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目ざめよ! 1981
目81 6/8 23–24ページ

生きた芸術作品

私の娘が13歳の時,図書館の本を1冊家に持って来ました。私が盆栽のことを知ったのはその本が最初でした。娘は本の中の写真を見せてくれましたが,その枝振りの見事さや非対称形の芸術的な美しさに二人で息をのみました。私の関心が急激に呼び起こされたのはこの時です。私たちはその資料をむさぼるように読み,程なくして,盆栽になりそうな木を購入するために近くにある植木屋に出掛けて行きました。二人で根を切り,枝を摘み取り,ひもや針金を結び付け,それを鉢に植え直しました。しかしその木を庭に出してからしばらくすると枯れていることが分かりました。

何年かして引っ越した所では,小さな野生の樹木を掘り起こしてそれを盆栽にできたので,私はもう一度栽培することにしました。今度は少しうまく行きました。娘は以前よりも成長していたので,もう家にはいませんでした。しかし私たちは最近,一緒に首都ワシントンに旅行し,国立樹木園を訪れました。関心があったのは全国盆栽コレクションだけでした。それは,日本盆栽協会から寄贈された53本の樹木から成るコレクションです。その中には,日本の皇室から送られた樹齢180年という見事な赤松も含まれていました。これらの木は代々専門家の手によって育てられてきました。たとえ以前には“盆による栽培”に関心がなかった人でも,これらの生きた芸術作品に接すれば喜びを感ずることでしょう。これらの盆栽を見ていると,小人の国リリパット島の小規模な風景を見ているガリバーのような気持ちになるでしょう。

盆栽とは何か

この趣味は,木をねじ曲げ,奇怪な形にすることで木を苦しめているのではないかと思う人がいるかもしれません。しかしこの芸術をはぐくんできた日本人にとっては,喧騒な都会の生活において,自然の一部を身近に置く一つの方法なのです。底の浅い鉢の中に入れられた木をよく観察してみると,その土はこけで覆われ,その中にごつごつした石が埋め込まれています。それはかつて見た実景をしのばせるものです。

おそらくあなたも,家族や友達と一緒に小さな森にピクニックに出掛けた楽しい経験をお持ちでしょう。記念としてそこの写真を撮ることもできますし,何本かの苗木を植えて,その風景の生きた思い出を作ることもできるかもしれません。

好きな木はいろいろあっても,背の高い木は1本か2本しか置く場所がないという人は,裏庭にあるがんじょうなベンチに背の低い木を10本は楽々と並べて展示することができます。盆栽を夢中で栽培していた私の友人の場合には事情が逆でした。広い土地を手に入れたのに友人は盆栽の趣味をやめてしまい,背の高い普通の樹木の栽培に転向してしまいました。

落葉樹の葉がその色合いを変える秋がきらいだと言う人はいないでしょう。その秋の色を帯びた盆栽は,居間という身近な場所で非常に魅力的な風情を見せてくれます。春に花を付ける庭の木々も美しいものですが,突然の嵐に襲われると花は散り,その眺めは短い期間で終わってしまいます。アザレアでもマルメロでもフジでも,花を付ける盆栽なら,いつ変わるとも知れない春の天候の影響を受けないよう家の中に持って来ることができます。そして長い期間楽しむことができるのです。したがってこれらの植物が簡単に動かせることは,盆栽に人気があるもう一つの理由となっています。

元来,盆栽は戸外の植物であり,丈夫に育てるには日光,新鮮な空気,季節の変化などが必要です。多量の水をあげたり,葉にひんぱんに霧吹きをしたりする必要がありますが,これは屋内では不都合です。暖かい家の中で湿気が不足すると,ほとんどの樹木は悪い影響を受けますから,鑑賞するための特別な期間だけ,あるいはお客さんを歓迎する時にだけ屋内に持ち込むべきです。

成果を得る

草や木の必要物について多少の理解をお持ちの方なら,盆栽作りの趣味を楽しむことができます。地球の西半球では,関心が高まっていることに比例して,盆栽のことを扱った書物が増えています。せん定をして,形を整えたり,だめになった枝を除いたりしたことがありますか。刈込みばさみを使い,背の高い木にははしごをかけて登ったに違いありません。ところが盆栽の場合にはそんなことをしなくても,台所の足台や,爪切りを使ってできるのです。木の植替えに成功した方なら,それを行なう時の重要性をご存じのはずです。ある場合にはすきで根を切り取り,主根を分けたり,実際に木を動かしたりする前に,側根が成長するだけの時間をとってあげたことでしょう。このことを理解していれば,野生の樹木を容器に移し替える時にも役立ちます。誘惑にかられて暑い夏の時期に樹木を掘り起こしてはなりません。そんなことをすれば葉が枯れて,木はだめになってしまうだけです。また,植木屋で栽培されていた木の根の塊の部分を,一時に盆栽の鉢に押し込もうとして,切断してもなりません。

室内の鉢植えの植物に特に関心がおありでしたら,ある種類は室内で育てる盆栽にできるかもしれません。その中にはアザレア,ツゲ,コトネアスター,ピロカンタなどがあります。アメリカで盆栽を趣味とする人々は,フィクス・エクソティカやポリキアン・フルイティコサを用いています。室内用の熱帯植物を栽培する時は,丈が高くなると徐々に大きな鉢に移し替えることをよくします。ここが盆栽作りの異なっている所です。なぜなら盆栽の場合には,幾年もずっと同じ鉢の中に根が収まっているようにするためだけではなく,根と茎の境に近い所で若い根が成長することを促すために,根を慎重に切り取るからです。葉もそれに応じて切ってやると,均整の取れた比較的太めに見える幹ができあがります。

初心者は始めてすぐに多くの事柄を達成できると期待してはなりません。私が最初の労作を見せた時に専門の盆栽師の顔に浮かんだ,かすかな困ったような笑いを今でも思い出します。その人は私を落胆させたくはなかったのですが,本気でほめることはできませんでした。しばらくすると,自分の木の中に非常にすばらしいものがあるように感じますが,それも盆栽展示会に出席して,玄人の作品と比べて見劣りすることが分かるまでのことです。しかしこれでやめてはなりません。

まだ開発が進んでいない場所で時を過ごす方なら,野生の小さな木を見付けることができるかもしれません。それは盆栽に熱を上げている人にとっては宝物です。あるいは植木屋をゆっくりながめている時に,均整の取れた形でないために売れ残った傷物を発見するかもしれません。

盆栽は短時間で完成すると考える人もいますが,本当の美しさを備えた盆栽ができるには最低10年は必要だと言う人もいます。しかしその古めかしさは見せかけであり,言いかえれば盆栽師によって作り出される錯覚であって,必ずしも実際の経過時間とは関係がないことにどんな人も同意されるでしょう。ですから忍耐強く行なえば読者も生きた芸術作品を得ることになるかもしれません。―寄稿。

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