ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目91 2/22 16–17ページ
  • 逃げ隠れの上手なクーズーを紹介します

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 逃げ隠れの上手なクーズーを紹介します
  • 目ざめよ! 1991
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 赤ちゃんの時期となわばり制
  • 理知のある設計の証拠
  • 思いがけない出発
  • ライオンも真っ青のクーズー
    目ざめよ! 1993
  • 樹木が“会話する”時
    目ざめよ! 1986
  • そのクーズーは忘れなかった
    目ざめよ! 1996
  • 読者の声
    目ざめよ! 1994
もっと見る
目ざめよ! 1991
目91 2/22 16–17ページ

逃げ隠れの上手なクーズーを紹介します

ケニアの「目ざめよ!」通信員

『逃げ隠れの上手な何ですって?』 逃げ隠れの上手なクーズーですよ。東アフリカの国立公園や野生動物保護区に生息する美しいレイヨウのことです。逃げ隠れが上手というのは,すごく臆病なこの動物を表現するのに最適な言葉です。では,クーズーを一目見ることができるかどうか,ケニアのツァボ国立公園に行ってみましょう。

私たちが国立公園の西部地区に入ったのは午前9時ごろでした。アフリカの最高峰キリマンジャロが目に飛び込んできます。山頂に雪をいただくその雄姿は,この美しい保護区をドライブする間に楽しめる数多くの景色の一つです。でも,そんなことを言っていてはクーズーを見ることができません。クーズーがえさを食べたり動き回ったりするのは早朝か夕方か夜だけです。暑い日中は茂みの中で休んでいます。ですからクーズーを見るためには,日の出の直後か日没前の数時間に,ふさわしい場所にいなければなりません。

日が暮れてきたので,私たちはキャンプ地にテントを張ります。そこはツァボ川を見下ろす砂だらけの小さながけの頂上にあります。私たちは夜明けに起床し,簡単に朝食を済ませてから出発し,車で山道をゆっくりと下ります。あっ,あそこにいます! 雄のクーズーがじっと立っています。

朝日を浴びるその姿は何と美しいのでしょう。濃い灰色をしたハンサムな雄羊といったところです。胴体には,十三,四本の細い白の縦縞が入っています。のどには白くなっている部分がくっきりと目立ち,首の下のほうには白い帯状の模様が入っています。ビロードのような両目の間の白いV字型の模様と口の周りの白い部分は,クーズーの黒い顔の特徴になっています。首から肩を通って背中まで続く白くて短いたてがみが,ひんやりとした朝風にそっとなびいています。頭からは三重にねじれた2本の角が,上に開きながら優雅にうねりを見せています。

今見ているクーズーは,アフリカに見られる2種類のクーズーのうちの一つです。このクーズーは小型クーズーとして知られています。その“兄貴分”にあたる大型クーズーはケニアの北部に生息していますが,ツァボではほとんど見られません。大型クーズーは体が大きいことに加え,茶色と白の量感のあるあごひげで見分けることができます。その印象的なあごひげは首のへりに沿って胸まで伸びています。角もさらにがっしりしており,耳もそれに見合って大きくなっています。胴体の白い縞は多くて8本しかありません。

赤ちゃんの時期となわばり制

クーズーの赤ちゃんが生まれると,母親はすぐに赤ちゃんの体をなめてにおいをなくし,捕食動物に追われないようにします。そして母親が赤ちゃんを置いてえさを探しに行くと,赤ちゃんはその場にじっと静かに横たわっています。母親は赤ちゃんのにおいを消して捕食動物から保護するために,お風呂がわりに定期的に赤ちゃんの体をなめます。しかし十日もすると,赤ちゃんも少しずつ草を食べ始め,体臭を発するようになります。すると,探知を防ぐための特別な防御機構がなくなるため,その時からはどこへ行くにも母親のそばにくっついているようになります。

なわばりを定めることは,クーズーの目立った特徴です。雄のクーズーが地面の一定の場所を選んでそこを守るのです。雄はある一帯を自分のなわばりにするとき,草むらや茂みに排せつ物を残して境界線を示します。もし,雄の侵入者がこのにおいの付いた境界線を越えて入って来るなら,すべて追い払って自分の区画を守ります。侵入者が雌ならどうしますか。何と,雌は侵入者とはなりません。ゲストとして迎えられ,そこにとどまります。というよりは,半ば強制的にそうされるのかもしれません。

理知のある設計の証拠

クーズーは,なわばりを定めるという本能的習性を持っているために,程よく分散し,一か所に集中することがありません。ですから草をはむクーズーにとって,好物の草の茂みがとぎれることはありません。しかし干ばつが起きたらどうなるのでしょうか。

自然保護論者のダフネ・シェルドリックは,東アフリカ野生生物協会のスワラ誌の中でこう説明しています。「しかし,食物や水がほとんどない苦境のときに,自然は,なわばり制とは正反対の抜本的な方法を取り入れる。……つまりそれは移動である。なわばり制は,分離を推進し,戦う傾向とつがいになる傾向を助長するが,移動は,より密接な協力の必要性が高まる中,これら二つの基本的な本能を抑制する。どのクーズーにとっても生き延びることが最大の関心事となり,雄も雌も一緒になって……平和に共存する。そしてある日,まるで神の命令によるかのように,クーズーは一団となって一つの地域から立ちのく。集団移動が起きるのである」。そうです,クーズーは草の豊富に茂る新たなえさ場を求めて出発するのです。

自然と呼ばれる理知も方向性もない力が,そのような正反対の行動様式を考案し発達させることがあり得るでしょうか。確かに,この本能による複雑な習性をクーズーに組み込むことができたのは,理知のある最高の設計者をおいてほかにいません。

思いがけない出発

さて,読者もクーズーに対する好奇心に誘われ,私たちと一緒に来て良かったと思っているのではありませんか。むこうの茂みでせっせと草をはんでいるクーズーの姿を見ていると,逃げ隠れの上手な動物だとはとても思えません。しかし,クーズーは私たちを見つけました。急に鼻と大きな耳をぴくぴく動かします。せきのような,ほえ声のような音を立てて茂みの中に飛び込み,さっと逃げて行きました。息をひそめていた私たちがようやく一息つくと,またもやびっくりするようなことが起きました。栗色と灰色の雌のクーズーが現われ,あとを追って跳びはねて行きます。これまでずっと,そばの茂みの中で立っていたのです。その色でぴくりとも動かなかったのですから,完ぺきなカムフラージュでした。

おとなしいクーズーはアフリカの原野でこのようにして生き延びています。クーズーを守っているのは,じっと動かずに周囲の環境に溶け込む本能的な能力です。クーズーが逃げ隠れの非常に上手な動物であるのも不思議ではありません。命がそれにかかっているのです!

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする