果を生んでいます。人々はエホバの証人を避けるどころか,証人について少しでも知っている人々は,それによって決定を早めるようになっています。そうした人たちは,自分たちが当局から故意にだまされたことを知るやいなや,真理がどこで得られるか,また誤りはどこに存在しているかを容易に見わけます。

数年前,何人かの証人が必要の大きいある小都市へ移りました。彼らの信仰と努力は豊かに報われ,現在,その群れには30名の人が交わって,引き続きさらに多くの人々が良いたよりに関心を示しています。別の会衆では,昨年の夏に,10名の新しい伝道者がバプテスマを受けました。

人々の思いに植えられた強い偏見は,それらの人が自分でエホバの証人について知るようになると,取り除かれます。ある家族は伝道者の訪問を受け,話を聞きましたが,突然,自分たちは天の王国を望んでいないと言って,伝道者たちを追い返しました。しばらく後,伝道者たちはもう一度同じ家を尋ねました。その時,16歳の少女が居合わせ,強い関心を示しました。伝道者がふたたび帰るように言われた時,その少女は彼らのあとについて外へ出ると,また来てほしい,とたのみ,おじいさんが仕事で留守の時がよいのですが,と言いました。伝道者たちはそのとおりにしました。しばらくして,おじいさんにも聞かせるべきだと思った少女は,「おじいさんは家族の者にあまり親切ではありませんし,お酒飲みですが,あなたがたのお話を聞くかもしれません」と言いました。伝道者がその老人に話しに行った時,彼は怒って,伝道者たちに家から出て行くように言いました。その後,少女は集会に出席しはじめました。そのことは彼女の祖父に知れましたが,彼はそれによって考えなおしたのでしょう,少女に,もう一度伝道者を呼ぶように言いました。それからというもの,老人の真理に対する態度は変わり,深い関心を示しはじめました。そして生活のし方を変えて,自ら伝道者になりました。また,家族の他の者を助けるために尽力し,今では家族全員が献身したクリスチャンになっています。

鉄道の車操車場の近くに,自分の姉妹といっしょに住んでいるひとりの女の証人は,ある夜,玄関の戸をたたく音を聞きました。外の暗やみの中に,年配の男の人がいました。その人は,トラックに積み込めなかった荷物の番をすることになっていました。長い夜を明かさなければならないので,何か読む物を見せてもらえないかと言いました。近くには他にも数軒家があったのですが,その人は証人の家を尋ねたのでした。証人はその人に証言しはじめ,「神を真とすべし」と題する本を手で写したものの一部を,読むようにと勧めました。彼はそれを手にして立ち去ったのですが,しばらくして,再び戸をたたき,聖書が欲しいと言いました。彼は次の晩も夜警をしなければならなかったので,もう一度,証人と真理について話しました。それは,彼が夜警をする最後の夜でしたが,証人はその人の家を訪問する取り決めを設け,良い家庭聖書研究を始めました。ほどなくして,その人は町に住む娘たちに話し,彼女たちもその研究に加わるようになりました。

シベリアのある伝道者は,家族全員で真理を受け入れていました。彼は,数千キロ離れた所に住む親族に真理を伝えたいと思い,そこへ旅行して,いとこに当たる28歳の女性に伝道しはじめました。彼女は実際に関心を持ちました。そこで,ふたりはいっしょに,人口約50万のその都市でエホバの証人を捜し出そうと努めました。4か月のあいだ捜しましたが,見つけることができませんでした。と,ある時,市場に買い物に行ったり,店の前で順番を待つ人々に伝道している女性が隣りの町にいることを知りました。ふたりはその証人を見つけたのですが,数々の悲しい経験をしたその証人は,見ず知らずのふたりを信用せず,ふたりと約束した時間に姿を見せませんでした。ふたりは再び彼女のもとへ行き,来てほしいと頼まねばなりませんでした。するとその証人は,関心を持つ前述の女性の町に住む伝道者を知っている,他の奉仕者を紹介しました。彼女と初めて会う約束をしたその伝道者は,彼女がたいへん強い関心をいだいていることに深い感銘を受けました。夜の8時にあるバス停で会う約束が取り決められました。ひとりの女の証人を伴った彼は,予定よりも早く,6時にそこへ着きました。彼らがバス停へ着いて驚いたことに,関心を持つ女性とそのいとこは,証人たちを見過ごすまいと思い,すでに2時間も前からそこにすわって待っていたのです。ふたりの証人たちはその女性の家に行き,真理について話しましたが,彼女の興味のつきないので,それは3時間にわたりました。その伝道者はそれまでに,彼女ほど注意をそらさずに話を熱心に聞く人に会ったことがありませんでした。全員が深い喜びに包まれました。シベリアからの証人は念願果たして,翌朝帰途につきました。彼のいとこはめざましく進歩して,すでにバプテスマを受けたいとの希望を表明しています。

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